『古事記』に登場する日本の神々の系譜(その3)ヒノカグツチ殺害で生まれた神々

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神生み神話

前に「ギリシャ神話・ローマ神話が西洋文明に及ぼした大きな影響」という記事や、ギリシャ神話に登場する「オリュンポス12神」やその他の男神女神を紹介する記事を書きましたが、日本人としては日本神話である『古事記』や『日本書紀』に登場する神々についても知っておきたいものです。

なお、『古事記』や『日本書紀』については、「古事記は日本最古の歴史書で神話・伝説も多い。日本書紀は海外向け公式歴史書」「古事記の天地開闢神話をわかりやすく紹介!ただし荒唐無稽で矛盾も多い!」という記事も書いていますので、ぜひご覧ください。

今回はヒノカグツチ殺害で生まれた神々について、わかりやすくご紹介したいと思います。

1.ヒノカグツチとは

「ヒノカグツチ」(カグツチ)とは、記紀神話における火の神です。『古事記』では、火之夜藝速男神(ひのやぎはやをのかみ)・火之炫毘古神(ひのかがびこのかみ)・火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ;加具土命)と表記されます。また、『日本書紀』では、軻遇突智(かぐつち)、火産霊(ほむすび)と表記されます。

ヒノカグツチは、「神生み」(神産み)においてイザナギとイザナミとの間に生まれた神です。火の神であったために、出産時にイザナミの陰部に火傷ができ、これがもとでイザナミは死んでしまいます。

その後、怒ったイザナギに十拳剣「天之尾羽張(アメノオハバリ)」で首を落とされ殺されました。

2.ヒノカグツチ殺害で生まれた神々

『古事記』によれば、ヒノカグツチの血から、以下の神々が生まれました。

  1. 石折神(いはさくのかみ)
  2. 根折神(ねさくのかみ)
  3. 石筒之男神(いはつつのをのかみ)
    以上三柱の神は、十拳剣の先端からの血が岩石に落ちて生成された神々です。
  4. 甕速日神(みかはやひのかみ)
  5. 樋速日神(ひはやひのかみ)
  6. 建御雷之男神(たけみかづちのをのかみ)
    別名は、建布都神(たけふつのかみ)
    別名は、豊布都神(とよふつのかみ)
    以上三柱の神は、十拳剣の刀身の根本からの血が岩石に落ちて生成された神々です。
  7. 闇淤加美神(くらおかみのかみ)
  8. 闇御津羽神(くらみつはのかみ)
    以上二柱の神は、十拳剣のからの血より生成された神々です。

また、ヒノカグツチの死体から、以下の神々が生まれました。

  1. 正鹿山津見神(まさかやまつみのかみ、ヒノカグツチのから生まれる)
  2. 淤縢山津見神(おどやまつみのかみ、ヒノカグツチのから生まれる)
  3. 奥山津見神(おくやまつみのかみ、ヒノカグツチのから生まれる)
  4. 闇山津見神(くらやまつみのかみ、ヒノカグツチの性器から生まれる)
  5. 志藝山津見神(しぎやまつみのかみ、ヒノカグツチの左手から生まれる)
  6. 羽山津見神(はやまつみのかみ、ヒノカグツチの右手から生まれる)
  7. 原山津見神(はらやまつみのかみ、ヒノカグツチの左足から生まれる)
  8. 戸山津見神(とやまつみのかみ、ヒノカグツチの右足から生まれる)