日本語の面白い語源・由来(その3)

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語呂合わせ

前回に続きまして、日本語の面白い語源・由来をご紹介します。

1.梨の礫(なしのつぶて)

「梨の礫」とは、連絡をしても何の連絡も便りもないことです。「礫」は投げる小石のことです。投げた小石は返ってこないことから、つぶてのように音沙汰がないことを「なしのつぶて」というようになったものです。

漢字では「梨の礫」と書きますが、「梨」は「無し」に掛けた語呂合わせで特に意味はありません。「無しの礫」では、「何も無いものを投げること」になって意味をなさないため、形のある「梨」を用いたのです。

2.語呂合わせ

「平安京にウグイス鳴くよ(794)」や「行くよ一(1941)番真珠湾」など学生時代に歴史の年号を覚えるのに「語呂合わせ」をやった人は多いと思います。そのほかにもルート2を「一夜一夜に人見頃(ひとよひとよにひとみごろ)」と覚えるように電話番号や暗証番号などの「数字の羅列」を記憶する場合にもこじつけの「語呂合わせ」で覚えることがよくあります。

「語呂合わせ」とは、このように「ある文字に他の音や他の意味を重ねることによって行う言葉遊び、あるいは何らかの情報を覚える時に用いる手法」です。

では「語呂」とは何でしょうか?これは「言葉や文章の続き具合や調子のこと、特に発音した時の音の続き具合や調子のこと」です。

「呂」は「音階」のことです。「音階」とは雅楽用語で、「曲の調子=呂(呂律)」のことです。言葉の呂律(リズム)が合うというのが「語呂がよい」「語呂合わせ」ということです。

泥酔したり脳梗塞になったりすると、舌がよく動かず「呂律」(リズム)が回らなくなり、言葉が聞き取りづらくなります。

3.八百長(やおちょう)

「八百長」とは、「事前に勝負を示し合わせ、勝負をつけること」です。

大相撲やプロ野球で八百長が問題になったことが何度かありました。大相撲について、石原慎太郎元東京都知事が「相撲の八百長は当たり前」と発言したことが特に印象に残っています。私も、星勘定をお金でやりとりする「ごっつあん相撲」があるという話をきいたことがあります。「ガチンコ相撲」が信条の元横綱貴乃花はこの「ごっつあん相撲」(八百長相撲)を、「可愛がり」(暴力行為)とともに極端に嫌っていました。その結果、角界追放の憂き目にあったようなものです。

この「八百長」は、明治時代の八百屋の店主「長兵衛(ちょうべえ)」に由来します。長兵衛は通称「八百長」と言い、相撲の年寄「伊勢海五太夫」の碁仲間でした。

碁の実力は長兵衛が勝っていましたが、商売上の打算から、わざと負けたりして勝敗をうまく調整し、伊勢海五太夫のご機嫌を取っていました。

この話から、勝敗を調整してわざと負けることを相撲界では「八百長」と言うようになったのです。

やがて、事前に示し合わせて勝負することを広く指すようになり、相撲以外の勝負でも、この言葉は使われるようになりました。

4.如何様(いかさま)

「如何様」とは、偽者、いんちき、ペテンのことです。

いかさまの「いか」は「如何(いかが)」「如何に(いかに)」などの「いか」で、「さま」は様子を意味する「様(さま)」です。

もともとは、「どのように」「どんなふうに」という意味で使われていましたが、「いかにもその通り」「間違いない」という意味に転じて行きました。

さらに「いかにも本物だと思わせるようなもの」を意味する「いかさまもの」という表現が生まれ、「もの」が省略されて現在のような意味になったのです。

また、「まやかし」「にせもの」の意味を表す「いかもの」は、「いかさまもの」の中の「さま」が省略されてできた言葉と言われています。

5.糸瓜(へちま)

先日、日本料理店で食事をした時、お品書き紙の中に「糸瓜」というのがありました。最初これを見て「イトウリって何だったっけ?」と思いましたが、やがて「へちま」だと思い出しました。

でもなぜ「へちま」と言うのでしょうか?またなぜ「糸瓜」と書いて「へちま」と読むのでしょうか?

「糸瓜」は、インド原産の瓜の一種で、日本には室町時代に中国から渡来しました。本来の名前は、果実から繊維が得られることから付いた「糸瓜(イトウリ)」で、漢名では「絲瓜(シカ)」と呼びます。

最初日本では「糸瓜(イトウリ)」と呼ばれていましたが、やがて縮まって「と瓜(トウリ)」と呼ばれるようになります。「と」は「いろは歌」で「へ」と「ち」の間にあることから、「へち間」の意味で「へちま」と呼ばれるようになったというわけです。



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