<2022/7/28追記>「皇室SNS」天皇ご一家の「養蚕写真」公開に見える絶妙な広報戦略
宮内庁が7月14日、天皇陛下と雅子さま、愛子さまが皇居内の紅葉山御養蚕所で養蚕に取り組む写真を5点、公開しました。
歴代皇后が受け継ぎ、雅子さまも2020年から取り組んでいるご養蚕ですが、陛下と愛子さまが参加したのは今年が初めて。カジュアルな装いで、いつもと違う素顔のご一家が写っています。
これも最近天皇陛下が、SNSを活用した発信に前向きの意向であることの表れかもしれません。
最近天皇陛下が、「SNSを活用した発信に前向きの意向である」とのニュースがありました。
今や日本でも、国・地方自治体・企業・個人を問わず、SNSの利用や活用が一般化しています。世界的に見ると、欧米をはじめ中国などのアジア諸国でも、日本以上に急速に普及しています。
日本政府観光局(JNTO)が運営している地域インバウンド促進サイト「日本の魅力を、日本のチカラに。」というWEBサイトでは、各地域の訪日インバウンド成功事例やノウハウを数多く紹介しています。
1.皇室によるSNS発信
上皇陛下は「国民とともに生き、国民のために祈る天皇」というのがモットーだったと思いますが、「国民の中に入って行く皇室でありたい」とたびたび語っておられた天皇陛下にとって、SNS発信というのは自然な流れだと思います。
日本国憲法などの制約もあり、政治的な事柄についてのコメントや批判は出来ないでしょうが、皇室と国民の距離を縮めるために、積極的な活用は歓迎すべきことだと私は思います。
アメリカでは、トランプ大統領のツイッターがあまりにも有名です。ヨーロッパの王室では、「開かれた王室」を自認するイギリス王室をはじめ、スペインやオランダ、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー王室などで、さまざまなSNSが活用されているそうです。
ただし、「炎上」や「ハッカー攻撃」などへの対策は必要だと思います。
2.皇后の英語によるSNS発信にも期待
雅子皇后は、先日のトランプ大統領夫妻が来日した際、通訳を介さず英語で親しく会話されたことが話題になりました。
皇后になられた後は、以前に比べて格段に明るさが増したように見えます。何か吹っ切れたような感じがします。今後は得意な英語を使って、元外交官のキャリアを遺憾なく発揮して、「皇室外交」に貢献してほしいものです。
美智子上皇后も、1998年の「第26回国際児童図書評議会ニューデリー大会」での格調高く美しい英語での基調講演(子供の本を通しての平和ー子供時代の読書の思い出ー美智子)が話題になりましたが、雅子皇后はそれに勝るとも劣らない英語力をお持ちのようです。
天皇と同様に、皇后もSNSを通じて英語で発信されれば、確実に「インフルエンサー」になられると思います。
3.過去の天皇陛下の気さくな行動
2017年6月のデンマーク訪問の際は、コペンハーゲン市内を散策中、地元住民から声を掛けられ、リクエストに応じて2人で「自撮り」されたそうです。
その2カ月前のマレーシア訪問の際は、ナジブ・ラザク元首相とのツーショット写真に応じられ、それがSNSで瞬く間に世界に拡散され、陛下の気さくな人柄が伝わり評判になったそうです。
上皇さまが皇太子時代に外国訪問されたころは、今の天皇陛下以上にフレンドリーに市民と親しく接しておられたように思います。
宮内庁の方の警護が年々厳しくなって来たように思います。テロ対策などいろいろと難しい問題があるとは思いますが、今後、「国民との垣根を低くすること」は検討を要する課題ではないでしょうか?
その意味でも、SNSの活用は大変有効な手法だと私は思います。