仏教はインド発祥の宗教なのにインドでは衰退したのはなぜか?

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アショーカ王のマウリヤ帝国

「仏教」と言えば、今から約2600年前の紀元前5世紀前後にインドの「釈迦(ゴータマ・シッダールタ)」(B.C.463年頃~B.C.383年頃)が創始した宗教ですが、現在インドには仏教徒はほとんどいません。

1.現在のインドの宗教

「ブリタニカ国際年鑑」2007年版によると、ヒンドゥー教徒73.72%、イスラム教徒11.96%、キリスト教徒6.08%、シク教徒2.16%、仏教徒0.71%、ジャイナ教徒0.40%、アイヤーヴァリ教徒0.12%、ゾロアスター教徒0.02%、その他1.44%となっています。

ヒンドゥー教徒が73%以上と圧倒的に多く、仏教徒は1%未満です。

2.インドで仏教の発展

紀元前3世紀の「マウリヤ帝国」の「アショーカ王」(B.C.304年~B.C.232年、在位:B.C.268年頃~B.C.232年頃)から「カニシカ王」(生没年不詳、在位:144年頃~171年頃)を経て6世紀のグプタ王朝までがインド仏教の最盛期で、千年以上もインド文化が興隆し、東洋文化の発祥地となりました。

3.インドで仏教が衰退した原因

ところが、10世紀以降、イスラム教がインドに入って来て、悪貨が良貨を駆逐するように仏教はインドで急速に衰退し、だいたい12世紀ごろにはインドで仏教は滅亡したと言われています。

仏教が廃れ、インド古来の宗教の総称であるヒンドゥー教やイスラム教が隆盛になったインドは、19世紀には今度はキリスト教国のヨーロッパに侵略され、帝国主義列強であるイギリスの植民地となってしまいます。

インドで仏教が衰退した原因は、イスラム教徒による仏教寺院の破壊や僧侶殺害などの攻撃や、古代ヒンドゥー教とも言うべきバラモン教からの攻撃という外的原因のほか、仏教後援者たちの弱体化や病気が治ったり金儲けができるための祈祷などをして現世利益を求めることに走り、釈迦の本来の教えから逸れて行ったという内的原因もあります。

バラモン教は、バラモンと呼ばれる司祭を特権的な地位に置き、農民や先住民などを低い身分に置き、最下層の「不可触民」に至っては身分も持たず、ひどく差別されていました。釈迦の創始した仏教は、このような身分差別に反対する思想の一つとして生まれたものなので、バラモン教が目の敵にするのは当然と言えば当然です。

4.世界において仏教徒が最も多いのは日本

現在、中国も共産主義政権となって仏教は衰退し、韓国でもキリスト教が多くなって仏教は衰退しています。その結果、日本は最大の仏教国となっていますが、日本でも仏教は急速に衰退の一途をたどり、滅亡寸前の状況です。

これは、仏教を教えるはずの寺が、釈迦が説かなかった「葬式」や「先祖供養」ばかりを行い、「高い戒名料」を取ったり「おみくじ」を売ったり、「祈祷」をしたりするなど堕落しているからです。

祇園などの京都の花街は僧侶で持っている」と言われるほど、僧侶も堕落しているようです。

檀家制度」も僧侶の家族の生活を支えるための制度に堕しており、消滅に向かうことは避けられない流れだと私は思います。

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