前に「ギリシャ神話・ローマ神話が西洋文明に及ぼした大きな影響」という記事や、ギリシャ神話に登場する「オリュンポス12神」やその他の男神や女神を紹介する記事を書きましたが、日本人としては日本神話である『古事記』や『日本書紀』に登場する神々についても知っておきたいものです。
なお、『古事記』や『日本書紀』については、「古事記は日本最古の歴史書で神話・伝説も多い。日本書紀は海外向け公式歴史書」「古事記の天地開闢神話をわかりやすく紹介!ただし荒唐無稽で矛盾も多い!」という記事も書いていますので、ぜひご覧ください。
今回はヒノカグツチ殺害で生まれた神々について、わかりやすくご紹介したいと思います。
1.ヒノカグツチとは
「ヒノカグツチ」(カグツチ)とは、記紀神話における火の神です。『古事記』では、火之夜藝速男神(ひのやぎはやをのかみ)・火之炫毘古神(ひのかがびこのかみ)・火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ;加具土命)と表記されます。また、『日本書紀』では、軻遇突智(かぐつち)、火産霊(ほむすび)と表記されます。
ヒノカグツチは、「神生み」(神産み)においてイザナギとイザナミとの間に生まれた神です。火の神であったために、出産時にイザナミの陰部に火傷ができ、これがもとでイザナミは死んでしまいます。
その後、怒ったイザナギに十拳剣「天之尾羽張(アメノオハバリ)」で首を落とされ殺されました。
2.ヒノカグツチ殺害で生まれた神々
『古事記』によれば、ヒノカグツチの血から、以下の神々が生まれました。
- 石折神(いはさくのかみ)
- 根折神(ねさくのかみ)
- 石筒之男神(いはつつのをのかみ)
- 以上三柱の神は、十拳剣の先端からの血が岩石に落ちて生成された神々です。
- 甕速日神(みかはやひのかみ)
- 樋速日神(ひはやひのかみ)
- 建御雷之男神(たけみかづちのをのかみ)
- 別名は、建布都神(たけふつのかみ)
- 別名は、豊布都神(とよふつのかみ)
- 以上三柱の神は、十拳剣の刀身の根本からの血が岩石に落ちて生成された神々です。
- 闇淤加美神(くらおかみのかみ)
- 闇御津羽神(くらみつはのかみ)
- 以上二柱の神は、十拳剣の柄からの血より生成された神々です。
また、ヒノカグツチの死体から、以下の神々が生まれました。
- 正鹿山津見神(まさかやまつみのかみ、ヒノカグツチの頭から生まれる)
- 淤縢山津見神(おどやまつみのかみ、ヒノカグツチの胸から生まれる)
- 奥山津見神(おくやまつみのかみ、ヒノカグツチの腹から生まれる)
- 闇山津見神(くらやまつみのかみ、ヒノカグツチの性器から生まれる)
- 志藝山津見神(しぎやまつみのかみ、ヒノカグツチの左手から生まれる)
- 羽山津見神(はやまつみのかみ、ヒノカグツチの右手から生まれる)
- 原山津見神(はらやまつみのかみ、ヒノカグツチの左足から生まれる)
- 戸山津見神(とやまつみのかみ、ヒノカグツチの右足から生まれる)