「五蘊」「三科」「三界」とは何か?わかりやすくご紹介します。

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五蘊

前に「十八界」の記事を書きましたが、それに関連した言葉に「五蘊」「三科」「三界」という言葉があります。

今回は「五蘊」「三科」「三界」についてわかりやすくご紹介したいと思います。

1.五蘊(ごうん)とは

「五蘊」とは仏教用語で、「人間の肉体と精神を五つの集まりに分けて示したもの」です。

(1)色蘊:肉体・物質。すべての物質

形あるものは常に変化し、老いて滅びることです。

(2)受蘊:五感などの感覚。感受作用

感じ方は常に変化し、より心地よい刺激を求めることです。

(3)想蘊:知識・イメージ。表象作用

価値を判断し、イメージを作り上げることです。

(4)行蘊:行動を生む意思。意思作用

常に何かしたいという思いにとらわれることです。

(5)識蘊:認識する心の働き。認識作用

心は常に変化し続け、確かな「我」はどこにもないことです。

なお、「五蘊仮和合(ごうんけわごう)」とは、「個々の事物は因縁によって五蘊が仮に集まってできたものである」ということです。

また、「五取蘊(ごしゅうん)」とは、「煩悩に伴われた有漏(うろ)である五蘊」のことです。

「有漏」とは、「煩悩や汚れのある状態」のことです。なお「煩悩に関わらない汚れが滅し尽くされた状態」のことを「無漏(むろ)」と言います。

2.三科(さんか)とは

十八界

「三科」とは、上に述べた「五蘊」と「十二処」(六根と六境のこと)と「十八界」の三つの範疇のことです。

なお、「六根」「六境」「六識」の三範疇を指す場合もあります。

3.三界(さんがい)とは

三界

「三界」とは仏教用語で、「欲界(よくかい)」「色界(しきかい)」「無色界(むしきかい)」の三つの世界のことで、要するに全世界のことです。衆生が生死を繰り返しながら輪廻する世界をこの三つに分けたものです。「三有(さんう)」とも言います。

欲界が最も下に位置して、無色界は最も上に位置するものです。

(1)欲界

「欲望に囚われた淫欲と食欲がある衆生」が住む世界です。無色界および色界の下に位置する本能的欲望(カーマ)が盛んで強力な世界です。

八大地獄から六欲天までの領域であり、地獄・畜生・餓鬼・修羅・人間・天の6種の世界がこの欲界に含まれます。「六道(ろくどう/りくどう)」はここに位置します。

つまり、「地下の世界」「地表の世界」「空中の世界(天界)の最下層」が欲界に属します。

(2)色界

「淫欲と食欲の2つの欲から離れた衆生」が住む世界です。欲望は超越したものの、物質的条件(色)に囚われた衆生が住む世界です。欲界の上、無色界の下に位置します。

欲や煩悩は無いものの、物質や肉体の束縛からは脱却していない世界です。

(3)無色界

「物質的なものから完全に離れた衆生」が住む世界です。欲望も物質的条件も超越し、精神的条件のみを有する衆生が住む世界です。欲界および色界の上で、天界の最上層に位置します。

物質が全く存在せず、心の働きである受・想・行・識の「四蘊」だけからなる世界です。

無色界は「四天」に分けられ、その最高処が「有頂天(うちょうてん)」(非想非非想天、非想非非想処)と言います。

一般にも「有頂天になる」という言葉を使いますね。「天」は「天界」を意味すると同時にそこに住する者をも指します。このことから、「有頂天に登り詰める」=「絶頂を極める」という意味に転化し、「頂上世界に安住して、自分を忘れてうわの空である状態」を指すようになりました。

ちなみに「女は三界に家無し」ということわざがあります。これは、「女は幼少の時は親に、嫁に行ってからは夫に、年老いては子に従うものだから、広い世界のどこにも身を落ち着ける場所がない」という意味です。「女は三従」とも言います。

この二つのことわざは、封建時代の女性に位置を象徴する言葉です。



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