意外と知らない「枝豆と黒豆と大豆の違い」とは?実は同じものだった!?

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枝豆黒豆節分の豆

ビールがおいしい夏場、ビールのお供といえばやはり「枝豆」ですよね。

また正月のお節料理に欠かせないのが「黒豆」で、「丹波の黒豆」が有名です。

そして節分の豆まきに使うのは「大豆」で、豆腐の原料にもなっていますね。

ところで、この「枝豆」と「黒豆」と「大豆」の違いは一体何でしょうか?

1.枝豆と黒豆と大豆は実は同じもの

(1)大豆とは

大豆(だいず)」は、マメ科の一年草です。完熟種子は主に搾油の原料となり、脱脂後の絞り粕(大豆粕)飼料として利用されています。食用にもなり特に東アジアでは様々な利用形態が発達しています。未成熟の種子枝豆と呼びます。

(2)枝豆とは

枝豆(えだまめ)」は、大豆を未成熟で青い間に収穫し、食用にするものです。そのため豆類に分類されず、「緑黄色野菜」に分類されています。

つまり、「枝豆」という植物が「大豆」と別に存在するわけではなく、一般的な大豆と同一のものであり、収穫時期や調理・加工方法が異なるだけです。

ただし「品種」としては、「成熟させて大豆として収穫するのに適したもの」と、「未成熟時に枝豆として収穫するのに適したもの」が別個に存在します。日本においては主力品種である「錦秋」などに加えて、収量が多い、豆の粒が大きい、食味が良いといった方向性で新しい品種の開発が行われています(秋田県農業試験場「あきたのほのか」、サカタのタネ「とびきり」など)。

枝豆向きの品種を成熟させて大豆として収穫することは、種子を得る場合を除き、通常は行われません。

(3)黒豆とは

黒豆(くろまめ)」は、大豆の品種のひとつで、「黒大豆(くろだいず)」、「ぶどう豆」とも呼ばれます

実が黒く色づく手前の10月ごろに収穫されのが枝豆」です。

種皮にアントシアニン系の素を含むため、外見が黒色を呈します。栄養成分的には通常の大豆と同等です。

概ね7月初旬に種を植え付け、8月ごろに品種により異なる薄桃色・薄紫色・白色の花を咲かせ、9月~10月頃に莢に実をつけます。だんだんと実が黒く色づき、中生種では10月上旬から11月上旬、晩生種では11月中旬から12月上旬に収穫されます。

2.大豆と枝豆と黒豆について

大豆の原産地は東アジアで、「古事記」に記録がみられるように、日本にも古くから存在しました。野菜の中でも、大豆は五穀のひとつに数えられる主要な穀物です。大豆はマメ目マメ科の一年草で、種をまいてから4か月ほどした完熟の種子は、様々な食用に使われてきました。また、種まきから3か月ほどの未成熟な種子を枝豆と言います。奈良時代にはすでに、枝豆は日本人に食べられていました。

枝豆は、野菜としての大豆を栽培する過程で、大豆をまだ青い状態のまま刈り取って食用にしたものが枝豆です。枝豆や大豆の、その見た目や味の違いもさることながら、栄養価においても、枝豆と大豆は同根のものとは思えないほど違います。枝豆と大豆の大きな違いとしては、蛋白質は大豆のほうが多く、ビタミンは枝豆のほうが多いことです。枝豆の旬は6~8月で、9~10月が収穫の大豆と違いもあります。

丹波の黒豆で有名な黒大豆も、大豆のたくさんある種類の中のひとつです。つまり、同じ大豆なのです。大豆には色や形の違いなどで分ければ、125種類もの品種があります。ここでは、色の違う大豆7種類のうち黄大豆、黒大豆、茶大豆を紹介しておきます。一番ポピュラーな黄大豆は、ほとんどの加工食品がこれから作られます。また、おせちなどに出る黒豆は、黒大豆で作られています。枝豆にもいろいろな大豆の枝豆があります。

枝豆としては高級品の部類に入る枝豆として、兵庫県・丹波の黒豆の枝豆や山形県・鶴岡のダダ茶豆の枝豆、新潟県・黒崎の茶豆の枝豆などが有名です。甘みや香りに優れていて、栄養価ばかりでなく美味しい点でもこれらの枝豆は評価されています。これらの枝豆も黒大豆や茶大豆といった大豆の一種から作られているわけです。余談ですが、茶大豆ではない枝豆を茶葉を加えた湯で茹で上げると、枝豆が茶豆のような味わいになります。

3.大豆の栄養と成分

枝豆や黒豆の姿や形が大豆とどう違っても、どうやら枝豆も黒豆も大豆の親族とわかりました。本家である大豆というものについて、栄養や成分などを中心に枝豆との違いも含めて、少し詳しくご紹介と思います。美味しさも、栄養価も調べれば調べるほど、大豆はもちろん枝豆や黒豆も実に奥が深いです。

(1)いろいろな大豆製品

①大豆油(だいずあぶら)

②大豆粕(だいずかす)

③豆腐(とうふ)

④豆乳(とうにゅう)

⑤黄粉(きなこ)

⑥納豆(なっとう)

⑦味噌(みそ)

⑧醤油(しょうゆ)

4.大豆と枝豆と黒豆の栄養価の比較

大豆の栄養素

枝豆と大豆を100g当りの栄養素で比較します。炭水化物や脂質、蛋白質は、枝豆がそれぞれ9g、6g、12gで、大豆が29g、23g、35gです。これでみると枝豆から大豆になる際の、乾燥や凝縮がもたらす栄養成分の変化の違いは小さくありません。逆に、ビタミンAは枝豆が110mgで、大豆が12mgです。約10分の1に減少しています。ビタミンCは枝豆が30mgで、大豆が0mgです。枝豆が大豆になることでビタミンCは消えてしまいました。

黒豆の成分は、大豆とそれほど変わりません。大きな違いは、その色からもうかがわれるように、多くのポリフェノールが黒豆には含まれていることです。ポリフェノールは、抗酸化作用や免疫力の活性化による病気の予防に欠かせない、大事な栄養素です。

大豆には、炭水化物や脂質、蛋白質といった3大栄養素に、ビタミンやミネラルを加えた5大栄養素が含まれています。この5大栄養素とは、人間が健康に生活するのに必要不可欠な栄養素です。大豆がバランスのとれた総合的な栄養素を含んでいる食品であることがよく理解できたのではないかと思います。

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