「どんぶり勘定」(丼勘定)の意味と由来とは?

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どんぶり勘定

今ではあまり使われませんが、皆さんは「どんぶり勘定」(丼勘定)という言葉をお聞きになったことがあると思います。家計や会計についての会話で使われる言葉です。

ではこの「どんぶり勘定」の意味と由来をご存知でしょうか?

1.「どんぶり勘定」の意味

どんぶり勘定」の意味は、「収支の勘定がいい加減なこと」「細かな収支を勘定せずに無計画にお金を使うこと」です。日本で古くから使われている、慣用句のひとつです。

「どんぶり勘定」が、お金の使い方以外について使われることはほぼありません。そのため、「彼はどんぶり勘定だから」などと言うだけで、言葉にしなくても「彼のお金の使い方について話している」ということがわかります。

この場合の「大雑把」は人によって定義が異なります。小銭を勘定に入れないことを「どんぶり勘定」と言う人もいれば、数千円のことであればあまり気にしない、という意味で「どんぶり勘定」と言う人もいる、ということです。

「どんぶり勘定」の「どんぶり」は、ひらがなで書くことが一般的です。しかし「丼勘定」と、漢字を使って書く人もいます。

「どんぶり勘定」と「丼勘定」も読み方は同じであるため、どちらの書き方でも間違っているということはありません。

2.「どんぶり勘定」の由来

どんぶり

「どんぶり勘定」の語源は、江戸時代にあると言われています。当時の職人(火消し・大工・商人等)が身につけていた腹掛けについていた「どんぶり」と呼ばれる大きなポケットが由来です。そして多くの職人が、この「どんぶり」を財布代わりにしていたそうです。

腹掛けそのものをどんぶりと呼んでいた節もあり、その「どんぶり」に無造作に手を入れ、中身を確認せずにお金を払う大雑把な仕草、或いは「どんぶり」を愛用している職人衆のあるにまかせて無計画にお金を使う姿勢が「どんぶり勘定」のルーツと思われます。

私が子供の頃、魚や野菜の「行商人」がよくやって来ましたが、彼らは皆「どんぶり」を腹の前に下げていました。今の「ウエストポーチ」の大型のようなものです。市場の魚屋や八百屋の店員も同じように「どんぶり」を腰に付けていて、代金とお釣りの受け渡しをしていたように思います。

「どんぶり勘定」の「どんぶり」というと、親子丼やカツ丼などの、いわゆる「丼もの」をイメージする人は多いでしょう。

しかし、先に解説したように、「どんぶり」とは職人が財布代わりにしていた物入れであるため、「どんぶり勘定」と器の「丼」は無関係です。器の「丼」でお金をすくうように、大雑把に勘定をするという意味はありません。

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