前に「なぜ秋になると紅葉・黄葉するのか?」という記事を書きましたが、「もみじ」と「かえで」というよく似た呼び名の違いをご存知でしょうか?
1.紅葉(もみじ)と楓(かえで)の違い
(1)植物学上の分類は同じ
植物分類上は、モミジもカエデも同じ「ムクロジ科(旧カエデ科)カエデ属」の落葉高木です。
ちなみに英語では、モミジもカエデもどちらも「Maple」と呼びます。特に「日本のモミジ」について区別する場合は「Japanese maple」と表記します。
ホットケーキやワッフルにかける「メープルシロップ(maple syrup)」や「カナダの国旗の図柄」にも使用されていますね。これは「サトウカエデ(sugar maple)」です。
(2)園芸や盆栽では明確に区別
しかし、園芸や盆栽では明確に区別しています。
①園芸
・紅葉:葉の切れ込みが多く、深いもの
(例)イロハモミジ、ヤマモミジ、オオモミジなど
・楓:切れ込みの浅いもの
(例)トウカエデ、イタヤカエデ
②盆栽
・紅葉:葉の形が小さくて切れ込みが深く、秋の紅葉に真っ赤になるもの
・楓:葉の切れ込みが浅くて、大きいもの
2.紅葉(もみじ)と楓(かえで)の語源
(1)紅葉(もみじ)
「もみじ」の語源は、ベニバナなどから染料を揉み出す「もみづ」です。
染料が染み出すように、草木が色づいた様子を「もみぢ」と言うようになり、「かえで」の中でも特に鮮やかに色を変えるものを「紅葉(もみじ)」と呼ぶようになったわけです。
(2)楓(かえで)
「かえで」の語源は、「蛙手(かえるで)」で、葉の形が蛙の手に似ているからです。