軍艦島などの「廃墟ブーム」の現状と歴史

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軍艦島

ギリシャの「パルテノン神殿」やカンボジアの「アンコールワット」のような「文化的な遺跡」、あるいは広島の「原爆ドーム」やドイツの「アウシュビッツ強制収容所」のような「歴史的遺産」ではなく、近代から現代にかけて作られたもので、今では見捨てられ放置されている「廃墟」が、現在一部のマニアックなファンの間でブームとなっているようです。

1.廃墟ブームとは

廃墟ブームとは、「打ち捨てられた炭鉱跡、巨大な製鉄所、役目を終えた水力発電所などのいわゆる廃墟が、新たな観光地として若者を中心にブームとなっていること」です。

廃墟ブームのきっかけとなったのは、やはり長崎県にある「軍艦島(端島)」ではないでしょうか?

この軍艦島は、元々炭鉱でしたが、1974年に閉山し住民全員が退去したため、廃墟となったものです。「明治日本の産業革命遺産」としてユネスコの「世界文化遺産」としても登録されています。

2009年からは「上陸ツアー」が始まり、年間約27万人が訪れているそうです。大人気コミックを実写化した2015年の映画「進撃の巨人」のロケ地となったことでも知られています。

廃墟には「学校」「病院」「工場」「レジャー施設」「ドライブイン」などさまざまなものがあります。

ところで、この軍艦島について、先日韓国政府が「歴史的な事実を完全に歪曲した内容が含まれる」として「ユネスコに対して『世界文化遺産』の登録取消を求める書簡を6月中に送ることを決めた」という報道がありましたが、全く筋違いな要求です。韓国政府は全く懲りずに相変わらず理不尽な要求を出してきますが、これには怒りを通り越して呆れ果ててしまいます。

軍艦島以外の有名な廃墟としては、長崎県の池島炭鉱、和歌山県の友ケ島、福岡県の旧志免鉱業所竪坑櫓などがあります。

1980年代の「レトロブーム」で、古い懐かしい物への郷愁が高まったことが背景にあるのかもしれません。現在の荒れ果てた姿を見て、時代の流れを感じたり、少年時代のような冒険心を掻き立てられるのでしょう。

2.行政の失敗で廃墟となったもの

時代の流れの中でやむを得ず廃墟となったものが多いのですが、中には行政の失敗によって廃墟となった建造物もあります。

(1)アクアポリス

1975年~1976年にかけて開催された「沖縄海洋博覧会」で、日本政府が出展した「半潜水型浮遊式海洋構造物」です。100m四方の海上都市で123億円の税金が投入されました。

海洋博終了後は、沖縄県に2億円で譲渡され営業を継続しましたが、1993年に閉鎖されました。2000年にアメリカ企業に売却され、上海に曳航されたそうです。

海上に基礎らしいものがわずかに見られ、海岸に橋梁らしきものが残っています。

(2)なにわの海の時空館

なにわの海の時空館

アクアポリスよりもひどいと思われるのが、大阪市立海洋博物館の「なにわの海の時空館」です。天保山の海遊館から海底トンネルを渡った所にあり、WTCコスモスクエアもすぐ近くです。

「大阪市市制100周年記念事業」の一つとして176億円の税金を投入して建設され、2000年に開館しました。全長30mの江戸時代の菱垣廻船「浪華丸」を収めたガラスドームが目玉でした。

しかし毎年3億円以上の赤字が続き、2013年には閉館に追い込まれました。

上に挙げた二つの施設は、行政が採算性や将来の利用計画も十分に考えずに杜撰なプランで「税金」を湯水のごとく使って作った施設です。

2020東京五輪の施設もそうですが、今後、行政は施設を計画する場合は、くれぐれも「廃墟」にならないよう、採算性や跡地利用計画を十分に練ってから施設を建設するようにお願いしたいと思います。

3.廃墟ブームの歴史

14世紀にイタリアで始まった「ルネッサンス」によって、ヨーロッパではギリシャ・ローマの再評価が行われ、それらの遺跡が古代文明の偉大さを象徴するものとして関心が高まり、18世紀にはイタリアで考古学が盛んになりました。

19世紀後半のイギリスやドイツの「ロマン主義」も、ギリシャ・ローマ文明の遺跡である廃墟に強い関心を持つものです。

欧米では、「近い歴史を学ぶことは、未来を生きるヒントを得ることだ」と考えられており、廃墟を公害など負の遺産を含めて残し、教育や地域の活性化に利用しています。

2011年の東日本大震災で被災した福島第一原発や津波で被災した建物についても、議論が分かれるところですが、考えさせられる問題ですね。

日本においては1990年代に、廃墟を被写体にした写真作品が若者の人気を集めるようになりました。


廃墟探訪 [ 中田薫 ]


軍艦島よ 永遠に 〜NHKアーカイブスより〜


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