陰陽師の安倍晴明やパワースポットが最近若者に大人気の謎

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安倍晴明

最近若者の間では「陰陽道の安倍晴明」や「日本各地のパワースポット」が人気となっているようです。

私の親の世代までは「迷信」などに拘っていましたが、私のような団塊の世代は、そういう迷信や因習を嫌う世代だったように思います。

幕末から明治時代にかけて生きた福沢諭吉なども、古い迷信や信仰を嫌う合理的な考え方の人でした。福翁自伝か何かの本に、少年時代の次のようなエピソードがありました。

仏像に小便をひっかけたり、神社のお札を踏んで便所に捨てても「天罰が当たらない」ことを確認したり、地域の人が信仰している祠の中のご神体の石を、その辺に落ちている石ころとすり替える悪戯をして、相変わらず大人たちがその祠を拝み続けているのを見て笑ったりしたそうです。

1.安倍晴明ブーム

ではなぜ現代の若者が、このような古い迷信の世界に惹かれるのでしょうか?

不安やストレスなどで心の平穏が保てなくなった時に、合理的に考えて解決方法を探るのではなく、占いやスピリチュアリストや新興宗教に走ったり、パワースポットに救いを求める人が多くなったのかも知れません。

安倍晴明をモデルにしたような「少年陰陽師」などのアニメの影響もあるのでしょう。私のような団塊の世代にとっては「古臭い話」でも、若い人には「今まで経験したことも聞いたこともない新鮮な話」に見えるのでしょう。フィギュアスケートの羽生結弦選手が安倍晴明をテーマにした演技を披露したのも、安倍晴明ブームにあやかったのかもしれません。

安倍晴明(921年~1005年)は、平安時代の有名な陰陽師です。

彼は40歳の時、「天文得業生」という当時の天文学を学ぶ学生になっていました。40歳までの経歴については確かな記録はありませんが、陰陽師賀茂忠行・保憲父子から陰陽道を学び、天文道を伝授されたようです。陰陽師となったのは47歳の時です。

それまでは賀茂氏が牛耳っていた陰陽道ですが、彼は陰陽師になってから、目覚ましい活躍を見せるようになります。一条天皇への禊で病気が平癒したことで絶大な信頼を得たり、時の権力者藤原道長の信頼も得て陰陽師として確固たる地位を築きました。また大干ばつが続いた時、雨乞いをして雨を降らせたことなどで人気が高まったようです。そして当時としては極めて長寿の84歳で亡くなっています。

当時は飢饉や疫病は「物の怪」の仕業と信じられていて、陰陽師のお祓い・祈祷・吉凶占いなどが行われていたのでしょう。陰陽師は妖術を使う呪術者・超能力者のように考えられていたのだと思いますが、当時の天文学や暦をもとにした判断を下していたのでしょう。そして「奇蹟」のような逸話は、自己アピールや宣伝のための創作だったのではないかと思います。

2.パワースポットブーム

パワースポットとは、「地球に点在する特別な場」のことで、エネルギースポット、気場とも言われます。

「世界のパワースポット:癒しと自分回復の旅ガイド」という本では、「パワースポットには人を癒すとされる水があったり、人に語りかけるとされる岩があったり、あるいは磁力を発する断層があったりする」と解説されています。

日本では1975年ごろに、「超能力者」と称する清田益章氏が「大地のエネルギーを取り入れる場所」として「パワースポット」という言葉を使用し、1990年代前半から広まったようです。

2000年代に入ると、大衆向け風水やスピリチュアリズムに対する関心が高まり、神社仏閣などを巡る聖地巡礼ブームが起きました。

私のように疑い深い人間は、「霊場」とか「聖地」といった話を聞くとすぐ「眉唾物(まゆつばもの)」だと直感してしまいますが、案外こういう話を簡単に信じ込む「マインドコントロールされやすい人」が多いのかもしれません。

あるいは、自分自身は本当は信じていなくても、周りに合わせて信じたような顔で興味があるようなふりをしているだけかもしれません。

しかし、こういうパワースポット巡礼がブームになっているところを見ると、「苦しい時の神頼み」ならぬ「苦しい時のパワースポット頼み」の人が多いのが現実のようです。


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