皆さんは、実際に自然に生息するホタルをご覧になったことがありますか?
私は小学校3年生の時、梅雨入りした6月初旬のある日、同級生が虫籠にいれたホタルを学校に持って来たので初めて見ました。
それで、父と一緒に摂津峡の上流へホタルを捕りに行きました。当時芥川は、家庭の台所などから出る洗剤などで水質が悪くなっており、数匹しか取れませんでした。しかし、父の話では、昔は蛍は乱舞するほどいて、笹帚を持って振るとたくさんのホタルが捕れたそうです。
その後、私の興味はカブトムシやクワガタムシに移って、ホタルへの興味はなくなりました。
ところが、50歳の頃に、急にホタルが懐かしくなり、再びホタルが見られないものかといろいろ捜してみるようになりました。「蛍の幽玄な光で癒されたい」という気分になったのです。
1.滋賀県山東町のゲンジボタル
滋賀県山東町(現在は米原町・伊吹町と合併して米原市)は、「特別天然記念物」の「長岡のゲンジボタル」の群生地として有名です。ホタル見学の「バスツアー」に行きましたが、その日はあいにく雨模様で、ホタルの「乱舞」は見られず、「ちらほら飛んでいる」程度で失望しました。その前の週の土曜日は「乱舞」が見られたと聞いただけに残念です。
2.高槻市摂津峡上流のゲンジボタル
京都市の「哲学の道」でもゲンジボタルが見られるという話や、西宮市仁川周辺でも見られるという話も聞きました。しかし遠方の場合は、すぐ見に行くという訳には行かないので、もう少し近場で見られないものかと思い、子供の頃行った摂津峡周辺でいないか調べてみました。
すると、高槻市のホームページに「ホタルマップ」が出ていて、「あくあぴあ周辺」や「かじか荘周辺」「摂津峡上の口周辺」でも見られることがわかりました。
「あくあぴあ周辺」や「かじか荘周辺」は自転車で行きましたが、「摂津峡上の口周辺」へは車で行きました。
芥川も以前に比べると、下水道の整備で水質が改善しホタルが生息しやすい環境になったこともあると思います。それと、ゲンジボタルの保護に取り組んでいる人々が、養殖した幼虫を放流してくれていることも大きいと思います。昔ほどではないかも知れませんが、ある日「摂津峡上の口周辺」で「乱舞」を見られて感激した思い出があります。
今後の課題は、養殖のホタルだけでなく、天然のホタルがもっと増えるようにすることでしょう。
3.新川のヒメボタル
ゲンジボタルは、幼虫が川の中でカワニナを捕食して過ごす水生のホタルで、6月上旬~6月中旬に見られます。
ゲンジボタルの卵は川岸の木や石に生えた苔に産み付けられます。幼虫はすぐに川の中に入ります。
一方「新川のヒメボタル」は、幼虫が陸生でカタツムリなどの陸生貝を捕食します。羽化の時期は5月上旬~下旬です。
「新川のヒメボタル」というのは、芥川の支流の新川の土手(城西橋の東南側の桜並木のある東側の土手の斜面)で生育しているもので、ヒメボタルの保護に取り組んでいる人々が、発現時期になると毎晩「発現数」を記録しておられます。
私も数年間は、この時期になると毎晩9時頃に自転車で観察に行きました。ゲンジボタルが黄白色の冷たい光であるのに対し、ヒメボタルはカメラのフラッシュの「点滅光」のようなオレンジ色の光で、「ピカッ、ピカッ」と光ります。土手に天然のイルミネーションが出来たような感じです。
ご興味のある方は一度行ってみて下さい。
なお、現在高槻市では、ゲンジボタル・ヒメボタル・ヘイケボタルを含む全てのホタルの捕獲が禁止されていますので、ご注意ください。