4000年の歴史を持つ中国には、多くの故事やそれに由来する「四字熟語」がたくさんあります。これは人類の叡智の結晶と言っても過言ではありません。
「天候」「気候」を表す四字熟語もたくさんあります。
1.黒雲白雨(こくうんはくう)
暴風とにわか雨。暴風雨。
「黒風」はちりやほこりを巻き上げる強い風。暴風。「白雨」はにわか雨のこと。
2.雨露霜雪(うろそうせつ)
さまざまな気象の変化のこと。また、人生のさまざまな困難のたとえ。
3.恵風和暢(けいふうわちょう)
心地よい風が吹いて、穏やかでなごやかにすること。
「恵風」は生物を育む恵の風。「和暢」は穏やかでなごやかなこと。または、穏やかでなごやかにすること。
4.十風五雨(じゅうふうごう)
十日に一度風が吹き、五日に一度雨が降る。農業に最適な気候のこと。農作物の生育にとって順調な天候のこと。また、万事、平穏なこと。
なお、類義語の「五風十雨(ごふうじゅうう)」も、世の中が平穏無事であるたとえです。気候が穏やかで順調なことで、豊作の兆しとされる。五日ごとに風が吹き、十日ごとに雨が降る意から。
5.天高気清(てんこうきせい)
秋の空が高く、すっきりと晴れ渡っていて、空気がさっぱりとしていること。
「天高」は秋の空が晴れ渡っていて高いこと。「気清」はさっぱりとしていて心地よい空気のこと。
「天高く気清し」と訓読します。
6.薄暮冥冥(はくぼめいめい)
夕暮れどきのうす暗いさま。
「薄暮」は夕暮れ、たそがれどき。「薄」は迫る、近づく意。「暮」は日暮れ。夕方。「冥冥」は暗いさま。暗くて見分けにくいさま。
7.飛雪千里(ひせつせんり)
非常に激しく吹雪く様子のこと。雪が千里先まで飛んでいくという意味から。
8.風雨凄凄(ふううせいせい)
風や雨が激しく、酷く冷たくて寒い様子。または、乱世のこと。
「風雨」は風と雨が激しいという意味から嵐のこと。
「淒淒」は冷たくて寒い様子のことで、乱世のたとえとして用いることもあります。
9.碧落一洗(へきらくいっせん)
雨が降ったあとに、空がきれいに晴れ渡ること。
「碧落」は綺麗に晴れ渡った空。「一洗」はすっきりと洗い流すこと。
10.霹靂一声(へきれきいっせい)
急に雷鳴が轟き渡ること。または、前触れもなくいきなり大きな声で怒鳴ること。
「霹靂」は前触れもなく急に雷鳴が轟くこと。「一声」は音が一度鳴ること。
11.暮色蒼然(ぼしょくそうぜん)
夕暮れどきの、徐々にあたりが薄暗くなっていく様子。
「暮色」は夕暮れどきの薄暗い景色の意。「蒼然」は日暮れどきの薄暗さの意。
「蒼然暮色(そうぜんぼしょく)」とも言います。
12.涼風一陣(りょうふういちじん)
涼しい風が吹き抜けること。
「涼風」はさわやかで涼しい風。「一陣」は雨や風がひとしきり吹き抜けること。