前にトランプの「ジョーカー」についての記事を書きましたが、今回は「トランプと暦との不思議な関係」と「トランプのマークの意味」についてご紹介します。
1.トランプと暦との不思議な関係
トランプは4種類と13数字で構成されていますが、これと暦とは不思議な関係性があります。
まず、トランプは52枚(4×13)で、1年間は52週(365÷7)です。
そして1から13までを全て足すと91になります。91が4種類あるので合計364(91×4)です。そしてジョーカーは2枚入っていますが、ゲームによって1枚だけ使用したり、2枚使用したりします。1枚使うと365枚で1年間の365日と同じです。2枚使うと366枚でうるう年の366日と同じになります。
さらにトランプの四種類は、クラブが春、ダイヤが夏、ハートが秋、スペードが冬を表しています。それぞれの種類のトランプは13枚ずつありますが、これは一つの季節が13週あるのに対応しており、四種類で1年の四季を表しています。
また、ダイヤとハートの赤いマークは、日の出から日の入りまでの日中の「昼間」を表し、クラブとスペードの黒いマークは、日の入りから日の出までの闇の「夜間」を表しています。
なお、13枚のカードは「太陰暦の月の数13」を表し、一方「太陽暦では月の数は12」なので、絵札が全部で12枚(4×3)あるという解釈もあるようです。
2.トランプのマークの意味
(1)クラブ
「クラブ」のマークは「クローバの葉」です。最初にトランプが作られたときは、「農民の棍棒(こんぼう)とその先に飾った三ツ葉のクローバ」でしたが、棍棒を捨てて三ツ葉のクローバだけを残しました。
そのため「クラブ」は「農業」「平和」「勇気」「仕事」「努力」「知恵」「学問」「春」「火の星座(おひつじ座・しし座・いて座)」などを象徴しています。
なお、絵札の「K(キング)」は「王様や国王」、「Q(クイーン)」は「女王や王妃」、「J(ジャック)」は「廷臣または兵士」を表していますが、マークの種類ごとにそれぞれモデルがあります。
クラブのキング:アレキサンダー大王(マケドニア国王)
クラブのクイーン:アルジーヌ(シャルル7世の妻、アンジュー公女マリーまたは愛人のアニエ・ソレル)
クラブのジャック:ランスロット(アーサー王に仕えた円卓の騎士の1人)
(2)ダイヤ
「ダイヤ」のマークは「最高の貨幣としてのダイヤモンド」で、「財産」「お金」「商人の貨幣」「経済力」「夏」「地の星座(おうし座・おとめ座・やぎ座)」などを象徴しています。
ダイヤのキング:カエサル(古代ローマの軍人・政治家)
ダイヤのクイーン:ラケル(旧約聖書のヤコブの妻)
ダイヤのジャック:ヘクトル(トロイの王子)
(3)ハート
「ハート」のマークは心臓ではなく「聖杯」の変化したもので、「僧侶」「僧侶の教える魂」「聖杯」「愛」「感情」「秋」「水の星座(かに座・さそり座・うお座)」などを象徴しています。
ハートのキング:カール大帝(フランク国王)
ハートのクイーン:ユディト(ユダヤの女戦士またはカール大帝の子の妻)
ハートのジャック:ラ・イル(ジャンヌ・ダルクの戦友)
(4)スペード
「スペード」はラテン語で「剣」を意味しており、「騎士」「貴族」「貴族の剣」「軍隊」「主権」「冬」「風の星座(ふたご座・てんびん座・みずがめ座)」などの象徴です。また「死」を表すとも言われています。
スペードのキング:ダビデ王(古代イスラエル国王)
スペードのクイーン:バラス・アテナ(ギリシャ神話の戦いの神)
スペードのジャック:オジェ・ル・ダノワ(カール大帝の騎士)
これらが定着したのは16世紀中頃と言われています。