最近「ビッグデータ」という言葉をよく聞くようになりました。テレビでも「ビッグデータ」が特集で紹介されたりしています。
そこで今回は、そもそもビッグデータとは何かをわかりやすく解説するとともに、活用の具体例をご紹介したいと思います。
1.ビッグデータとは
「ビッグデータ」とは、「一般的なデータ管理・処理ソフトウェアで扱うことが困難なほど巨大で複雑なデータの集合」を表す言葉です。平たく言えば、研究やビジネスの現場にあふれている大量のデータのことです。
「ビッグデータ」という言い方をするようになったのは、比較的最近のことですが、それ以前から、「ある事柄の実態把握や分析の目的で大量の情報を収集・保管すること」は、研究者や小説家などによって行われて来ました。
しかし「ビッグデータ」という言葉が普及するきっかけは、2000年代に業界アナリストのダグ・レイニー氏がビッグデータの定義を次のような「3つのV」で表現したことでした。
「3つのV」とは、「volume(量)」「 velocity(速度)」「 variety(多様性)」です。
地球上で作成・保管されているデータの量は、想像もつかないほどで、現在も増え続けています。ただ重要なことはデータの量ではなく、そのような膨大なビジネス情報の中から、的確な分析を通して重要な洞察を導き出し、活用することです。
2.ビッグデータ活用の具体例
楽天やローソン、スシローなどは、この膨大なビッグデータを管理・分析して、売上を増加させたり、仕入れの最適化を行っています。
(1)楽天は「ランキングの更新頻度」と「ジャンルの細分化」で売上向上
一般に代表的な「レコメンド(お勧め)機能」を活用するだけで、30%の売上向上が可能と言われていますが、楽天では更新頻度の短縮と、ジャンルの細分化によって大きな成果を上げました。
これはビッグデータを分析した結果、ランキング頻度が高いほど売上が増加し、ジャンルが細かいほど全体の売上が上がることがわかったからです。
(2)ローソンが売上げ31位の「ほろにがショコラブラン」を売り続ける理由
ローソンは「ポンタ」の導入により、ビッグデータ分析を進めています。分析の結果、「ほろにがショコラブラン」は「1割のヘビーユーザーが6割の売上を占めている」ことがわかりました。その分析結果に基づき、リピート率の高い「ほろにがショコラブラン」の販売を今も継続しているというわけです。
(3)スシローは皿にICタグを取り付け、レーンに流れる寿司の鮮度や売上状況を管理
スシローは、すべての寿司皿にICタグを取り付け、レーンに流れる寿司の鮮度や売上状況を管理しています。その結果、どの店で、いつどんな寿司がレーンに流されいつ食べられたのか、どのテーブルでいつどんな商品が注文されたのかなどのデータを毎年10億件以上蓄積できるようになりました。
そのデータの分析によって需要を予測し、レーンに流すネタや量をコントロールしています。それによって、最新の商品の売れ行き把握による売上向上や無駄なコストの削減が出来て収益向上につながります。