フレイルとは?ポストコロナ時代のフレイル対策をわかりやすく説明します!

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フレイルとは

コロナによる外出自粛が続いたことで、高齢者にとって心配なのが、運動機能や栄養状態の低下、人との関わりの希薄化による心身に及ぼす影響です。

この状態が続くと、「フレイル」になる可能性が高くなると言われています。

そこで今回は、フレイルおよびポストコロナ(アフターコロナ)時代のフレイル対策について分かりやすく説明したいと思います。

1.フレイルとは

フレイル虚弱図解

「フレイル」(frail)とは、「食事量が減り痩せてくる、筋力が低下して活動範囲が狭くなるなど、加齢による心身の衰えを感じる状態」のことで、「frailty」(虚弱)の日本語訳です。

フレイルは、早く介入して対策を行えば、元の健常な状態に戻る可能性があります。高齢者のフレイルは、生活の質を落とすだけでなく、さまざまな合併症を引き起こす危険があります。

厚生労働省研究班の報告書では、「加齢とともに心身の活力(運動機能や認知機能等)が低下し、複数の慢性疾患の併存などの影響もあり、生活機能が障害され、心身の脆弱性が出現した状態であるが、一方で適切な介入・支援により、生活機能の維持向上が可能な状態像」とされています。

2.フレイルの基準

フレイルの基準にはさまざまなものがありますが、Friedの提唱した基準が広く採用されています。

Friedの提唱した基準は次の5項目で、3項目以上該当すると「フレイル」、1または2項目だけの場合はフレイルの前段階である「プレフレイル」と判断します。

(1)体重減少:意図しない年間4.5kgまたは5%以上の体重の減少

(2)疲れやすい:何をするのも面倒だと週3~4日以上感じる

(3)歩行速度の低下

(4)握力の低下

(5)身体活動量の低下

フレイルには、体重減少や筋力低下などの身体的変化だけでなく、気力の低下などの精神的変化や社会的なものも含まれます。

3.ポストコロナ(アフターコロナ)時代のフレイル対策

新型コロナウイルス感染症は、高齢者においては感染の危険性だけでなく、家に閉じこもることによる健康への悪影響が懸念されています。

なかでも、動かないこと(生活不活発)でフレイルが進みます。たとえば高齢者が2週間寝たきりになると、失う筋肉量は、加齢による7年間に失われる筋肉量に匹敵すと言われています。

コロナ禍で外出を控えることは、歩行機会が失われ、筋肉の量や質の低下を招く大きな原因となります。

「ウィズコロナ時代」から「ポストコロナ(アフターコロナ)時代」に向けて、フレイルにならない、フレイルを加速させない4つのポイントは「栄養」「運動」「人とのつながり」「持病のコントロール」です。外出の際は、「マスクの着用」「人混みを避ける」「帰宅後は手洗いをすぐに行う」などの感染予防対策を行った上で、次のことを実践することです。

(1)栄養

食事は栄養バランスの良い、十分なエネルギーのあるものを摂ります。特に筋肉を作るたんぱく質が多く含まれる食材や、筋肉の増強をサポートするビタミンDを多く含んだ食材を積極的に食べることです。

タンパク質は成人男性で、1日に65gが推奨量とされていますが、高齢になると筋肉になりにくくなるため、より多く摂ることを意識すべきです。なお、ビタミンDは、きのこ類、魚介類、卵に多く含まれています。

また食事後の歯磨きは、口を清潔に保ち、風邪やインフルエンザ対策になるだけでなく、オーラルフレイルの予防に欠かせません。

(2)運動

天気の良い日には、人との距離をしっかりとった上で、ウォーキングなどの運動がおすすめです。筋肉や骨の維持、形成に欠かせないビタミンDは、日光を浴びることで作り出されます。

また、歩くことは気分転換にもなり、血流の循環を良くし、自己免疫力を活性化してくれます。30分~1時間程度の軽い散歩を日常的に心掛け、家の中でもできる範囲で身体を動かしましょう。椅子やテーブルに手をかけても構いませんので、スクワットや片足立ち、足踏みなど、自分の身体の状態や体調に合わせて安全に行いましょう。

自宅でできる簡単な体操と気分転換を兼ねた外での運動を上手に組み合わせて、意識して身体を動かしましょう。

なお、口周りや舌の筋肉が衰えないようにするトレーニングとして、「あいうべ体操」というのがあります。大きく口を開いて「あいうべ」の順に言うだけですが、10回を1セットとして1日3セット行うようにしましょう。

なお「あ」の時は、喉の奥が見えるくらい大きく口を開けます。「い」の時は、前歯が見えるくらい思い切り口を横に開きます。「う」の時は、タコの口のように唇を前に突き出します。「べ」の時は、舌先が下あごの先まで届くぐらい伸ばします。

(3)人とのつながり

人とのつながりが希薄になると、認知機能が著しく低下する恐れがあります。外出しにくい今の状況こそ、友人や家族と意識して連絡を取り合いましょう。

ちょっとした挨拶や会話も大切で、電話やオンライン通話を活用して、とにかくしゃべることを意識しましょう。

人とのつながりは、さまざまな不安やストレスを軽減し、安心して暮らすための重要なポイントです。SNSなど新しいことへのチャレンジも脳への良い刺激になります。

(4)持病のコントロール

高齢になるとほとんどの人は「持病」があると言っても過言ではありません。

糖尿病・心臓病・腎臓病・呼吸器疾患・整形外科的疾患などの慢性疾患がある場合には、持病をコントロールして悪化させないことが大切です。