オランダ語由来の「外来語」(その5:マ行~ワ行)マスト・モルヒネ・モルモット・ランドセル・リウマチ・レッテル他

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マスト

古来日本人は、中国から「漢語」を輸入して日本語化したのをはじめ、室町時代から江戸時代にかけてはポルトガル語やオランダ語由来の「外来語」がたくさん出来ました。

幕末から明治維新にかけては、鉄道用語

はイギリス英語、医学用語はドイツ語、芸術・料理・服飾用語はフランス語由来の「外来語」がたくさん使われるようになりました。

日本語に翻訳した「和製漢語」も多く作られましたが、そのまま日本語として定着した言葉もあります。たとえば「科学」「郵便」「自由」「観念」「福祉」「革命」「意識」「右翼」「運動」「階級」「共産主義」「共和」「左翼」「失恋」「進化」「接吻」「唯物論」「人民」などです。

江戸時代の日本はヨーロッパで唯一オランダとは交易を持っていたため、オランダ語経由で様々な西洋の学問や知識を取り入れて来ました。現在では、オランダ語由来の言葉だとは分からないほど日本語として定着しています。

そこで今回は、日本語として定着した(日本語になった)オランダ語由来の「外来語」(その5:マ行~ワ行)をご紹介します。

1.マスト(Mast)

「マスト」は、オランダ語のmastに由来します。

語源をさかのぼると、ゲルマン祖語の「棒(mastaz)」という言葉に由来します。本来は帆を張るための垂直棒のことで、現在では信号旗・無線アンテナなどに利用されています。

2.メス(Mes)

「メス」は、外科手術や解剖に用いられる極めて鋭利な刃物のことで、オランダ語で「ナイフ」を意味するmesに由来します。

ただし、「メス」は和製外来語で、英語やオランダ語などのヨーロッパ言語ではmesではなくscalpel(スカルペル)またはランセット(lancet)と言います。

3.モルヒネ(Morfine)

「モルヒネ」はオランダ語のmorfineに由来します。

モルヒネは医療用の鎮痛薬ですが、1804年にドイツの薬剤師ゼルチュルナー(Friedrich Wilhelm Adam Sertürner)が世界で初めてアヘンから分離しました。

ゼルチュルナーは「夢のように痛みを取り除く」という理由から、この薬をギリシャ神話の夢の神「モルペウス(Morpheus)」にちなんで「モルフィウム (morphium)」と名付けました。

4.モルモット(Marmot)

「モルモット」は、オランダ語で「マーモット」を意味するmarmot(マルモット)に由来します。

モルモットはテンジクネズミ族の動物、マーモットはリス科の動物で、それぞれ別の動物です。江戸時代にテンジクネズミを持ち込んだオランダ商人が、マーモットと勘違いしたことから誤用として広まったそうです。

テンジクネズミは英語ではguinea pig、オランダ語ではcaviaと言います。

5.八重洲(やえす)

「八重洲」は、オランダ人航海士のヤン・ヨーステン(Jan Joosten van Lodensteyn)の名前に由来します。

ヤン・ヨーステンは1600年に日本に漂着したリーフデ号のオランダ人乗組員です。彼の日本名「耶楊子(ヤヨス)」がなまって「やえす」と呼ばれるようにりました。

6.ランドセル(Ransel)

「ランドセル」は、オランダ語で「背嚢(はいのう)」を意味するranselに由来します。

背嚢は背中に背負うカバンのことです。幕末に政府が洋式の軍隊制度を導入した際に、背嚢の呼び名としてランドセルを使い出したのが始まりです。オランダ語の発音はランセルやラヌセルで、それが訛ってランドセルになりました。

最近日本では、年々「ランドセル商戦」の時期が早っており、「ラン活」という言葉までありますね。

なお、由来には諸説あり、ドイツ語で「兵士」を意味するlandserを語源とする説もあります。1885年頃にドイツの軍事顧問団を日本へ招聘した際に、歩兵バックが採択されています。

7.ランプ(Lamp)

「ランプ」は、オランダ語のlampに由来します。語源をさかのぼると、ラテン語の「たいまつ(lampas)」や印欧祖語の「輝き(leh₂p-)」に由来します。

類似語のランタン(lantern)はランプ(lamp)と同じ語源です。

8.リウマチ(Reuma)

「リウマチ」は、オランダ語のreumaに由来します。

語源をさかのぼると、ギリシャ語の「流れ(rheuma)」や「流れに苦しむ(rheumatizomai)」という言葉に由来します。

リウマチは関節などに炎症・腫れ・痛みが生じる疾病のことですが、痛みや炎症が「流れるように」体全体に広がることから命名されました。

英語はrheumatismです。

9.レッテル(Letter)

「レッテル」は、オランダ語で「文字」を意味するletterに由来します。

レッテルは和製外来語で、オランダ語のletterは単に「文字」という意味しかなく、日本語のように「ラベル」という意味はありません。英語のletter(文字、手紙)と同じスペルですが、以前はオランダ語でも「手紙」という意味があったそうです。

レッテルやラベルの英語はlabelです。

10.レトルト(Retort)

レトルトはオランダ語で「蒸留器、高圧釜」を意味するretortに由来します。

レトルトは袋詰めした食品を高圧高温で殺菌する圧力釜のことで、転じて、レトルトパウチ食品(retort pouch foods)のことを指します。パウチは袋のことです。

11.レンズ(Lens)

「レンズ」は、オランダ語のlensに由来します。

語源をさかのぼると、ラテン語で「レンズマメ(ヒラマメ)」を意味するlēnsに由来します。凸レンズの形がレンズマメに似ていることから名付けられたそうです。

12.ワッフル Wafel

「ワッフル」は、オランダ語やドイツ語で「蜂の巣」を意味する焼菓子wafelに由来します。

ワッフルの原型は古代ギリシャのオベリオス(obelios)というパンケーキです。17世紀頃にアメリカに伝わり、ワッフル(waffle)と呼ばれるようになりました。

フランス語のゴーフル(gaufre)や英語のウエハース(wafers)と同じ語源です。

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