「人手不足問題」は本当に深刻なのかを立ち止まって考える

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人手不足対策

最近は「人手不足」という言葉を耳にタコができるほど聞きます。「人手不足問題」とか「人手不足対策」とかいう言葉もよく目にします。

1.「人手不足」は本当なのか

「人手不足問題」が深刻だとの認識に立って「人手不足対策」の一環として、政府は今年4月から「外国人労働者受け入れ」拡大を始めました。

(1)24時間営業

今年2月にセブンイレブンのフランチャイズのオーナーが、「人手不足で24時間営業は無理」として「19時間営業」に踏み切ったことが話題になりました。

しかし、この「事件」の発生で「コンビニの24時間営業体制」の見直し論議が発生し、他の業態でも今後「24時間営業」の見直しは進むと私は予想しています。

24時間営業が減少して、「セルフレジ」などがもっと普及すれば、人手不足は減少に向かうと思います。

(2)年中無休

私が子供の頃は、百貨店でも毎週一回の「定休日」がありました。一般の商店でも同様です。特に「定休日」を設けていない所でも正月三が日は休みだったように思います。

それが今やほとんどの店が「年中無休」になってしまいました。これは「24時間営業」と同様に「サービス過剰」であり、このような「行き過ぎ」が「人手不足」を招いている一因でもあります。

(3)供給過剰

現在の日本では、需要を超える供給を行う「供給過剰」「生産過剰」が行われています。その結果「食品ロス」「返本ロス」などの問題が出て来ています。

これに対しては、売れ残った高級ブランドの洋服を安く仕入れて、「タグ」を外して低価格で販売する「ニッチ産業」も生まれています。

(4)過剰廃棄

「賞味期限」や「消費期限」にこだわるあまり、まだ期限が未到来の商品が早々と陳列棚から撤去され、廃棄される「過剰廃棄」の問題も起きています。

これについては、「賞味期限切れ」商品を安く販売する工夫をする商店や通販サイトが増えて来ています。

2.人手不足対策

「入るを量(はか)りて出ずるを為(な)す」という言葉があります。これは「収入の額を計算し、それに応じて支出の計画を立てる」ことです。「入るを計りて出ずるを制す」とも言います。

これは、家計や企業、国・地方自治体の「収支計画」を考える場合の基本ですが、最近の「人手不足問題」を見ると、この観点が欠落しているように思います。

(1)「営業時間」や「営業日数」の行き過ぎの是正

上にも述べましたが、無理な「24時間営業」や「年中無休」をやめれば、人手不足は緩和され、労働者の「過労死」も抑止できると思います。

(2)「過剰生産」の抑制・調整

売れ残りが出ることもかまわず、過剰な生産をすることほど、馬鹿げたことはありません。他社よりもできるだけ多く売りたいという「過当競争」というか「過剰競争」が原因です。「売り上げを減らす佰食屋」の発想には学ぶべき所が多いと思います。

「過剰生産」は資源のロスになるばかりでなく、労働者の負担にもなっています。

(3)「賞味期限」や「消費期限」の緩和

手洗いを何度もして清潔にしないと気が済まない度を越した神経質の「潔癖症」というのがあります。また、子供にばい菌やウィルスが付くのを極端に警戒する若いお母さんがいます。しかしあまり「無菌状態」にしていると、かえって抵抗力が弱くなると聞いたことがあります。ある程度「雑菌」がいても気にしない方が(普通の人はそうですが)よいと思います。

「賞味期限」や「消費期限」も、今日食べる食品でも、陳列棚の少しでも先日付のものを選ぶ人がいますが、そうする人が多いと「賞味期限切れ」や「消費期限切れ」で廃棄する食品がますます多くなります。

この辺で、行き過ぎた神経質に歯止めをかけるべきです。

(4)事務系サラリーマンの上司による過剰な文章手直しをやめること

事務系サラリーマンの部下が作成した文章について、上司が「重箱の隅を楊枝でつつく」ような枝葉末節の指導をすることがよくあります。このようなことは江戸時代の奉行所でもあったようです。

これは「些細な点まで干渉・詮索したり、どうでもよいようなつまらない事柄にまで、いちいち口出しをすること」で、上司・部下双方の時間のロスとなり、部下には訂正事務負担などを招きます。

大所高所から見て、根本的に重大なミスがあった場合は別として、上司にとって多少気に入らない文章や文言があったとしても、「時間をかけ過ぎない」ことが肝要だと私は思います。

私が若いころは、自分の書いた文章について、あまり事細かな修正の指摘を受けた記憶はありません。ほかの同僚も同じような調子だったと思います。ただでさえ大量の事務を「ちぎっては投げ、ちぎっては投げ」というように捌(さば)かなければならない時に、悠長に文章の添削などしている暇はなかったというのが実態かも知れません。

それとも、最近の若い人の「日本語の文章力」が我々の世代に比べて極端に落ちているのでしょうか?

(5)安直な「外国人労働者受け入れ拡大」は有効な人手不足対策にならない

前に「外国人労働者受け入れ拡大政策」を批判する記事を書きましたが、これは「人手不足対策」ではなく、「日本人スタッフの負担増加」を招くだけの愚策だと私は思います。

「外国人労働者」が「介護施設」に採用された場合、日本語がうまく通じないことから、入所者の要望に十分 応えられないなどの弊害が見込まれます。

(6)60歳以上の日本人高齢者の活用

私は、会社のリストラにより、70歳を待たずに「派遣社員契約打ち切り」の憂き目に遭いましたが、自分としてはまだ十分に働ける自信がありました。

「人生100年時代」と言われますが、男女を問わず、60歳以上の高齢者はまだまだ働きたい人が多いのではないかと思います。

日本語に何の問題もなく、人生経験も豊富な彼らは、下手な外国人労働者よりも、ずっと価値がある労働力だと思います。

(7)AIの普及・進化による人手が不要となる仕事が飛躍的に増える

現在、当たり前のように「人手不足」と言われて「このままでは大変なことになる」という「強迫観念」のようなものが世の中を支配しているように見えますが、10年もしないうちに「人余り時代」になるような気がします。

また、AIの普及・進化によって、リストラされた事務系サラリーマンを中小企業や様々な職種に再配置すれば、「人手不足問題」は10年以内に解消されると私は予想しています。


アルバイト・パート[採用・育成]入門 「人手不足」を解消し、最高の職場をつくる [ 中原 淳 ]



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