「モノ消費からコト消費へ」の流れは、インバウンドだけでなく国内消費も同様

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モノ消費からコト消費へ

数年前まで、訪日中国人観光客が高額商品を大量に買い漁る「爆買い」が大変話題となりました。しかし最近はそのような高額消費は減って、代わってインスタグラムやSNSなどで広まった「一般的には有名でない観光スポット」や「パワースポット」、アニメ映画の舞台となった場所を巡る「聖地巡礼」などが増加しているようです。

1.モノ消費からコト消費へ

「モノ消費からコト消費へ」と言った場合、一般には「商品の所有に価値を見出す消費傾向から、商品やサービスを購入したことで得られる体験に価値を見出す消費傾向のこと」です。

少し見方が違うかもしれませんが、豊かな物質文明が行き渡ると、それ以上「モノ」を求める気持ちよりも、「未経験のことに挑戦したい欲求」や「わくわくする未知の体験をしたい欲求」が高まるのは、人間の自然な気持ちであり、このような人々の価値観の変化も時代の流れだと私は思います。

これは、インバウンドと呼ばれる訪日外国人観光客だけの話ではなく、日本国民全般の国内消費についても言えることです。

2.今後のインバウンドの見込み

(1)安定的な訪日観光客の増加

現在、2020東京五輪を控えて訪日外国人が戸惑わないように公共の場所や商業施設で「英語・中国語・韓国語」の表記を増やしたり、ドラッグストアなどで中国人の店員を増やしたりして「おもてなし」に懸命です。

このような動きが順調に進めば、日本政府が目指している「訪日外国人旅行者数目標」(2020年に4000万人、2030年に6000万人)も、あながち夢のような不可能な目標でもないような気がします。

実際、2018年の訪日外国人旅行者数は、「日本政府観光局」(JNTO)の独自推計によると3119万人に達しています。

なお、2019年については「日韓関係」が最悪になった影響で韓国人客が減少したため、1~10月累計で2691万人(前年同期比3.1%増)となっており、残り2カ月が前年並みで推移したとしても、3199万人程度で昨年と同水準にとどまる見込みです。

(2)対日理解の増加

中国や韓国では政府による「反日教育」が現在も行われていて、以前から問題となってきました。これは国家による「ヘイトスピーチ」に他ならないと私は思います。

しかし最近の若い人は、このような偏向教育を受けていても、実際に日本を訪れて、日本の実情を見たり日本人との交流を体験したりすれば、それが誤った「思想教育」に過ぎないことがわかるのではないかと期待しています。

北朝鮮の人の場合は、新興宗教と同じように、長い間の洗脳教育によってマインドコントロールされているので、そこから抜け出すのは容易ではないかもしれません。


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