AIが描いた「アルゴリズム絵画」が4800百万円で落札!しかしピンボケ写真?

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アルゴリズム絵画

1.高値落札された「アルゴリズム絵画」はまるでピンボケ写真

人工知能(AI)が描いた絵画が、2018年10月にニューヨークの有名オークション「クリスティーズ」で43万2500ドル(約4800万円)の高値で落札されたとのニュースがありました。

落札されたのは、黒い服を着た男性の肖像画「Edmond De Belamy」で、パリを拠点にAIを使った絵画を研究・製作しているチーム「OBVIOUS」による作品です。

ディープラーニングアルゴリズム」の一種「GAN」を使い、14世紀から20世紀に描かれた肖像画1万5000点のデータを基に作られた作品だそうです。

しかし、出来栄えは、まるでピンボケ写真のようで、肝心の顔の部分がぼやけています。

なお、「アルゴリズム(Algorithm)」とは、「ある特定の問題を解決したり、課題を解決したりするための計算手順や処理手順のこと」です。これを図式化したものが「フローチャート」で、コンピューターで処理するための具体的な手順を記述したものが「プログラム」です。

2.AI技術による芸術の問題点

AIを使って人間の知能に挑戦する研究で一般によく知られているのは、囲碁や将棋のAIで、プロ棋士を破るほどの実力を持つに至っています。将棋のAIは70万局の棋譜を記憶しているそうで、これは人間なら2000年もかかる計算です。2019年8月には、マイクロソフト社が麻雀で人間のトップクラス(人間では約30人しかいない「10段」)に相当するAIを開発しました。

しかし、AIによる絵画や音楽、小説などの芸術分野では、著作権などに関する問題点もあります。

(1)AIが創作した絵画・音楽・小説のようなコンテンツについて、誰がどのような権利を持つのか

(2)AIが創作した作品が、たまたま人間の創作物に類似してしまった場合、人間の創作者はAIの作品の提供者に対して著作権侵害を主張することができるのか

(3)AIに、ある特定の作者の絵画・音楽・小説のデータを全て入力して、その「ビッグデータ」を解析して(今後の流行も予測して)作品を作らせた場合、著作権侵害にならないのか

(4)AIに創作を指示するだけで、AIが自らの判断で作品を作った場合、著作権は発生するのか

などいろいろと問題がありそうです。

3.「一人の画家」にターゲットを絞った「アルゴリズム絵画」は有望

上に挙げた例の絵画「Edmond De Belamy」は、過去の肖像画をごちゃまぜにしたようなもので、誰の作品の影響を受けているのかほとんどわかりません。

しかし、たとえば「レンブラント」の絵画を「ディープラーニングアルゴリズム」に学習させて「レンブラント風」の絵画を描かせると、「偽造画家のように精緻なレンブラント絵画が量産できることは、想像に難くありません。

同じように、「ルノアール」や「ゴーギャン」「ピカソ」などの「偽造絵画(模造絵画)」が大量に出回る懸念もあります。

既に現実にAIによる「レンブラント風絵画」は制作されており、こちらはピンボケなど全くないレンブラントの絵画そっくりに仕上がっています。

これは「The Next Remburandt」というプロジェクトで、アメリカのMicrosoft社とオランダのデルフト工科大学などの共同チームによるものです。

日本では、漫画家手塚治虫の主要作品をAIに学習させて、ストーリーやキャラクター、描き方(タッチ)が手塚治虫そっくりの「AIによる手塚治虫作品」を制作する研究が進められているそうです。2020年2月27日発売の漫画雑誌「モーニング」に掲載された「ぱいどん」がその実例です。AIが「ブラックジャック」などの手塚漫画を読み込んで、シナリオ原案を作り、人間の脚本家が手を加えて仕上げたものです。

4.「風景写真」を「巨匠風絵画」に変換する「アルゴリズム絵画」も有望

また、一枚の風景写真を、ゴッホやルノアールやムンクなどの絵画の巨匠たちが描いたようなスタイルに変換するアルゴリズムも、ドイツの研究チームによって開発されているそうです。

5.「AIによる芸術作品」は法律的な問題の解決が今後の課題

AIについては、「クルマの自動運転」が実用化に近付いていますが、これについても交通事故が起こった場合、「自動運転のクルマ同士の事故」「自動運転のクルマと人が運転するクルマとの事故」のケースのほか、事故時の状況などによって様々なバリエーションが考えられます。それぞれの責任の所在など、今後検討すべき課題が山積しているように思います。

「AIによる芸術作品」についても、今後どんどん発表されていくと思いますが、著作権などの法律的な問題の解決が急がれるのではないでしょうか?



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