「TPO」を、「顧客目線」の商品開発・マーケティングにもっと活用すべき!

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VAN石津謙介

1.「TPO」とは

「TPO」というのは、「Time(時間)」「Place(場所)」「Occasion(場合)」(Opportunityと使われる場合もある)のことで、「VAN」ブランドの創始者石津謙介氏(1911年~2005年)が考案した言葉です。

本来は、「時・場所・場合」に応じた「服装」をすべきであるというファッション業界の提案ですが、現在ではライフスタイルや価値観の多様化もあり、様々な商品開発やマーケティングでも重視されています。

普段の生活や行楽に行く場合と、仕事や冠婚葬祭の場合とでは、服装はもちろん、服装に合わせた振る舞いや言葉遣いも当然要求されます。「おしゃれ」だけでなく、「ドレスコード」や「ルール」「作法(マナー)」も関係して来ます。

「TPO」を、「顧客目線」の商品開発・マーケティングにもっと活用すべきだと思います。

2.商品開発

商品開発においても、たとえば家電製品などで、以前はメーカーの技術者がいろいろな機能を盛り込む競争をしていたような傾向がありました。

消費者はそれほどたくさんの機能を望んでいないし、使いこなせない。それよりも「価格が安く」「基本的な機能がしっかり」した「使いやすく長持ちする製品」を望んでいる場合が多いものです。

つまり、最近では、「TPOS」(「S」はLife Styleのこと)を重視した「顧客目線」(使う人の立場)に立った商品開発が行われるようになったのです。

また、「発展途上国」などでは、日本ほど高性能の製品は望まれておらず、基本的な機能だけのシンプルな製品が歓迎される傾向にあります。

私も高齢者になったからか、最近の家電が「センサー」や普段あまり使わない機能など様々な機能が付いているためにかえって故障しやすいのではないかと感じています。日本でも「もっとシンプルで長持ちする商品」を開発した方が売れるのではないかと思います。

「スマホ」の場合、高齢者にとっては複雑な機能は使いこなせないので不必要です。それよりも基本的な機能(通話・メール・インターネット)だけで、大きな文字で見やすく操作しやすい製品が好まれます。

3.マーケティング

マーケティングにおいても、「ビッグデータを活用した分析が行われています。

最近の調査では、多くの商品分野で、「オンラインショップ」よりも「実店舗」の方を好む人が多いという結果が出ているそうです。ちょっと意外な気もしますが、実際に商品を見て手に取って確認することが出来る「実店舗」の強みでしょうか?

「オンラインショップ」では、顧客の名前・購入履歴を認識し、顧客の嗜好に合った商品情報を提供しています。

小売りの「実店舗」においても、このようなレベルでの「パーソナリゼーション」を実行しようとする動きが出て来ています。「キャッシュレス」が今よりもっと普及すれば、これは有効なマーケティングになりそうな気がします。

Almaxという会社は「スマートマネキン」を開発しました。マネキンの目はカメラになっており、顧客の顔を分析して性別・年齢・人種・その他さまざまな特徴を識別します。その結果を使って新しいターゲット層の分析、ディスプレイの改善に役立てようという訳です。

小売りの実店舗では、今後「監視カメラ」「RFIDタグ」「POSシステム」などをさらに活用してマーケティングを進化・深化させて行くことになりそうです。

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