1.親の履歴書
「親への感謝を一冊に」というキャッチフレーズで、親が歩んだ人生を雑誌やアルバムなどにまとめ、高齢の親に贈るサービスの人気が広がっているようです。
この「雑誌」というのは、「こころみ」(東京・渋谷)が手掛ける「親のための自分史作成サービス」で子供からの依頼を受けたスタッフが親を訪ねて聞き取り、エピソードなどもうまく引き出し写真も添えて、1冊の雑誌(「親の雑誌」)にまとめるものです。
「こころみ」では、これまでに約700人分の「親の雑誌」を作ったそうで、これはいずれも「創刊号」で、「第二号」に向けて人生をさらに充実させてほしいとの思いを込めているそうです。
従来、個人史や家族史を本をの形で残そうとする場合、「自費出版」というのが一般的でした。ただこれは、自分で原稿を執筆する必要があり負担が重かった上、費用も50万円~数百万円と高額でした。
これに対して、「親の雑誌」は基本料金は15万円(税別)からと手頃です。
一方、「写真」を切り口にアルバム風にまとめるサービスもあります。手掛けるのは幼稚園の卒園アルバム制作の「夢ふぉと」(大阪市)の「親孝行アルバム」というサービスです。料金は、スタッフが親の家を訪問してインタビューし、編集する「おまかせプラン」で30万円(同)からです。
家族のルーツなどを依頼者に代わって調べてまとめるサービスもあります。「ファミリーヒストリー記録社」が行っているサービスですが、制作物の体裁や調査の中身などに応じて基本料金は5万~50万円とまちまちです。
私のこのブログなどは、一部「自分史」的な要素も含んでいますので、子供のための「親の履歴書」と言えなくもありません。
2.ファミリーヒストリー
NHK総合テレビに、今田耕司がMC・余貴美子が語りの「ファミリーヒストリー」という人気番組があります。芸能人などの有名人の家族の歴史を、本人に代わってスタッフが徹底取材し、「アイデンティティー」や「家族の絆」を見つめる番組で、本人を招いて試写会形式でビデオを見てもらうという趣向です。
中には鎌倉時代の古文書にその先祖の名前が出ている有名人もいました。それほど遡らなくても、親類縁者や郷土史家などのインタビューを重ねる中で、本人も知らなかった先祖の意外な事実がわかるという場面もあり、なかなか面白い番組です。
3.ルーツ
1977年のアメリカのテレビドラマに「ルーツ」というのがありました。これは、アレックス・ヘイリーの小説「ルーツ」(原題:Roots:The Saga of an American Family)をテレビドラマ化したものです。
これは、アメリカの歴史上最も暗い側面である黒人奴隷の問題を真正面から描いたもので、社会現象と言えるような大反響を呼びました。
西アフリカのガンビアで生まれた黒人少年クンタ・キンテを始祖とする「親子三代の黒人奴隷の物語」です。