頼母子講(たのもしこう)とは?相互銀行の前身でもある!

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頼母子講

江戸時代中期に富士山を信仰する農民や商人らで組織された「富士講」というのがありましたが、「頼母子講」というのをご存知でしょうか?

1.頼母子講とは

私が子供のころ、町内の寄り合いがよくあり、父か母が出かけて行きました。そんな中に「頼母子講」というものがありました。

頼母子講とは、「金銭の融通を目的とする民間の互助組織で、一定の期日に構成員が掛け金を出し、くじや入札で決めた当選者に一定の金額を給付し、全構成員に行き渡った時に解散する組織」のことです。鎌倉時代に始まり、江戸時代に流行したそうです。

「頼母子」という言葉は、京都や大阪では「お願いします」というのを「お頼(たの)申します」というので、「お金の融通をお頼(み)申します」から来ているのではないかと私は思います。

2.「無尽」は相互銀行の前身

この「頼母子講」は「無尽(講)」とも呼ばれますが、この「無尽会社」は、かつてあった地域金融機関の相互銀行の前身です。

無尽会社とは、「一定の口数と給付金額とを定め、定期的に掛け金を払い込ませて、一口ごとに抽選・入札その他これに準ずる方法により、掛け金者に対して金銭以外の財産の給付をすること(物品無尽)を業として行う株式会社です。

相互銀行は、昭和26年の「相互銀行法」に基づいて免許を受け認められた金融機関としての相互会社です。しかし、平成4年の「金融制度及び証券取引制度の改革のための関係法律の整備等に関する法律」によって廃止され、「普通銀行」(第二地方銀行)となりました。

3.金融機関の合併・再編の嵐

私がサラリーマンになったころは、都市銀行だけでも13行もありました。

第一勧業銀行・富士銀行・住友銀行・三菱銀行・三和銀行・東海銀行・太陽神戸銀行・三井銀行・協和銀行・大和銀行・埼玉銀行・北海道拓殖銀行・東京銀行

これが、合併・再編を繰り返して45年ほど経った現在ではメガバンク3行(みずほ・三井住友・三菱UFJ)とりそなグループ(大和銀行、協和銀行、埼玉銀行)に集約されました。上記13行のうち、北海道拓殖銀行は倒産して北洋銀行に営業譲渡されました。なお、りそなグループには後に近畿大阪銀行が入り、それが関西アーバン銀行と合併して関西みらい銀行となり現在に至っています。大和銀行はりそな銀行になり、協和銀行と埼玉銀行は埼玉りそな銀行となっています。

銀行の栄枯盛衰は凄まじく、「滄海変じて桑田となる」というのが実感です。

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