稲と鮟鱇(アンコウ)は、最後まで捨てるところがない!

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鮟鱇

最近は「パン食」をする人が増えて、米の需要が減っていますが、私が子供の頃は朝食も米のご飯を食べていました。

稲は、米(コメ)として食べるだけでなく、日常生活の様々な場面で利用されて来ました。

1.稲の用途

(1)米(こめ)

食用。古米(前年に収穫された米)や古古米(前々年に収穫された米)は家畜の飼料として利用される場合もあります。しかし寿司飯は、酢の浸透が良いという理由で古米を使用する(またはブレンドする)そうです。

(2)藁(わら)

燃料・飼料・工芸品・生活用具などの原料として、古くから広く利用されて来ました。

焚き付けなどの燃料にしました。私が子供の頃、兼業農家だったので藁が納屋にたくさん積み上げられてあり、五右衛門風呂の焚き付けによく利用しました。

牛馬の飼い葉などの飼料としても利用されました。

日本の藁文化は多彩です。江戸時代までは、藁布団(綿の代わりに藁を詰めた布団)が用いられました。笠・蓑・草鞋・藁手袋や雪国の深沓(ふかぐつ)、注連縄(しめなわ)・藁馬・藁人形、箒や俵、藁苞(わらづと)なども作られました。

私が子供の頃住んでいた家もそうですが、昔の日本家屋の土壁には藁が塗り込められていました。

また、余った藁や不要になった藁製品は堆肥として利用されました。

(3)籾殻(もみがら)

籾殻は、稲の穂から取った実の殻のことです。野菜を籾殻の中に保存していたことがあります。

農家では、畑の地表の保温対策や保湿対策として籾殻を撒きます。土を耕すときに籾殻を混ぜ込むと、パーライトと同じように通気性を高めます。籾殻燻炭にして肥料にすることもあります。

(4)灰(はい)

私の家でも、昔は藁を燃やした後の灰を茶の間にある大きな火鉢に入れて利用しました。

江戸時代には「灰買い」という職業まであったそうで、染色の定着剤・焼き物の釉薬・土壌の改良剤として広く利用されたようです。

2.鮟鱇の用途

冬の風物詩に「鮟鱇の吊るし切り」というのがあります。「鮟鱇」は俳句で冬の季語にもなっています。

鮟鱇は「捨てるところがない」と言われるほど、全部利用されます。アンコウ鍋に入れる部位は次のようなもので「鮟鱇の七つ道具」と呼ばれています。基本的に、顔(目や歯)と骨以外の部位は全て食べられます。

(1)ヤナギ:身。柳肉(りゅうにく)とも言い、白身で淡白です

(2)カワ:皮。コラーゲンがたっぷりあり、代表的部位です

(3)水袋:胃

(4)キモ:肝臓。いわゆる「アンキモ」で「海のフォアグラ」とも呼ばれています

(5)ヌノ:卵巣。平板状のためにこう呼ばれています

(6)エラ:鰓

(7)トモ:尾ひれや胸ひれなど

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