間違いやすい日本語(その3)侃侃諤諤と喧喧囂囂、添付と貼付、漸次と暫時など

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侃侃諤諤・喧喧囂囂

前にも「間違いやすい日本語」「間違いやすい日本語(その2)」という記事を書きましたが、日本語には、同じようで違う意味の「似て非なる言葉」がまだいくつもあります。

1.「侃侃諤諤(かんかんがくがく)」と「喧喧囂囂(けんけんごうごう)」

「侃侃諤諤」(侃々諤々)は、「遠慮することなく、自分が思っていることを堂々と主張すること」です。

これに対して「喧喧囂囂」(喧々諤々)は、「大勢の人がそれぞれ好き勝手に騒ぎ立ててやかましいこと」です。よく討論番組などで、相手がしゃべり終わらないうちに自分の意見をまくし立てる人がいますね。聞いている方は誰が何と言っているのかさっぱりわからず、「収拾のつかない紛糾状態」になることがありますが、あれのことです。

ところがこの二つの言葉はよく似ているため、これを混同して「喧喧諤諤(けんけんがくがく)」(喧々諤々)と言う人がいますが、このような四字熟語は存在しません。

なお、「侃」は「のびのびと気おくれすることがない様子」、「諤」は「言葉を強くする様子」を意味します。

一方、「喧」と「諤」はともに、「口々に話していてやかましい様子」を意味します。

2.「添付(てんぷ)」と「貼付(ちょうふ)」

「添付」は「書類などに、あるものを付け添えること」という意味です。「添付資料」やメールの「添付ファイル」のように使います。

一方「貼付」は「糊(のり)などで貼り付けること」です。「手紙(ハガキ)に切手を貼付する」のように使います。

3.「漸次(ぜんじ)」と「暫時(ざんじ)」

「漸次」は「徐々に」という意味で、「暫時」は「しばらくの間」という意味で、まったく異なるのですが、発音が似ているためか、誤って使う人がいます。

歌舞伎・暫

「暫」は「しばらく」と読み、歌舞伎十八番の演目(上の画像)にもありますし、「暫定的(ざんていてき)」という言葉もありますので、間違えないようにしたいものです。

4.「間髪(かんはつ)」と「間一髪(かんいっぱつ)」

「間髪」「かんつ」と読みますが、普通「間髪を入れず」と使い、「即座に。直ちに」という意味です。「かんつ」と読むのは誤りです。

「間一髪」は、「髪の毛一筋の隙間」ということで、「事態が極めて差し迫っていること。その寸前のところ」という意味です。

5.「つつましい」と「つましい」

「つつましい」は「慎ましい」と書いて、「遠慮深い。淑(しと)やかで控えめであるさま」を意味する言葉です。

「つましい」は「倹しい」と書いて、「質素、倹約であるさま」を意味する言葉です。

6.「汚名返上(おめいへいんじょう)」

これは「新たな成果を挙げて、悪い評判を退ける」という意味です。

「名誉挽回」との混同で、「汚名挽回」と言う人がいますが、これは全くの間違いです。

7.熱に浮かされる

これは「病気で高熱のためにうわごとを言う」「前後を忘れて夢中になる。のぼせ上がる」という意味ですが、本来の言い方の「熱に浮かされる」と言わずに、「熱にうなされる」と言う人が増えているようです。

文化庁が発表した平成26年度「国語に関する世論調査」では、「熱に浮かされる」を使う人は57.2%で、「熱にうなされる」を使う人が27.1%もいるそうです。

8.怒り心頭に発する

怒り心頭に発する

これは「心の底から激しく怒る」という意味ですが、本来の言い方の「怒り心頭にする」と言わずに「怒り心頭にする」と言う人が増えているようです。

文化庁が発表した平成24年度「国語に関する世論調査」では、「怒り心頭にする」を使う人は23.6%にとどまり、「怒り心頭にする」を使う人が67.1%に達しているそうです。

9.体調を崩す

これは「体の調子を良好に維持できない状況」を指す言葉ですが、「体を壊す」との混同から「体調を壊す」と言う人もいるようです。

10.三日にあげず

これは「間を置かず。非常にしげく。しばしば」という意味ですが、本来の「三日にあず」と言わずに「三日にあず」と誤って言っている人がたまにいます。

「三日と空(あ)けず」という誤解からだと思います。



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