最近テレビCMが長くなったように感じる。その原因は?

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テレビCM

私は元々、あまりテレビは見ない方なのですが、コロナや集中豪雨のニュース・情報番組が続くと気が滅入って来ますので、どうしても別の番組を見て気分を変えたくなります。

1.最近テレビCMが長くなったように感じる

そこでいろいろとチャンネルを変えてみるのですが、あまり面白い番組が見当たらないうえ、ちょっと見ようと思った番組があっても、「CMがやたらに多くて長すぎる」ように感じます。

以前から、特番の最後の方で「この後衝撃の事実が明らかに」とか「番組はまだまだ続きます」と言って気を持たせておいて、長々とCMを流した後、大した驚きもない結末で番組が終わることがよくありました。「続きはCMの後で」とか「正解はCMの後で」という引っ張り方もよくあります。

しかし、最近は番組の中程でやたらにCMが入るような印象があります。いい加減鬱陶しくなるほどです。「高齢者向けCMが多い」のも気に入りません。

タケモトピアノのCMのように「心地よい気持ちよくなるCM」ならまだ良いのですが・・・

タケモトピアノCM

2.CMが長くなった原因

その原因は何なのでしょうか?私の個人的な推測ですが、次のような原因が考えられます。

(1)大手企業のスポンサーの減少

以前「サザエさん」を「一社提供」していた東芝が経営悪化により、一社提供を降りてしまいました。TBSの「日曜劇場」もかつては「東芝日曜劇場」という一社提供番組でしたが、今は完全に手を引いています。

景気悪化でそのほかの大手企業も、宣伝広告費の削減に取り組んでおり、大手企業のスポンサー減少という流れは当分続くのではないかと思います。

(2)小口スポンサーの増加

それに代わって、消費者金融や外資系保険会社、サプリメント、通販会社、シルバー市場向け商品のCMが増えて来ました。これらの企業の提供金額は大手企業に比べて少額のため、CMを多く入れないと番組が成り立たないのではないでしょうか?

(3)「ビデオ録画の増加による視聴率の低下」と「スポンサー減少」の悪循環

「見たい番組が放送される時間帯に自宅にいない」という理由でビデオ録画する人もいますが、「CMがうざいので、CMをスキップして見るため」という理由でビデオで見る人も多いと思います。

その結果、視聴率が実態よりも低く出て、それがスポンサーの減少につながるという悪循環に陥っていると思います。

(4)「スポンサー不足」と「低予算で安直に作るつまらない番組増加」の悪循環

その結果、スポンサーが集まらないため、低予算で安直に作るつまらない番組が増加し、少額の資金しか提供しないスポンサーのCMがやたらに増えるという悪循環になっているのではないでしょうか?

一方で、途中にCMがあまり入らない韓流ドラマが人気になるという皮肉な結果を招いているような気もします。

3.日本民間放送連盟の放送基準

民間放送は「スポンサー」の資金提供によって成り立っているのですから、CMが入るのは当然と言えば当然です。

実際に計測した人の話によると、60分番組で、CMの回数は4~5回で、長さは8~9分だそうです。3時間の特番になると、30分近くがCNだそうです。「回数が少なくて、一度のCM時間が長いもの」はあまりストレスを感じませんが、「回数が多くて、一度のCM時間が短いもの」はイライラを感じることが多いようです。

番組を楽しむのを阻害するくらい大量のCMを流すことは行き過ぎなので、「一般社団法人日本民間放送連盟」が「放送基準」という「自主規制」のようなものを設けています。

要約すると

①1週間のコマーシャルは、総放送時間の18%以内とすること

②午後6時~午後11時までの間、「スポーツ番組と特番」以外は下の表を「標準」とすること

です。

②の基準が「上限」ではなく、「標準」となっていますので、①の「CMの総時間の縛り」が上限のようです。

なお、放送基準には「CMの回数」の制限は特にありません。そのため、最近は「1回の時間が短いCM」が機関銃のように何回も流れてよけい鬱陶しく感じるのかもしれません。

18章 広告の時間基準

〈テ レ ビ〉

(148) 週間のコマーシャルの総量は、総放送時間の18%以内とする。

(149) プライムタイムにおけるコマーシャルの時間量は、以下を標準とする(SB枠を除く)。ただし、スポーツ番組および特別行事番組については各放送局の定めるところによる。

5分以内の番組 1分00秒
10分  〃 2:00
20分  〃 2:30
30分  〃 3:00
40分  〃 4:00
50分  〃 5:00
60分  〃 6:00
60分以上の番組は上記の時間量を準用する。

(注)プライムタイムとは、局の定める午後6時から午後11時までの間の連続した3時間半を言う。

(1)タイムCMには、音声(言葉、音楽、効果)、画像(技術的特殊効果)などの表現方法を含む。

(2)演出上必要な場合を除き、広告効果を持つ背景・小道具・衣装・音声(言葉、音楽)などを用いる場合はコマーシャル時間の一部とする。