「こちらは廃品回収車です。ご家庭で不要になりました、テレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機、パソコン、モニター、プリンター、扇風機、ストーブ、ミシン、CDデッキ、コンポ、ゲーム機などの電化製品や、バッテリー、モーター、タンス、編み機、アルミホイール、自転車、バイクなど大きなものや重たいものなど、どんなものでも回収いたします。壊れていてもかまいません。ご不明な点がございましたら、お気軽にお声をおかけください。」
こんなテープを流しながら、住宅街をゆっくり巡回する「廃品回収車」の軽トラックを見かけた方、あるいはこのようなテープを聞かれた方は多いのではないでしょうか?
先日、テレビのルポで、「違法な廃品回収車の実態」という報道がありました。
テレビ局の車が、東京都内の住宅街を巡回する「廃品回収車」の軽トラックが帰る先を追跡した結果、横浜市内にある業者の「アジト」を突き止めました。
そこには、集めて来た廃品が山積みされており、そこで作業している人を見ると、廃品の電気製品を壊して「銅線」だけを取り出しているのでした。
東京都(区)の担当者によると、「無許可業者」とのことで、このような「廃品回収」は「違法」とのことでした。
テレビ局の記者が、「この廃品回収は、無許可で違法ですよね?」とアジトにいた人にインタビューしようとすると、無言で急いでシャッターを閉めてしまいました。
まず、知っておく必要があるのは「一般家庭から粗大ごみを回収するためには、当該市区町村による一般廃棄物収集運搬の許可が必要であるということ。また、品目によっては家電リサイクル法の適用対象になる」ということです。
近年、「無料回収をうたいながら、料金を請求する」「不用品を積み込んだ後で、【積み込み料】などを含んだ法外な料金を請求する」「回収を依頼していない物品まで無理やりトラックに積み込む」「有料で回収した物を適正に処分せず不法投棄する」といったトラブルが、全国で多発しているそうです。
全部が「違法業者」ではないと思いますが、「違法業者」が多く、トラブルが多発していることも事実です。「無料回収をうたいながら、料金を請求する」というのは、「詐欺」ですし、事前の料金説明もないまま、作業後に「積み込み料として法外な料金を請求」するのも「犯罪」とは言えないとしても、「騙し」と言えるのではないでしょうか?「依頼分以外を勝手に積み込む」のは「押し買い」で「特定商取引法違反行為」です。「不法投棄」は「廃棄物処理法」「家電リサイクル法」違反です。
その場で「警察に通報する」というのが一番よいのかもしれませんが、女性や高齢者の場合は、業者に凄まれたら怖くなって言えないというのが大半で、あとで「警察」や「国民生活センター」などに相談することになるのでしょう。
普通、家電製品の廃品回収は、新しい製品に買い替えた時に、購入した家電量販店などに引き取ってもらうのが普通だと思います。そうでない場合はどうすればよいのでしょうか?
インターネットにホームページを掲載しているような業者なら、一応安心かとは思いますが、その場合でも、料金などを事前に詳しく確認しておくことが大切です。
私がお勧めするのは、自治体の「電気製品の廃品回収サービス」です。自治体の場合は、自分で家の外まで出す(ガレージのところまで出せば大丈夫です)必要がありますが、料金も安いし、第一安心です。「家電リサイクル法対象」の電気製品の場合は、事前に「家電リサイクル券」購入手続きが必要になります。詳しくは自治体にお問合せください。なお、ノートパソコンなら、データを全て消去した上で家電量販店に持ち込めば、無料で引き取ってくれます。
「君子危うきに近寄らず」「臭しと知りて嗅ぐは馬鹿者」で、わざわざリスクの大きい「廃品回収車」を止めて廃品を出し、トラブルに巻き込まれる愚は避けた方が無難です。
それにしても、報道があった後も、相変わらず「廃品回収車」が巡回しているのは、「警察」や「国民生活センター」が手をこまねいているだけなのか、あるいは摘発がなかなか難しいからでしょうか?何とか本腰を入れて対応策を検討してほしいものです。
警察や国民生活センターも、上記の報道をした「テレビ局」から詳しい情報を入手したり、「鉄くず業者」や「スクラップ業者」などのルートからたどって行けば、摘発できそうな気もするのですが・・・