高槻市には、衛星都市には珍しく「市営バス」があります。しかも70歳以上の高齢者は、申請すれば「無料パス」がもらえます。
これは「老人に優しい制度」で特に高槻市北部の丘陵地や山間部に住む老人には大変ありがたい制度です。
しかし、高槻市の「財政負担」という観点から見ると、「無駄」なように感じられます。
1.「高齢者無料パス」の利用実態
高槻市は地形的に南北に長く北は京都府亀岡市に接しており、南は大阪府枚方市に接しています。また森林面積が全体の約44%を占めています。
このような事情から、市の中心部から離れた場所に住む市民、特に高齢者にとっては「市営バス」は欠くことの出来ない交通手段です。
しかし、南平台に住む私の知人の話では、特に用事もないのに市営バスに乗っている老人が少なくないようで、通勤時に頻繁に停留所に止まって時間がかかり過ぎるという不満もあるようです。
ここはやはり、「受益者負担の原則」によって、「高齢者無料パス」を廃止して有料化すべきではないかと私は思います。
2.高槻市の「財政負担」
この「高齢者無料パス」による収入減は、高槻市の財政負担となり、ひいては市民全体の負担増に跳ね返って来る訳です。
大阪市営バスも累積赤字が続いたため、「民営化」され大阪シティバス(株)となりました。大阪市営地下鉄が「民営化」された大阪市高速電気軌道(株)(愛称:大阪メトロ)の100%子会社となっています。以前は大阪市営バスも高槻市と同じように「高齢者無料パス」があったように記憶しています。
「高齢者無料パス」を廃止することにより、市営バスの不要不急の利用を抑止することが期待できます。「救急車」の「不適切な利用」と同一に論じることは適当ではありませんが、今まで高槻市営バスは「高齢者は無料が当たり前」になっていて「ありがたみ」が薄くなっていた面もあると思います。
大阪市のような「民営化」が妥当なのかどうかは私にはわかりませんが、「高齢者無料パス」の廃止については、高槻市長をはじめ市議会のご検討をよろしくお願いいたします。
3.高槻市営バスの「高齢者無料乗車制度」の変更が決定
私も最近になって知ったのですが、令和3年4月から高槻市営バスの「高齢者無料乗車制度」が変更されることになったそうです。
高槻市の方でも問題意識は以前からあったようで、「高齢者福祉」と「財政負担」のバランスを取るために決断したものと思います。
(1)変更のポイント
無料乗車の対象年齢を「70歳以上」から「75歳以上」へ引き上げ
(2)経過措置
①現在すでに無料乗車券を利用中の人は、「引き続き無料」
②「割引制度」(*)の導入
(*)70歳~74歳まで1乗車100円の割引運賃で利用可能
③無料対象年齢を「段階的に引き上げ」
詳しくは「高槻市ホームページ」をご覧ください。