海の水はなぜ塩辛いのか?また塩辛い成分が含まれるようになった原因は?

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海水が塩辛くなった原因

海水浴で海水が口に入り、あまりにも塩辛くてビックリした経験が誰にでもあると思います。それもそのはず、海の塩濃度は約3.1~3.8%です。味噌汁の塩濃度は大体0.7%~0.9%ぐらいですから、そのままでは塩辛くてとても飲むことができません。

ところで皆さんんは「海の水はなぜ塩辛いのか?」と考えたことはありませんか?

この問題に限らず、小学生の頃は誰しも「なぜだろう」と疑問を持つことが多かったと思います。

しかし中学・高校と進み大人になるにつれて、勉強や仕事が忙しくなって、そのようなことを忘れてしまいます。

そこで今回は、海の水が塩辛い理由と塩辛い成分が含まれるようになった原因についてわかりやすくご紹介したいと思います。

1.海の水が塩辛い理由

海水の塩

海の水(海水)が塩辛いのは、食塩の主な成分である塩化ナトリウムが溶けているからです。これは、ほとんどの人が知っていることでしょう。

2.海の水に塩化ナトリウムが含まれるようになった原因

海の水はなぜ塩辛いのか

では、塩化ナトリウムが海水に含まれるようになった原因は何でしょうか? 海の塩は一体、どこからやって来たのでしょうか?

答えは、40億年前、酸性の海が陸地のナトリウムを溶かしたからです。

話は地球が生まれた46億年前までさかのぼります。できたての地球には直径が数km10kmほどの「微惑星」が次々と衝突し、表面はどろどろのマグマに覆われていました。「微惑星」の中には水素や水蒸気、二酸化炭素、窒素、塩素ガス、塩酸、硫黄などのガスが閉じ込められていて、そのガスが上空に少しずつたまることで、やがて地球には大気(原始大気)が作られました

その後、数百万年をかけて地球の表面の温度が100℃くらいまで冷えてくると、大気中の水蒸気は大量の雨となって降り注ぎ地球の表面に溜まりました。これが、海の始まり(原始の海)です。

原始の海

雨が地表を冷やし、地表が冷えると原始大気が冷えてさらに雨がふったので、年間の雨量は10mを超える凄まじい大雨だったと考えられます。当時は地球全体が大雨の時代だったのです。

この大雨が1,000年近くもつづき、現在の海のもととなる原始の海が生まれたのです。原始の海は雨に溶けた塩酸なども流れ込んだので、はじめは酸性で、とても生物の住める環境ではなかったようです。

その海水が、先に冷えて固まっていた岩石に含まれるナトリウムを溶かして結びつき、「塩化ナトリウムができたというわけです。

3.海の水の「塩分濃度」と「塩分の組成」

海水の塩分組成

今、我々が住む地球の海の塩分濃度は約3.4%ですが、海域や深さによってばらつきがあります。

ところが、海水中の塩分の組成(ふくまれる成分の比率)は、ほとんど変わりません。そのことが分かったのは19世紀の後半。イギリスの軍艦「チャレンジャー」が世界各地で海水を採取し、それをエジンバラ大学のディットマー教授が分析しました。その結果、海水の濃度は海域ごとに異なる一方で、塩分の組成(成分の構成)は一定であると分かったのです。これを「ディットマーの原理」と言います。

海水中の塩化ナトリウムの割合は77.9%。そのほかには、豆腐を固める「にがり」の成分である塩化マグネシウムが9.6%、硫酸マグネシウムが6.1%、硫酸カルシウムが4.0%、塩化カリウムが2.1%含まれています。

4.岩塩が「海の化石」と呼ばれる理由

岩塩

海だけではなく、「塩湖(えんこ)」と呼ばれる塩辛い湖も存在します。有名なところでは死海やアラル海が塩湖にあたります。

塩湖の成り立ちは大きく分けて2つあります。1つは、昔は海だったところが地殻変動で内陸に孤立したもの。もう1つは、出ていく川がないために塩分が濃くなったものです。 ちなみに塩湖から産出する塩を「湖塩(こえん)」と言います。

塩湖の水が干上がると、塩原(えんげん)になります。南米のボリビアにあり、雨季の鏡面写真で有名なウユニ塩湖(下の写真)は、地理学的には「ウユニ塩原」と呼ばれます。

ウユニ塩湖

このかつての塩湖や、塩原が長い年月を経て生成された蒸発岩の一種が、岩塩です。岩塩が「海の化石」と呼ばれることもありますが、長い月日をかけて形成されることが「海の化石」と表現されるゆえんなのです。

岩塩は多くの不純物を含んでいるのでそのままでは食用に適しません。そのため、一般に市販されている岩塩は、いったん岩塩層に水を流し込んで溶解したあと、取り出した塩水を再結晶させる工程を経て製造されています。

きれいなピンク色(薄い鉄さび色)で有名なヒマラヤ山脈産出の岩塩は、世界最高峰のエベレスト(チョモランマ)を有するヒマラヤ山脈がかつては海だったために産出されているのです。