<2024/6/14追記>「レーダー照射事件に関する事実隠蔽」は文在寅大統領(当時)の指示
日韓両国は6月1日の防衛相会談で、韓国海軍の海上自衛隊機へのレーダー照射事件に関する再発防止で合意し、防衛交流を再開しようとしています。
しかし、事実解明の棚上げには自民党をはじめとする保守陣営に強い不満が残りました。火器管制レーダーを照射された日本側には事実を示すさまざまなデータがあり、全面否定する韓国の主張が荒唐無稽だからです。
ここにきて、照射の隠蔽(いんぺい)は「文在寅(ムン・ジェイン)大統領(当時)の指示」だったことなど、一連の経緯を韓国の一部軍人らが非公式に日本側に説明していたことが明らかになりました。
1.北朝鮮籍の古い木造船の漂着が多発
最近、北朝鮮籍と思われる古い木造船が日本海沿岸を漂流したり、各地の海岸に流れ着いています。
金正恩委員長は2015年の新年の辞で「魚の台風を呼び起こし、人民の食卓に海の香りが豊かに漂うようにしなければならない」と述べました。
これを受けて、「漁民たちは、天候に関係なく命がけで出漁する『漁労戦闘』に行かねばならなくなった。しかし、沿岸では魚など取れないので、耕耘機用の小さなエンジンを木船に載せて出港している」と脱北した元漁師は話しています。
2.大和堆で北朝鮮・中国・韓国の領海侵犯や排他的経済水域侵入が頻発
最初に述べた古い木造船は、このような事情で出漁した漁船なのでしょう。ただ、最近大和堆周辺や武蔵堆周辺で操業している北朝鮮の漁船団の「母船」は、「鋼鉄製」だそうです。
北朝鮮の漁船ばかりでなく、中国の漁船(これは、純然たる民間漁船ではなく、人民解放軍の海上民兵。尖閣諸島を脅かした無数の漁船団も人民解放軍)や韓国の漁船が日本の領海侵犯や排他的経済水域に侵入するなど「違法操業」が頻発しており、水産庁の漁業取締船だけではなく、日本の海上保安庁や海上自衛隊による厳重な警戒と厳格な対応が必要だと思います。
海上保安庁の発表によると、2018年11月に、韓国が不法占拠する竹島の北東約330kmの海上で、日本漁船と韓国漁船が衝突しました。日本の排他的経済水域(EEZ)内の可能性があるそうです。
3.大和堆は日本海有数の好漁場
「大和堆」とは、日本海中央部に位置する浅い部分(最も浅い所で236m)で、日本海有数の好漁場となっています。
今年11月20日には、日本の排他的経済水域内の日本海「大和堆」周辺で操業中の日本のイカ釣り漁船に対して、韓国海洋警察庁警備艦から「操業中止と海域移動を求める」無線があったという報道がありました。
今回の事態に対しては、海上保安庁の巡視船が、韓国警備艦に対し「日韓漁業協定上、要求は受け入れられない」と無線で通知し、韓国警備艦と日本漁船の間に割り込んで、日本漁船を保護したということです。
4.韓国海軍の駆逐艦による「火器管制レーダー照射事件」
12月20日には、海上自衛隊のP1哨戒機が日本海・能登半島沖の日本の排他的経済水域(EEZ)内において、韓国海軍の駆逐艦から「火器管制レーダーの照射」を受けるという由々しき事態が発生しました。これは「攻撃のための発射直前の行為」です
岩屋防衛大臣は、翌21日の記者会見で「不測の事態を招きかねない極めて危険な行為であり、外務省など複数のルートで韓国に強く抗議した」と述べました。
この事件は、新聞各社が大きく報道しましたので、ご存知の方も多いと思います。
韓国国防省は、「通常の作戦活動中だった」と言い逃れの発表をしていますが、全く信用できません。「北朝鮮の漁船救助のために照射した」と苦しい言い訳をしています。
しかし漁船探索であれば、「水上捜索レーダーの照射」をするべきで、空に向けて「火器管制レーダーの照射」をすることは意味がありません。日本海における、海上自衛隊の哨戒活動に対する妨害・威嚇行為であることは明らかです。
こういう事態は、決して看過できないことで、黙認していると、韓国側は跳梁跋扈を果てしなく続ける恐れが大きいと思います。
なお、「火器管制レーダーの照射事件」は、2013年1月にも、中国海軍のフリゲート艦が海上自衛隊の護衛艦に対して行ったことがあり、外交問題に発展しました。
5.日本は領海警備の強化が急務
水産庁の発表によると、2018年5月から7月27日までの3カ月足らずで、2,687隻の外国漁船に対して「退去警告」を実施し、そのうち延べ1,036隻に対して「放水」を実施し、40件の「漁具回収」を行っています。
しかし、私は、「領海警備」についてはど素人で門外漢ながら、この程度の「甘い対応」では、外国漁船に「舐められる」だけのような気がします。
日本政府も、自衛隊を国際連合の「平和維持活動部隊」として海外派遣するよりも、日本海の「大和堆」周辺の北朝鮮・中国・韓国の勝手な振る舞いを抑止することに重点的に注力すべきではないでしょうか?
最近、「漁労戦闘」を掲げる北朝鮮漁船団は、「大和堆」と並ぶ好漁場の「武蔵堆」(北海道西方)にも進出しているとのことです。朝鮮人民軍兵士も駆り出されているそうです。また北朝鮮漁船団からは、「投石」による「取締り妨害行為」が行われているとのことです。
日本国憲法の前文には、「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われわれの安全と生存を保持しようと決意した」とありますが、今や中段の「赤文字」で表示した部分は、全くの「絵空事」となっています。
日本人は「平和ボケ」から早く目を覚まさないといけないと思いますし、日本政府にも毅然とした対応をしてほしいと思います。
そしてマスコミには、「北朝鮮・中国・韓国の日本海の大和堆周辺での横暴な行為を直視して問題視」し、「国益を重視した報道」を積極的に心掛けてほしいと思います。
また、アメリカについても、かつてのキッシンジャー補佐官(後に国務長官)のような有能な大統領側近がいたらと思うのですが、「ないものねだり」でしょうか?
日米同盟を駆使して、有事には米軍の応援を得られるよう、沖縄の普天間基地から辺野古基地への移転を早期に完了させ、中国軍が尖閣諸島や沖縄を脅かすことがないようにしてほしいものです。
今のように現役の沖縄県知事が国会の野党と同じように「絶対反対」を繰り返しているのは、太平洋での覇権を狙う野心を持つ中国の「思う壺」です。
「力の空白」が出来れば中国が尖閣諸島や沖縄を占拠する恐れもあり得ない話ではありません。そして、北ではロシアが北海道に侵攻してくる恐れも現実味を帯びて来ます。
イソップ物語の「オオカミと子羊」ではありませんが、それに似たような危機に日本が陥る恐れがあります。