生産過剰による食品ロス等の大量廃棄とニッチ産業。コンビニの取り組みも加速!

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婦人服売り場

最近気になるニュースがありました。それは、売れ残った「ブランド物の洋服」を、定価の1割ほどの値段で買い取り、ブランドのタグだけ外して定価の2割ほどの安値で販売する「在庫処分業者」がいるということです。最近はやりの「不用品買取業者」の一種でしょうが、洋服に特化した同業者はそれほどいないので、「ニッチ(すきま)産業」といえるのではないでしょうか?ニュースで取り上げられた業者の倉庫には、常に30万~40万点の洋服の在庫があるというから驚きです。アパレル業者や工場など約600社から年間500万点の洋服が持ち込まれるそうです。

新品の服で、売れなくなって廃棄されるものが年間10憶点もあるそうです。その中には有名な人気ブランドの服もあるとのこと。

確かに、デパートやブティックなどには、いつも沢山の洋服が並べられていますが、果たしてどれぐらい売れているのかと、他人事ながら心配になることがあります。

デパートで売られている婦人物の夏物の洋服などでも、販売開始直後に「定価」で買ったのに、その後間もなくして「セール」が始まり、「二割引き」とか「三割引き」とかで売られていて損をした気分になった方もおられるのではないでしょうか?最近は、「セール」開始時期がどんどん早まって来ているように感じます。

食品についても、大量生産されていますので、どうしても「売れ残り」が発生します。消費期限の長い食品はそれほどでもないのですが、コンビニで売られるような食品については、廃棄処分されるものが大量になるそうです。全国のコンビニで消費期限切れで廃棄される「おにぎり」「お弁当」などの食品は、一日当たり400~600トンに上るとのことです。この「食品ロス」は非常に大きな問題です。

スーパーや個人商店では、売れ残って廃棄となる前に「見切り品」として値段を下げて販売しているのをよく見かけますが、コンビニではあまり見かけません。これは、以前大手コンビニチェーン本部からの指導で「見切り販売」を妨害するような「指導」があったからのようです。このような「指導」は最高裁判決で「違法」であることが確定しましたが、現実にはコンビニ本部と、フランチャイズ契約しているコンビニオーナーとの力関係を考えると、なかなか難しいことのようです。

<2019/8/15追記>ファミリーマート、ウナギ弁当完全予約で利益7割増、廃棄費用減のため

8/15付の共同通信ニュースは次のように伝えています。この動きが広がることを期待したいと思います。

ファミリーマートは15日、食品ロス削減の一環として土用丑の日(7月27日)のウナギ弁当を完全予約制で販売したところ、予約と店頭販売を組み合わせた前年と比べ、店舗の利益が平均で約7割増えたと明らかにした。販売額は約2割減少したが、廃棄費用が大幅に減り利益を押し上げた。
 今年4月に恵方巻き、ウナギ弁当、クリスマスケーキの3品目の完全予約制を打ち出し、初めて効果を検証した。廃棄削減と加盟店の利益増を両立して実現させた結果となり、売れ行きが数日に限定される季節商品の完全予約がコンビニ全体に広がる可能性もある。

<2019/9/7追記>

ファミリーマートでは、「2019年9月から常温惣菜のタイムセールを6時~10時に実施する」との報道がありました。最近、同社が「食品ロス対策」に積極的に取り組んでいることは歓迎すべきことです。

マクドナルドのようなハンバーガーショップにおいても、客を待たせないために作り置きしておいたハンバーグは社内規定で定めた「一定時間」経過後は、どんどん廃棄処分されます。これについては、もったいないので「飼料への再利用」ということも考えられますが、そのルートを作るのに手間やコストがかかり過ぎるので現実的ではありません。また、作り置きするハンバーグの数も、その店の過去の販売実績をもとにしているでしょうから、「廃棄率」もそれほど高くないと思われるので、やむを得ないような気がします。

「品切れ」になってお客様に迷惑を掛けないようにという配慮か、少しでも多く販売しようという魂胆か、両方かも知れませんが、とにかく廃棄されるものが多いようです。

しかし、食品についても次のような「ニッチ(すきま)産業」が出て来ています。

賞味期限切れが近い缶飲料を自動販売機で格安で販売しているものがあります。ただし、安いのだから仕方がないことかも知れませんが、もし売れ残ったら、「賞味期限切れ」になる可能性も十分ありますが・・・

賞味期限切れ(「消費期限切れ」ではありません)の食品が、楽天市場でも売られているようです。この場合は、「賞味期限切れ」と明記していますので、いわゆる「訳あり商品」販売ということになるのでしょう。防災用の保存食品が多いようです。

2019年9月に楽天インサイトがまとめた「フードロスへの意識調査」によると、「賞味期限が近い商品でも値引きがあれば買いたい」という人が87%にのぼったそうです。理由(複数回答)は「お買い得だから」が約80%ですが、「フードロス削減につながるから」も44%あったそうです。

「賞味期限切れが迫る食品を割安に販売する」専門通販サイトに「KURADASHI.JP」があり、人気を呼んでいます。食品ロス削減を目指して2015年2月に開設されたサイトですが、会員数は4年前の7倍の7万5千人に達しています。

味の素冷凍食品・マルハニチロ・東洋水産・伊藤園・サッポロビール・国分グループ本社など有名メーカーや食品商社が協賛していることもありますが、売上の一部が自然保護や福祉に取り組む社会貢献団体に寄付される仕組みになっていることも人気の理由の一つです。

ところで、皆さんは「フードバンク」(食料銀行)という言葉をお聞きになったことがあるでしょうか?「フードバンク」は1967年にアメリカで設立された「セントメアリーズフードバンク」(その後「セカンドハーベスト」に改名、現在は「フィーディングアメリカ」と呼ばれています)が最初です。

日本では、「フードバンク〇〇」と〇〇に各地の名前を冠した団体、「セカンドハーベスト京都」、「フードバンクTAMA」などがあります。「フードバンクTAMA」は「『捨てる』という選択肢から食を必要とする方への寄付を!」をスローガンに掲げるNPO法人です。ここでは、食品関連企業・農家・個人を対象に、「賞味期限前の食品」の寄付を呼び掛けています。これは、食品廃棄と生活困窮者の問題とを結びつけその解決を図ろうとする取り組みです。

池田勇人首相の掲げた「所得倍増計画」を受けた形で「消費は美徳」という言葉が1959年の流行語大賞になりました。大量消費社会の到来を象徴するような言葉です。

しかし、そろそろ曲がり角に来ているような気がします。「適量生産・適量消費・少量廃棄社会」を目指すべき時期なのではないかと思います。