ウィスキー山崎50年の高額落札は、日本のウィスキーの再評価ながらバブルの様相

フォローする



山崎50年

今年(2018年)1月に行われた香港のオークションで、サントリーのウィスキー「山崎50年」が、3,250万円という破格の高額で落札されたというニュースがありました。

オークションに出たジャパニーズウィスキーの落札額としては、もちろん過去最高額です。

私が若い頃(昭和50年代)は、北新地のバーやクラブには、サントリーの「だるま」(「オールド」の通称)がボトルキープされてずらりと並んでいたものです。中には「ローヤル」や「山崎」もありましたが・・・

しかし、その後ウィスキーの需要は低迷して行きました。サントリーのウィスキー出荷額は、ピークが1983年(昭和58年)の約3,000万ケースで、現在は約1,000万ケースだそうです。

2014年にNHKの朝の連続テレビ小説「マッサン」で、ニッカウヰスキー創業者の竹鶴政孝の話が取り上げられ、その中で創業者の妻を演じたアメリカ人女優シャーロット・ケイト・フォックスが大人気になったことや、井川遥さんの出演したサントリーのハイボールのCMなどで、ウィスキーの人気が復活して来たようです。

NHKの「マッサン」というテレビ番組の影響で、北海道の余市にあるニッカウヰスキーの蒸留所や併設された博物館の見学に訪れる観光客が急増したり、それに合わせるように大阪府島本町の山崎にあるサントリーウィスキーの山崎工場の見学者も急増したそうです。

そんな中で、世界的なウィスキーの入札で、日本のウィスキーが本場のスコットランドなどのブランドを圧倒する評価を得られたことは、日本人として誇らしい気持ちになります。

ニッカウヰスキーの「竹鶴」「余市」なども、海外で既に高い評価を得るようになっていましたが、今回のサントリーの「山崎50年」の快挙は、画期的なことです。

明治時代以来の日本人の悪い癖である「欧米崇拝主義」、そして太平洋戦争の敗戦後は「アメリカ一辺倒」という傾向がありましたが、今回の世界の評価を受けて、日本国内でも日本のウィスキーに対する「再評価」が急速に進んでいます。

ハズキルーペの宣伝文句ではありませんが「さすがMADE IN JAPAN」という訳です。

今回の「サントリー山崎50年」の評価のポイントとなった「芳醇な香り」の秘密は、意外な物でした。

以前はウィスキーの樽には、「ホワイトオーク材」を使用していましたが、第二次世界大戦が起こって輸入が出来なくなったことから、それに代わる樽材をサントリーの担当者は探し回ったそうです。その結果、国産のミズナラが樽材には最適と判断したのです。

「ミズナラを樽材に使用する」という英断には、同社の「やってみなはれ」精神が背景にあったそうです。

ところが、このミズナラの樽で寝かせた原酒を使った「10年もの」を試飲したところ、癖が強いとあまり評判が良くありませんでした。

しかし、国産のミズナラ樽で出来た原酒を使った「20年もの」になると、「伽羅(きゃら)の香りとも白檀(びゃくだん)の香りとも例えられる独特の熟成香」が醸し出されるようになっていたのです。

ただ、少し気になるのは、ジャパニーズウィスキーの人気が過熱して、あまりに高額になってバブルの様相を呈しており、「投機」の対象になっているのではないかということです。

ウィスキーは、封を切らなければ賞味期限はないので、投機の対象になりやすいのかもしれませんが、やはり本来の目的である「飲んで楽しむ」ということを忘れてはいけないと私は思います。