スペイン語由来の「外来語」(その1:音楽・生活全般)フラメンコ・カスタネット・タンゴ・ルンバ・ゲリラ他

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フラメンコ

古来日本人は、中国から「漢語」を輸入して日本語化したのをはじめ、室町時代から江戸時代にかけてはポルトガル語やオランダ語由来の「外来語」がたくさん出来ました。

幕末から明治維新にかけては、鉄道用語

はイギリス英語、医学用語はドイツ語、芸術・料理・服飾用語はフランス語由来の「外来語」がたくさん使われるようになりました。

日本語に翻訳した「和製漢語」も多く作られましたが、そのまま日本語として定着した言葉もあります。たとえば「科学」「郵便」「自由」「観念」「福祉」「革命」「意識」「右翼」「運動」「階級」「共産主義」「共和」「左翼」「失恋」「進化」「接吻」「唯物論」「人民」などです。

スペイン語に由来する外来語(スペイン語から日本語への借用語)は、食べ物や地名だけでなく、スペインやラテンアメリカ・カリブ地域の文化から発展した独自の音楽、娯楽、遊戯、習慣など多岐にわたります。

そこで今回は、日本語として定着した(日本語になった)スペイン語由来の「外来語」(その1:音楽・生活全般)をご紹介します。

1.フラメンコ(Flamenco)

フラメンコ

「フラメンコ」は、スペイン語で「フランドルの~、フラメンコの」を意味する「flamenco」に由来します。

フランドルはオランダ南部、フランス北部、ベルギー西部にかけての地域で、英語の発音は「フランダース」です。ただ、フラメンコはフランドルとは関係なく、なぜこの名前で呼ばれているのかは不明だそうです。フラメンコはスペイン・アンダルシア地方に伝わる民族舞曲です。

2.カスタネット(Castañuelas)

「カスタネット」は、スペイン語で「小さな栗」を意味する「castañeta」に由来します。スペイン語で「castaña」は「栗」のことです。

なぜ栗が語源なのかは諸説あり、栗の形をしているから、栗の木から作られたから、などの説があります。

3.タンゴ(Tango)

「タンゴ」は、スペイン語の「太鼓、ドラム(tambor)」や、ニジェール・コンゴ語の「踊る(tamgu)」などに由来する説がありますが、定説はありません。

18世紀頃にイベリア半島で発祥され、その後スペイン植民地に伝わりました。アルゼンチン・タンゴが有名です。

4.ルンバ(Rumba)

「ルンバ」(rumba)は、キューバの「パーティー、酒宴(rumbo)」に由来します。スペイン語の「rumbo」は「針路」を意味する言葉です。 ルンバはキューバの大衆音楽ですが、アイロボット社の自動掃除ロボットの名前にもなっています。

5.ウノ(UNO)

UNO(ウノ)はスペイン語やイタリア語の「1」に由来します。 1971年にアメリカで考案されたカードゲームの名称で、手札が一枚の時に「ウノ」と宣言することから名付けられそうです。

6.ゲリラ(Guerrilla)

「ゲリラ」は、スペイン語で「小さな戦争」を意味する「guerrilla」に由来します。スペイン語で「戦争」を意味する「guerra」に、「小さいこと」を意味する指小辞「-illa」を付けた単語です。

1804年から1809年まで続いた「スペイン独立戦争」に、スペイン人とポルトガル人がナポレオン軍に対して行った「小規模の軍事行動」をゲリラと呼んだことに由来します。

7.サルサ(Salsa)

「サルサ」は、スペイン語の「ソース(salsa)」に由来します。ソースのサルサのように「色々なジャンルが混ざった」ことから名付けられたそうですが、諸説あるようです。

サルサは、ラテン語の「塩辛い(salsus)」や「塩(sal)」が語源ですが、調味料といえば塩だったことに由来するそうです。

8.シエスタ(Siesta)

「シエスタ」は、スペインなどで取られている「お昼の休憩(siesta)」のことです。

語源をさかのぼると、ラテン語で「6時間目」を意味する「hora sexta」に由来します。これは日の出から数えて6時間後、つまり正午の時間帯を指します。 昼寝だけでなく、日中の暑さを避けるために取り入れられた習慣で、スペイン以外にも多くのラテンアメリカの国で導入されています。

9.ドン(Don)

「ドン」は、スペイン語で「男性名の前につける尊称」の「Don」に由来します。

語源をさかのぼると、ラテン語の「主、マスター」を意味する「dominus」に由来します。 例えばセルバンテスの小説『ドン・キホーテ』のドンもこの意味です。アメリカ英語では「ボス・首領」という意味でも使われています。女性に対しては「ドーニャ(Doña)」を使います。

10.プラザ (Plaza)

「プラザ」は、スペイン語で「広場」を意味する「plaza」に由来します。

語源をさかのぼると、俗ラテン語の「正方形(plaza)」やラテン語の「中庭(platea)」に由来します。 英語でも使われていて、元々は「スペイン系アメリカ人の町」のことを指したそうです。「pla~」は「広がり」という意味があり、place(場所)、plant(植物)、plate(皿)などとは同根語です。

11.プラチナ(Platina)

「プラチナ」は、スペイン語で「小さな銀」を意味する「platina」に由来します。「銀」を意味する「plata」と「小さい」を表す指小辞「-ina」を合わせた言葉です。

18世紀頃にスペイン人が発見した「銀に似た白色の金属」のことを「ピント川の小さな銀(platina del Pinto)」と呼んだことに由来します。別名の「白金」はオランダ語のwitgoudに由来し、witは「白」、goudは「金」を意味します

12.マエストロ(Maestro)

「マエストロ」は、スペイン語やイタリア語で「先生、巨匠」を意味する「maestro」に由来します。習い事の先生や芸術家の師匠に対する敬称として使われます。

英語のマスター(master)は同じ語源の「同根語」兼「二重語」です。

13.マスカラ(Mascara)

「マスカラ」は、化粧品の一種で、まつげを濃く、長く、またはカールしているように見せるためのものです。

「マスカラ」は、「マスク」を意味するスペイン語の「máscara」やイタリア語の「maschera」に由来します。祖先のラテン語では「魔女」のことを「mascara」と呼んでいたこともあるそうです。

英語の「mask」は同根語で、フランス語から伝わりました。

14.マッチョ(Macho)

「マッチョ」とは、男性が持つ「強靱さ、逞しさ、勇敢さ、好戦性」といった性質を基礎とした思想や信条、行動をあらわす言葉です。筋骨たくましいさまや筋肉美を誇る男性を指したり(例:マッチョな青年)、男性優位を誇示する思想などを意味します。

「マッチョ」は、スペイン語で「雄の、男っぽい」を意味する「macho」に由来します。英語の「male(男性)」や「masculine(男性の)」などと同根語です。

15.ロデオ(Rodeo)

「ロデオ」は、スペイン語で「迂回、囲い」を意味する「rodeo」に由来します。動詞は「回る、囲む、家畜を集める」を意味する「rodear」です。

暴れ馬に乗ってカウボーイの腕前を競う競技で、スペインやメキシコの放牧の際に生まれた習慣です。

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