「自然」「風景」を表す四字熟語(その4)さまざまな自然・風景(その3)

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山と山の間にある家の美しい景色。

4000年の歴史を持つ中国には、多くの故事やそれに由来する「四字熟語」がたくさんあります。これは人類の叡智の結晶と言っても過言ではありません。

「自然」「風景」を表す四字熟語もたくさんあります。そこで5回に分けてご紹介したいと思います。

今回は、「さまざまな自然・風景」を表す四字熟語(その3)です。

1.青苔黄葉(せいたいこうよう)

山と山の間にある家の美しい景色。

「青苔」は青い色のこけ。「黄葉」は秋になって、葉の色が黄色に変わった葉のこと。

2.清光素色(せいこうそしょく)

月の澄んだ白い光のこと。夜に月が美しく輝いていることをいう言葉。

「清光」は清らかな光ということから、月の光のこと。「素色」は白い色。

3.清光溶溶(せいこうようよう)

水が広がるように、月の澄んだ光が周囲を照らしている様子。

「清光」は月の澄んだ光。「溶溶」は水がゆっくり流れる様子。

4.青山一髪(せいざんいっぱつ)

はるか遠くに山が見える様子。

遠くに見える山が地平線と一つになって、まるで一本の髪の毛のように見えることからこう表現される。また、水平線を形容することもあります。

5.清絶幽絶(せいぜつゆうぜつ)

人里から離れて暮らし、とても清らかで静かな様子。

「清絶」は非常に清らかなこと。「幽絶」は静かで、人里から遠く離れていること。または、そのような場所のこと。

6.清風明月(せいふうめいげつ)

明るい月夜の静かで清らかな様子。明月と清らかな風の中の静かですがすがしいたたずまいの形容。また、風雅な遊びのこと。

「清風」はさわやかですがすがしい風、「明月」は明るく澄みきった月の意。

7.尺山寸水(せきざんすんすい)

高い山から下を見下ろした眺め、景観のこと。高い山の上から眺めると、普通の山や川が一尺や一寸ほどに小さく見えるという意味。

8.雪月風花(せつげつふうか)

四季折々の自然の美しい景色のこと。また、それを見ながら、詩や歌を作ったりする風流なさまのこと。「風花雪月(ふうかせつげつ)」とも言います。

9.千巌万壑(せんがんばんがく)

険しい岩山と深い谷が続く景色。

「巌」は険しい岩山。「壑」は深い谷。
「千」と「万」は数が非常に多いことを言い表す言葉。

10.千山万水(せんざんばんすい)

たくさんの山や川。山や川が続くこと。深山幽谷の形容。また、旅路の長くけわしいことの形容。

「千」「万」は数の多いことを示す。「山水」は「山河」に同じ。行けども行けども山や川が続くという意味。「万水千山(ばんすいせんざん)」とも言います。

11.千紫万紅(せんしばんこう)

色とりどりの花が咲き乱れているようす。色あざやかなさま。紫や紅などのいろいろな色の花という意味。

12.素波銀濤(そはぎんとう)

白い波。または、白い雲や、白いもやなどのこと。

「素波」は白い波。「銀濤」は大きな波の波頭。
どちらも白い波を言い表す言葉。

13.大壑拐然(たいがくかいぜん)

大きく波打っている様子。または、大きな谷が曲がりくねり、うねっている様子。

「大壑」は大きな谷のこと。または、海のこと。「拐然」は曲がりくねっている様子。

14.黛蓄膏渟(たいちくこうてい)

水面が落ち着いていて静かな様子。

「黛」は眉を書いたり、整えるために使う墨で、青黒い色をいう。「膏」は油。

油で満たされているように静かで、青黒く淀んでいる水面ということから。

15.中秋名月(ちゅうしゅうのめいげつ)

陰暦八月十五日の夜の月のこと。

16.長汀曲浦(ちょうていきょくほ)

長く続くみぎわと曲がりくねった入り江。曲がりくねって続いている海辺。

「汀」はなぎさ・みぎわ、「浦」は浜辺・湾の意。

17.眺望絶佳(ちょうぼうぜっか)

目の前の風景がすばらしい様子。

「眺望」は見晴らしがよいこと。「絶佳」は非常にすばらしいこと。