1.「言葉の区切り方が変」で「語尾を強める言い方」
(1)幼稚園児や小学校低学年の児童
最近の幼稚園児や小学校低学年の児童の挨拶の仕方で気になることがあります。
「おはようございます」や「いただきます」などで、「おはようござい」や「いただき」でわずかながら一呼吸置いてから、語尾の「ます」を強めて言う言い方です。大勢の子供たちが一斉に言う挨拶でよく見られます。
これは先生がそのような言い方をするから、子供たちも「オウム返し」に同じような口調で言うのでしょうか?何度も聞いていると耳障りで仕方がありません。
幼稚園や小学校の先生には、もう少し滑らかでソフトな挨拶の仕方・言い方を子供たちに教えていただきたいものです。
(2)テレビ放送
ABCテレビの「おはよう朝日土曜日です」のエレクトーン演奏をして時刻を案内する女性が「おはよう朝日土曜日です。ただいま7時○○分・・・」と時刻を知らせるのですが、何代か前のエレクトーン奏者で語尾の「です」をやたらに強く言う女性がいました。なんだか押しつけがましい感じがして不愉快な気分になりました。
なお、今出演中のエレクトーン奏者はソフトな言い方で心地よいです。
(3)電車の車掌の車内放送
私がまだサラリーマンだった頃、JR京都線で通勤していました。その時、一部の車掌が車内放送で「この電車は高槻始発の各駅停車西明石行きです」と案内する時、語尾の「です」を必要以上に強く言っていて、耳障りに感じたことがあります。
なんだか不愛想な感じのする言い方でした。
(4)スーパーの店内放送
先日近所のスーパーの「ライフ」に行ったところ、店内放送で男性が特売品やお勧め商品などを紹介していました。
ここでも、「○○を販売しております」などと言う時に、何度も「ます」を必要以上に強く言っていたため、耳に付いてしまい、早々に店を後にしました。
くどさやしつこさが感じられたので、「耳に付く」よりも「鼻につく」と言った方がぴったりかもしれません。
これは、本人はなかなか気づかないので、社内の周りの人が注意してあげた方がよいのではないかと思います。
なお、(2)から(4)に挙げた例は、彼らが幼稚園や小学校低学年の時に、先生からそのような言い方を教わったため、その癖が抜けないのかもしれません。
2.「切り口上」
「切り口上」とは、「一語ずつ区切って、はっきりと言う言い方。堅苦しく改まった言い方。また、形式的で不愛想な言い方」のことです。
この言葉は、江戸時代の歌舞伎で、一日の演目が終わった時に「楽屋頭取」が裃姿で舞台に出て「まず今日(こんにち)はこれぎり(これきり)」と挨拶したことから来ています。
その言い回しが型にはまって、いかめしかったことから「切り口上で応対する」というように堅苦しくて冷たい物の言い方を示す日常語として使われています。
今回取り上げた「言葉の区切り方が変」で「語尾を強める言い方」は、「切り口上」に似ているような気もします。