皆さんは、「フリーメイソン」と「メンサ」という名前を聞かれたことがあるでしょうか?どこかで聞いたような気がするという方もおられると思いますが、詳しいことは一般にはあまり知られていません。
「フリーメイソン」は、2006年に公開された映画「ダ・ヴィンチ・コード」で急に注目されましたね。
私も、「フリーメイソン」については、アメリカの初代大統領のワシントンやイギリスのチャーチル首相も会員だった名門秘密結社で、世界各地の国王や芸術家、ユダヤの富豪などが会員になっている「慈善団体」という程度の知識しかありませんでした。
あと、トーマス・マンの「魔の山」で、「彼はフリーメイソンで・・・」という記述に出会ったことがあります。
「メンサ」というのは、「東大王」というテレビ番組で、初めて知りました。「IQ130以上」が会員条件になっている「高IQ人間の親睦団体」で、東大王の鈴木 光さんとロザンの宇治原規史さんも会員という程度の知識しかありません。
そこで今回は、私が詳しく調べましたのでご紹介します。
1.フリーメイソン(Freemasonry )
フリーメイソンは、16世紀後半から17世紀初頭に結成された「友愛結社」で起源ははっきりしないそうです(スコットランドの石工職人の集まりが起源という説や「テンプル騎士団起源説」もあります)。「非公開団体」なので、「秘密結社」とも呼ばれています。会員数は全世界で300万人いるそうです。
会の目的は、「会員相互の特性と人格の向上を図り、良き人々を更に良くすること」となっています。基本理念は、「自由」「平等」「友愛」「寛容」「人道」の五つです。
有名な人物としては、ゲーテ、ハイドン、モーツァルト、メンデルスゾーン、トルストイなどがいます。フランスのモンテスキューやヴォルテールも、フリーメイソンでした。アメリカではワシントン他14人の大統領が会員で、マッカーサーやリンドバーグもそうです。日本人の会員第一号は、哲学者・教育家・啓蒙家として有名な西 周(あまね)で、高須クリニックの高須克弥院長も会員だそうです。
ニューヨークの「自由の女神像」は、フランス系フリーメイソンからアメリカ系フリーメイソンに贈られたという側面もあるそうです。というのは、その台座の銘板に「その経緯と、フリーメイソンを象徴する定規・コンパス・Gの紋章」が刻まれているからです。
また、日本のフリーメイソンの代表(グランドマスター)を務めたアンブローズ氏によると、「ボーイスカウト」、「ロータリークラブ」、「ライオンズクラブ」は、フリーメイソンから派生したものだそうです。やはり、社会奉仕活動や慈善活動も行う団体だったのですね。
2.メンサ(Mensa)
「人口上位2%に属する知能指数を有すること」を唯一の会員資格としています。(IQの測定方法はいくつかあり、WAISで130以上、Stanford-Binet Intelligence Scalesで132以上、Cattell Verbalで148以上のスコアが必要)1946年にイギリスのオックスフォードで設立された、高IQを有する者の交流を主目的とした非営利団体で、会員は全世界で12万人いるそうです。
現在の世界の人口は、約75憶人ですから、その2%は150百万人となります。100人に2人ですから、有資格者は意外と多いですね。この中には赤ん坊や老人もいますから、実際に入会可能な人数はわかりませんが、単純に「入会率」を出すと、0.08%です。
会の目的は、(1)知性才能を認知、育成し、人類の向上に役立てること、(2)知性の原理、性質そしてその適用などを研究することを奨励すること、(3)メンバーのための、知的かつ社会的活動を促進させることです。
会員の有名人は、アインシュタイン、アメリカの女優ジョディ・フォスターなどで、日本人では、脳科学者の茂木健一郎、東大王の鈴木 光、ロザンの宇治原規史、脳科学者の中野信子の各氏などです。
しかし、「元メンサ会員」という人のブログを見ていたら、「入会金や年会費を払ってまで、メンサに入るメリットはあまりない。」「メンサに入れるIQを持っている人は、わざわざメンサに入る意味がない。」「IQの高さを誇示するのは、他に自慢することがないから」「ましてや、メンサのテスト対策までして、知能指数テストのスコアを上げようとするのはナンセンス。知能指数は素頭(すあたま)・地頭(じあたま)の良否を判定するものだから」と書いていました。多分この方は、人脈が広がるとか、自己の事業展開に役立つ情報があるのではないかと期待して入会したものの、大したメリットがなかったということなのでしょう。
「IQの高さ以外に自慢することがない」は、ちょっと言い過ぎだと思いますが、大体において私も同感です。知能テストの結果は、本人に返されませんので、自分のスコアを知っている人は少ないです。大多数の人は100程度と漠然と考えているだけです。「寿命」は誰にもわかりませんが、知能指数は自分がおよその見当がわかっているだけで十分だと思います。
「メンサ」が「頭脳エリートだけが集まるサロン」に過ぎないのなら、自己満足だけであまり意味が無いように思います。
ぜひ、メンサの会員の皆さんには、その優秀な頭脳を生かして、「目に見える形」で、社会に貢献していて頂きたいと切に願うものです。
たとえば、それぞれの「勉強法」を公開して学生の皆さんの勉強の仕方の改善に役立てたり、学校の勉強に付いて行けない子供達に対する「理解度に応じた階層別・段階的教育システム」などを工夫・考案して、日本人全体の知力の水準向上に寄与するなど、はいかがでしょうか?