日本語の面白い語源・由来(は-⑩)橋・端金・パセリ・バラ肉・蜂の巣・鉢巻・張り扇・梯子・憚る

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錦帯橋

日本語の語源には面白いものがたくさんあります。

前に「国語辞典を読む楽しみ」という記事を書きましたが、語源を知ることは日本語を深く知る手掛かりにもなりますので、ぜひ気楽に楽しんでお読みください。

以前にも散発的に「日本語の面白い語源・由来」の記事をいくつか書きましたが、検索の便宜も考えて前回に引き続き、「50音順」にシリーズで、面白い言葉の意味と語源が何かをご紹介したいと思います。季語のある言葉については、例句もご紹介します。

1.橋(はし)

渡月橋

」とは、「川や谷、湖・道路などの上に掛け渡して、通路などに用いる構築物」です。橋梁。

橋は「端」と同源で、「端」の意味から「間(あいだ)」の意味も持ち、両岸の間(はし)に渡すもの、離れた端と端を結ぶものの意味から、この構築物も「はし」と呼ぶようになりました。

離れたところにかけ渡すものの意味では、「はしご」や「きざはし」などの「はし」、食べ物を挟む「箸」も同源です。

2.端金(はしたがね)

はした金

はした金」とは、「ごくわずかな金銭。半端な金銭」のことです。はした銭(ぜに)。

はした金の「はした」は「端」に接尾語の「た」が付いた語で、「はしたない」の「はした」と同源です。

「端」は「へり」や「ふち」など、真ん中から遠い辺りを表す言葉ですが、その他、「どっちつかず」「中途半端」といった意味もあります。

「はした(端た)」は、この「中途半端」の意味で用いられ、はした金は「半端な金銭」を意味します。

また、「はした」は「中途半端」の意味から「数が不足しているさま」も表すため、「わずかな金銭」のことも「はした金」といいます。

3.パセリ/parsley

パセリ

パセリ」とは、「地中海沿岸地方原産のセリ科の二年草」です。特有の強い香りがあります。葉は複葉で細かく裂け、縮れています。オランダゼリ。

パセリは、英語「parsley」からの外来語です。

「parsley」は、ギリシャ語で「石」や「岩」を意味する「petro」と、「セロリ」を意味する「selinon」から成る「petroselinon(岩場のセロリ)」に由来します。

ギリシャで「パセリ」を「岩場のセロリ」と呼んだのは、地中海沿岸の岩場に多く自生しているのが発見されたことによります。

「パセリ」は夏の季語です。

4.バラ肉(ばらにく)

バラ肉

バラ肉」とは、「牛や豚の肋骨のある腹側の肉」です。三枚肉。

バラ肉は、肋骨の周囲の肉であることからの名で、「あばら」の「あ」が略され「バラ肉」となりました。漢字では、「肋肉」と書きます。

バラ肉は赤身と脂身が三層になっていることから、「三枚肉」とも呼ばれます。

5.蜂の巣(はちのす)

蜂の巣

ハチノス」とは、「牛の第二胃」のことです。

ハチノスは、胃の内面の絨毛が蜂の巣のような網目状になっていることからの名です。
同様の意味から、ハチノスは「蜂の巣胃」や「網胃」などとも呼ばれます。

6.鉢巻(はちまき)

鉢巻

はちまき」とは、「主に精神統一や気合を入れるために、頭に細長い布を巻くこと。また、その布」です。

はちまきの「はち(鉢)」は、頭(頭蓋骨)の形に見立てた言葉で、鉢(頭)に巻く布なので「はちまき(鉢巻)」の名が付きました。

はちまきの「はち」と同じ使い方をした言葉には、こめかみ上の頭の周りをいう「ハチ周り」があります。

7.張り扇(はりせん)

ハリ扇

ハリセン」とは、「蛇腹状に折った紙の一方をガムテープで巻いたもの」です。扇子状の部分で顔などを叩くものです。

普通、カタカナで「ハリセン」と表記しますが日本語です。

チャンバラトリオの南方英二が考案し、コントの中で「大阪名物ハリセンチョップ」と称して使用したことから広まりました。

ハリセンは、頭や顔を張る(叩く)ための扇なので「ハリセン(張り扇)」の名があります。
能楽や講談などでは、叩いて音を出すために作られた専用の扇子を「張り扇(能楽では「はりおうぎ」、講談では「はりせん」)」といいます。

この「張り扇」の「張り」は、親骨に紙や皮を張り包んでいるところからで、「張り」と言っても「ハリセン」の「張り」とは意味が異なります。

また、張り扇はハリセンのように叩く部分が広がっておらず、形状も異なります。

8.梯子(はしご)

梯子

はしご」とは、「長い二本の材に足がかりとなる横棒を何本もつけた高い所へ登るための道具」です。階段。きざはし。梯。階子。

はしごの「はし」は「橋」と同源の「はし(階)」で、離れたところをかけ渡すものの意味。
「ご」は「子」で、小さな横木のことです。

古くは、階段などの一段を「はしのこ」と言い、現代でも「はしのこ」と呼ぶ地方があります。

漢字「梯子」の「梯」は、「木」と「兄弟のうち背の低い者」を表す「弟」からなります。
つまり、「弟」は「低い」と同系で、「梯」は低いところから登れるようにした木製のはしごを表しています。

9.憚る(はばかる)

憚る

はばかる」とは、「差し障りがあるとして遠慮する。差し控える。ためらう。幅をきかす。いばる。はびこる」ことです。

はばかるは「はばむ」と同源で、本来は「ためらう」「遠慮する」の意味でした。

「憎まれっ子世にはばかる」など「幅をきかせる」「いばる」といった意味で用いられるようになったのは、はばかるの「はば」を「幅」と捉えた誤活用によります。

「はびこる」と混同され、「いっぱいに広がる」の意味でも用いられます。

はばかるの漢字「憚」の「単」は、薄く平たい「はたき」を描いた象形文字です。
「心」と「単」からなる「憚」は、心が薄く平で上下に震えることを表しています。