今年2月28日、東京都江東区のマンションで一人暮らしの80歳の女性が手足を縛られて死亡している事件がありました。被害者は、2月中旬に「お金はありますか?」という不審な電話があったと知人男性に相談していました。1~2月に渋谷区で発生した2件の強盗事件と共通点があることから、「アポ電強盗」と見られています。
「オレオレ詐欺」「振り込め詐欺」「還付金詐欺」などの「特殊詐欺」が相変わらず発生していますが、最近はさらに手荒い「アポ電強盗」が発生しているようです。
1.「アポ電強盗」とは
現金の有無を確認する電話をかける「アポ電」は、「振り込め詐欺」などの「特殊詐欺」特有の手口と見られていましたが、その手口を使った強盗のことです。
警視庁によると、「アポ電と見られる電話」(犯行予兆電話)は都内で2018年に34,658件確認されており、2016年(15,010件)の2.3倍に増えています。
警視庁幹部は「ATMの引き出し制限などの対策が進み、手っ取り早く現金を手にしようとしているのではないか」と指摘しています。
相手を騙せなかったので強盗に切り替えたのか、最初から強盗目的でアポ電をかけたのかは不明ですが、新しい手口の犯罪であり、今後も増えることは間違いなさそうです。
2.「アポ電強盗」の予防対策
(1)電話機の「電話番号表示機能」を使って、「知らない電話番号からの電話」には出ない
(2)お金が家にあることを不用意に他人に言わない
(3)留守番電話を設定し、内容を聞いてからかけ直す
(4)自動通話録音機能を使う
(5)電話に出た場合でも、「緊急事態」とか「お金の話」が出たりして怪しいと思ったらすぐに電話を切る
(6)迷惑防止機能を活用する
最新の電話機は、次のような優れた機能を持つものがあります。
着信前:「迷惑防止」を設定すると、呼び出し音が鳴る前に電話機が応答して、相手に「通話を録音する」というメッセージを流す
着信中:呼出音と注意喚起のアナウンスを交互に繰り返す
通話中:電話に出ると通話内容を自動で録音する
蛇足ですが「ナンバーディスプレイサービス」を利用している場合は、親機に登録されている相手からかかってきた時は「迷惑防止」機能は働かないようになっています。