最近、桑マンことタレントでミュージシャンの桑野信義さんが「Vチューバー」(バーチャルYouTuber)としてデビューしたという話題を耳にしました。
1.「Vチューバー」とは
「Vチューバー」という言葉は、「まだ聞いたことがない」「耳慣れない言葉」と感じる方も多いと思いますが、「バーチャル」と「YouTuber」を合成した略称で「2Dまたは3Dの『アバター』を使って動画投稿や配信活動を行っている人の総称です。
「アバター(avatar)」とは、「化身(けしん)」という意味で、コンピューターネットワーク上の仮想的な空間において、自分の分身として表示されるキャラクターのことです。
Vチューバーは、2017年の「ネット流行語大賞」に選ばれ、2018年は大躍進を遂げた年でした。2019年に入って存在感がますます大きくなっています。
ブームの火付け役は、2016年12月に活動を開始した「キズナアイ」です。自身をバーチャルな存在として、「バーチャルYouTuber」という言葉を初めて使ったのも「キズナアイ」です。キズナアイのチャンネル登録者数は、2017年12月に100万人を突破し2018年10月には220万人を超えるほどの人気になっています。
2.Vチューバーのメリット
「YouTuber」の場合は、「生身の人間」が登場する動画配信ですが、「Vチューバー」は「アバター」を使うので次のようなメリットがあります。
(1)タレントよりも、スキャンダルリスクが少ない
(2)企画に合わせて動くことが出来る
(3)プロモーションに合わせた造形が可能
3.政府・自治体や企業での活用例
(1)政府
日本政府観光局(JNTO)は、2018年3月に「訪日促進アンバサダー」として「キズナアイ」ちゃんを起用しました。
具体的な活動としては、日本をより知ってもらうことを目的に、主に動画配信を通じて日本の文化を海外に発信しています。
その人気は瞬く間に海外に広まり、今では動画コメント欄に英語その他の外国語によるコメントが投稿されています
2018年10月にはイギリスBBCが「日本のVチューバーカルチャー」を紹介する特集で、キズナアイを取り上げています。
(2)自治体
茨城県はVチューバーの「茨ひより」を「PR担当」に起用しています。
(3)企業
サントリーが公式Vチューバーとして、「燦鳥ノム(さんとりのむ)」を登場させており、ロート製薬は公式Vチューバーとして、「根羽清ココロ(ねばせいこころ)」をデビューさせています。
私は「日本のアニメ人気」や「ゆるキャラブーム」の延長線上に「Vチューバー人気」があるような気がします。「宣伝効果」がはっきりすれば、今後も「Vチューバー」を採用する自治体や企業が増えて来るのではないでしょうか?