吉本興業の闇営業批判と謝罪会見に見る不寛容社会の日本。上岡龍太郎の名言も紹介

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不寛容社会

最近のテレビや週刊誌による「吉本興業の闇営業批判」、「謝罪会見」などのマスコミ報道を見ていると、日本は行き過ぎた「不寛容社会」になっているように感じます。

過剰にも見える批判やバッシングなどの攻撃が、繰り返されています。SNSの炎上・袋叩きなどによってさらにそれが拡散しているようです。

1.闇営業批判

宮迫博之やロンドンブーツの田村亮らの吉本興業の芸人たちによる吉本興業(一部、他の事務所もありましたが)を通さない「直営業」で、振り込め詐欺グループなどの「反社会的勢力」のパーティーなどに出演し、報酬を受け取っていたことが発覚して、激しい批判報道が続きました。

事の発端は、講談社の写真週刊誌「フライデー」の報道でした。この記事は「闇営業の現場」に居合わせた「反社会的勢力」かその関係者の誰かが、フライデーに写真を持ち込み、フライデーがそれを買ったという構図だと思います。

もし、「フライデー」が「反社会的勢力」との関係を持たないという「コンプライアンス」に則った信念で、この写真買い取りをきっぱり拒絶していれば、この記事も生まれなかったと思います。

「フライデー」はこの記事により売り上げを伸ばしているはずですし、第二弾・第三弾などの「続報」でさらに売り上げ部数を伸ばそうとしていると思います。

そういう意味で、「フライデー」も「反社会的勢力」に加担して金儲けをしていると言えるのではないでしょうか?

2.謝罪会見

息子の不祥事、不倫騒動、薬物事件、ひき逃げ事件などで有名芸能人が謝罪会見を開くことがよくあります。

この中でも特に「息子の不祥事」の謝罪会見は訳が分かりません。

大の大人の息子の不祥事を父親や母親の芸能人が、なぜ記者会見を開いて謝罪しなければならないのか理解に苦しみます。「誰に対しての、誰のための、何のための謝罪会見」なのでしょうか?

これも「人民裁判」や「つるし上げ」「リンチ」のようです。かつて共産党や革命組織内部では、反革命分子への「公開の場での自己批判の強制」(集団で糾弾してつるし上げる「総括」)がありましたが、それと似ています。

ただ、日本でよく行われる「謝罪会見」は、要は週刊誌の売り上げやテレビ局の視聴率を上げるなどの「マスコミの利益のため」のような気がしてなりません。

3.マスコミのあるべき姿

かつて、「モンスターペアレント」(学校や教師に対して自己中心的で理不尽な要求をする親)や、「キレる若者」「キレる老人(暴走老人)」、近くの幼稚園がうるさいとか「抗議する神経質住民」、店員の対応が悪いと土下座などを要求する「悪質クレーマー(モンスタークレーマー)」などが話題になりました。

しかし、最近は、マスコミ報道やそれを契機にしたSNSでの批判・攻撃が目立っています。週刊誌やテレビ局、新聞社などのマスコミ各社は、ここで一度立ち止まって、「タブロイド紙」や「ゴシップ新聞」のような報道のあり方を根本的に見直す必要があるのではないかと私は思います。

つまり、本当にマスコミとして伝えるべき内容の取捨選択と伝え方について、マスコミ関係者は今一度考え直す必要があるのではないでしょうか?

時々テレビでも、元「反社会的勢力」の人物とのインタビューがありますが、これなども取材先としての接触が「仲介者」を通してにせよ間接的にあるわけで、一歩間違えば「反社会的勢力との交際」につながりかねず、危ういものを感じます。

蛇足ながら、この闇営業問題で損失を蒙るのは、「闇営業をしていた芸人」と「吉本興業」です。一方「漁夫の利」を得るのは、「吉本興業の以外の芸能事務所」と闇営業芸人の「空いた枠を狙う二番手・三番手の若手芸人」です。そして「情報提供した反社会的勢力関係者」も「金づる」が出来たことになるでしょう。

そして、「闇営業をしていたが今まで記事になっていない芸人」は、今戦々恐々としているのではないでしょうか?

4.芸能事務所の問題

最後に、私が気になることがもう一つあります。それは6000人もの大勢の芸人を抱える吉本興業が、会社経由の仕事だけですべての芸人の生活が成り立つと考えていたのかという問題です。

サラリーマン社会」でも、終身雇用制度が崩壊寸前(と言うかもう崩壊している?)で、副業解禁と言われています。

芸人はサラリーマンと違って、好きでこの道に入り、本業で食べられなくても「アルバイトで食いつなぐ」というのは役者と似たようなもので、サラリーマンと同一には論じられません。

しかし、芸能事務所としても、それなりの配慮はすべきではないのでしょうか?吉本興業は最大手だけに、受ける仕事量も多い反面、一部の人気芸人とその他大勢の売れない芸人とのギャラの落差は、他の事務所に比べても大変大きいようです。

そこで、売れない芸人は、「闇営業(直営業)」をせざるを得ない状況に追い込まれるのでしょう。彼らも、明らかに「反社会的勢力」とわかる人からの仕事は受けないでしょうし、そういう意味で、同情すべき点が多いと思います。

むしろ、芸能事務所側の「仕事の配分方法」や「ギャラの格差是正」などに課題が残っているように私は思います。

5.芸人や興行とやくざとのつながり

興行とやくざとのつながりについては、山口組の田岡一雄と美空ひばりの例を出すまでもなく、昔から言われていることです。

吉本興業に所属して横山ノック・青芝フックとの「漫画トリオ」で一世を風靡し、2000年に58歳であっさり芸能界を引退した上岡龍太郎(1942年~ )が、かつて日本テレビ系の「鶴瓶上岡パペポTV」で「芸人と反社会的勢力との関係」について率直に語っていました。

芸人ちゅうのは落ちこぼれ人間ですよ。社会のはみだしもん、アウトロー。いわば暴力団と一緒ですから。せやから癒着したらあかん言うけど、ウソはアカン。根が一緒やから、癒着も何ももともと同じタイプの人間やからね。できるだけ楽したい。皆と一緒のことはしたくない、それでいてチヤホヤしてほしい、お金はようけもらいたい。ほとんどこういう考えの人間が、芸人とやくざになる。