「笑い」にまつわる面白い話。「笑いは緊張の緩和から来る」はカントの言葉!

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笑い

よく結婚式のスピーチで、「笑い(笑い声)の絶えない楽しい家庭を作って下さい」などと言いますが、「笑い」は幸福な人生にとって必要不可欠なものだと思います。

「新型コロナウイルス肺炎」の世界的感染拡大(パンデミック)の収束見通しが立たず、日本も危機的状況となったため、日本政府も4月7日にようやく「緊急事態宣言」を出しましたが、「笑いは、免疫力を高める効果があると言われています。「外出自粛」で家で過ごすことが多い今こそ、テレビか動画配信サイトの「お笑い番組」でも見て、大いに笑って憂鬱な気分を吹き飛ばしたいものです。

「冷笑」や「嘲笑」を受けたり、「笑い者」にされたり、「物笑いの種」になることは避けたいものですが・・・

そこで今回は「笑い」について考えてみたいと思います。

1.「笑い」とは

「笑い」は楽しさ、嬉しさ、可笑しさなどを表現する感情表出行動の一つです。

一般的に動物の中で笑うのは人間だけだと言われています。チンパンジーなどの霊長類は、人間の笑い顔によく似た「歯をむき出したニッとした顔」をしたり、人間の笑い声に似た声を出すこともありますが、人間のような「バリエーションに富んだ複雑な笑い」はないようです。また、人間のように「多くのチンパンジーが一斉に大爆笑しているシーン」は見たことがありません。

2.笑いの研究

(1)古代

①古代ギリシャの哲学者プラトン(B.C.427年~B.C.347年)は、笑いについての考察をしています。彼は「フィレボス」の中で、「笑いはたいていの場合、他人の犠牲のもとに生じるものである」と語り、笑いにおける「悪意ある性格」を指摘しています。これは笑いの一面ではありますが、重要な一面でもあります。

②日本の文献で最も古い笑いの記録は、「古事記」の「天岩戸(あめのいわと/あまのいわと)」(岩戸隠れ)です。

「天照大御神(アマテラスオオミカミ)」が、弟である「須佐之男命(スサノオノミコト)」の度を越した乱暴な振る舞いや悪戯に業を煮やして「天岩戸」に隠れてしまったため、高天原の光が消え、闇夜が続いて神々が大騒ぎになった時です。

そこで天照大御神をおびき出す作戦として考えられたのが、「天宇受賣女命(アメノウズメノミコト)」という女神の「裸踊り」でした。これを見た八百万(やおよろず)の神々(多くは男神か?)が喜んで大笑いしたので、何事かと思って天照大御神が岩戸を開けたため、世界に光が戻ったという話です。

余談ですが、天皇家の祖先(皇祖神)とされる天照大御神は、「女神」で、イザナギ(男神)が一人で生んだ娘です。イザナミ(女神)が生んだのではありません。

(2)18世紀

カント

ドイツの哲学者イマヌエル・カント(1724年~1804年)は、「笑いは緊張の緩和から来る」という有名な言葉を残しています。彼は「張りつめられていた予期が突如として無に変わることから起こる情緒である」と述べています。要は予期せぬものに固唾を呑んだり、息を詰めたりした後、それが解き放たれる時に笑いになるということです。

桂枝雀

「爆笑王」と呼ばれた落語家の2代目桂枝雀(1939年~1999年)が、高座や著書やテレビで「緊張の緩和が笑いを生む」とする持論(いわゆる「緊緩理論」)を何度も披露していたため、彼のオリジナルと思っておられた方も多いのではないかと思います。

桂枝雀(二代目) – 代書

(3)19世紀

①フランスの詩人シャルル・ボードレール(1821年~1867年)は、「有意義的滑稽」(人間の振る舞いによって引き起こされる普通の笑い)と「絶対的滑稽」(グロテスクによって引き起こされる深遠で原始的な笑い)があるとしました。

②進化論の提唱者チャールズ・ダーウィン(1809年~1882年)は、オランウータンやチンパンジーといった類人猿は、くすぐると笑い声を上げると書いています。

(4)20世紀

フランスの哲学者アンリ・ベルクソン(1859年~1941年)は、「笑いは生命ある人間に機械的なこわばりが生じた結果だ」と述べています。

(5)21世紀

欲求神経学研究センターの小林亮氏は、脳神経科学の視点から「複数のシナプスタグ開放による記憶の連合と、それに伴う副交感神経系優位により笑いが生じる」とする「記憶の連合理論」を提唱しています。

3.笑いの効果・笑いヨガ・お笑い神事

(1)笑いの健康に及ぼす効果

「笑い」には、免疫系の「NK細胞」(ナチュラルキラー細胞)の活性を高めるなどの健康増進効果があると言われています。反対に「怒り」は免疫力を下げるそうです。

「笑う門には福来る」「笑う顔に矢立たず」「笑って損した者なし」と昔から言われるように、笑いは免疫を活性化し、ストレスを減らしプラス思考にする、心臓病の予防に効果がある、人間関係を豊かにするなど様々な効能がありそうです。

(2)笑いヨガ(ラフターヨガ)

「笑いヨガ」とは、「笑いの体操」と「ヨガの呼吸法」を組み合わせた運動法です。

これは、1995年にインドの医師マダン・カタリアがヨガの熟練者の妻とともに始めた運動法で、今や世界100カ国以上に普及し1万以上のクラブが定期的に活動しているそうです。

(3)お笑い神事

①山口県・小俣八幡宮の「笑い講」

この「笑い講」は鎌倉時代に始まった祭りで、その年の豊作を感謝し、翌年の豊穣を祈念するため農作物を奉納するとともに、「3回の笑いを神様に献上する」という神事です。

紋付き袴で正装した講員たちが、榊を手に『ワーハッハッハッ』と3回笑いあい、今年の収穫の感謝と来年の豊作を祈り、1年の憂さを豪快に笑い飛ばす年忘れの奇祭です。

②大阪府・枚岡神社の「注連縄掛神事(しめかけしんじ)」(通称「お笑い神事」)

「天児屋根命(あめのこやねのみこと)」を主祭神とする同神社では、天照大御神が天の岩戸に隠れた際、天児屋根命が岩戸の前で祝詞を奏上し、神々の笑い声で天照大御神が岩戸を開いたという日本神話に倣い、笑うことで福を招き新年の開運を願う年末の神事として行われています。

宮司の「アッハッハー」の笑い声に続き3回笑った後、20分間自由に笑い続けるのだそうです。



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