ウクライナ支援を抑制し、日本政府はインフレに苦しむ国民救済を優先すべき!

フォローする



ゼレンスキー大統領とプーチン大統領

<2024/5/21追記>ゼレンスキー大統領は5月20日で任期切れ

ウクライナのゼレンスキー大統領は、今年5月20日で5年の大統領任期が切れました。

しかし、戦争中で戒厳令下にあることを理由に大統領選挙を延期したままです。ロシアのプーチン大統領は、戦争中にもかかわらず大統領選挙(事前に反政府勢力の候補者が失格になるなど、不正な選挙の可能性は大きいですが)を実施しました。

今のウクライナは政府高官の汚職が蔓延し、経済も破綻状態です。前軍総司令官など政府高官の解任も相次いでいます。国民の支持率も大統領より前軍総司令官のほうが高くなっています。

まず、ゼレンスキー大統領は早急に大統領選挙を実施し、国民に信を問うべきです。今のままでは停戦交渉の当事者としての正統性も疑わしくなります。

「大統領交代によるロシアとの停戦交渉開始」を望んでいるのは、一般国民のほか前線の兵士も同様だと 思います。

「領土奪還までいつまでも戦争を継続する」というゼレンスキー大統領の方針は、無謀と言わざるを得ません。巨額の税金を使って支援している日本や欧米各国もそう思っていると思います。

アメリカ大統領選挙でトランプ氏が勝利しない限り、事態が打開できないかもしれません。

<2024/2/18追記>明日「「日ウクライナ経済復興推進会議」開催

日ウクライナ両政府は2月19日、都内で「日ウクライナ経済復興推進会議」を開きます。両国の政府機関のほか、日本企業がおよそ80社、ウクライナ側で50社程度の企業が参加します。

日本は地雷対策などの復旧支援と、将来の復興を見据えたインフラ整備を官民で進める姿勢を示すそうです。

会議は両政府と経団連、日本貿易振興機構(ジェトロ)の共催で、岸田文雄首相が講演しウクライナ支援の方針を説明するそうです。

しかし、くれぐれも岸田首相が前のめりにならないように望みたいものです。

ウクライナ国内では、2年も続く戦争に対し、徴兵逃れが多発し厭戦気分も高まっているようです。

ゼレンスキー大統領のライバルであり、2014年からキーウ市長を務めるクリチコ氏は、2023年12月にドイツ週刊誌「シュピーゲル」およびスイス日刊紙「20ミヌーテン」のインタビューにそれぞれ応じて次のように公開批判しています。

「ゼレンスキー大統領は徐々に独裁的に変化している」「市長と州知事の独立性だけがウクライナの独裁国化を食い止めている」「ゼレンスキー大統領は彼が犯した失敗に対する代償を支払うことになる。結局、失脚するだろう」

ウクライナがロシアに勝利すれば、ロシアからの賠償金でウクライナの復興を図ればよいわけです。もしウクライナがロシアに敗北すれば、ロシアが破壊し尽くして属国(またはロシア領)としたウクライナをロシアが自国の負担で復旧すればよいだけの話で、日本などが手を貸す余地はないはずです。

ウクライナには、国土の3分の1にわたって世界最多の数百万個の地雷が埋設されており、この地雷の完全除去には750年もかかるという試算もあるそうです。

このような気の遠くなるような復旧・復興作業は百年以上かかっても戦争当事者であるロシアとウクライナ両国が自らのお金と責任で地道にやればよいだけの話です。

前に「ロシアによるウクライナ侵略はいつまで続く?終結までのシナリオとは?」「ウクライナ疲れ・ゼレンスキー疲れ・支援疲れがウクライナ政府高官汚職で加速か?」「岸田首相はウクライナ支援に前のめり過ぎ!日本の国力と国益を考えた自制をが必要。」という記事を書きました。

ところで、今の岸田政権を見ていると「ウクライナ支援一辺倒」で、あたかもウクライナのゼレンスキー大統領を英雄扱い」しているように見えます。

ゼレンスキー大統領が日本の国会でオンライン演説したのを見ても、与野党挙げてゼレンスキー大統領礼賛」をしているようです。果たしてこれでよいのでしょうか?

このまま日本がNATOの信託基金への拠出を含む直接・間接のウクライナ支援を続けていくと、NATOやアメリカと共に、いつの間にか出口の見えない泥沼化したベトナム戦争のようになり最悪の場合は日本も巻き込まれて事実上の「第三次世界大戦」にのめり込んでいくような懸念を抱きます。

また、ウクライナがこの戦争でロシアに敗れて、全土がロシア領に組み込まれる可能性もある中、日本が巨額のウクライナ支援を継続するのは、巨額の税金をどぶに捨てることにならないか心配です。

日本国内にも、支援を必要とする人々がたくさんいます最近の急激な物価上昇は、賃金や年金の上昇を伴わない悪性インフレです。

多くの日本国民が将来への不安を抱えています。昔の旦那衆のように、海外への支援を気前よく派手に続けている場合ではないと私は思います。

ここで今一度、立ち止まってウクライナ支援を考え直す必要があるのではないでしょうか?

1.マスコミも「ウクライナ支援一辺倒」

意見表明しないテレビの報道は、ロシアの攻撃によるウクライナ側の死傷者数や建物被害や、ウクライナの反転攻勢によるロシア側の死傷者数などの損害といった戦争の表面的な状況を伝えるだけです。

意見表明する新聞はどうでしょうか?総じて「「ウクライナ支援一辺倒」のように見えます。

たとえば日本経済新聞は、社説(10月5日付け日経電子版)で「ウクライナ支援を途切らせてはならない」と主張しています。

ロシア軍の侵攻に苦しむウクライナへの支援が試練のときを迎えている。将来の国際秩序を左右しかねない重要な局面だ。支援する側の覚悟と知恵が問われる。

最大の支援国である米国では、9月末に成立したつなぎ予算からウクライナ支援分が除外された。野党・共和党の強硬派が反対したためだ。このままではあと2カ月程度で支援が途絶えるという。

バイデン政権はウクライナ支援を盛り込んだ予算案を今後議会に提出する予定だ。ただ支援に前向きな下院議長が解任されるなど議会の見通しは不透明感が強い。

西側諸国を分断し、支援を細らせるのはロシアのプーチン大統領が描くシナリオだ。ウクライナのゼレンスキー大統領も「支援を得られなければ戦争に負ける」と訴えている。その通りだろう。

そうなれば「法の支配」の原則が崩れ、「力による現状変更」が世界中で起きかねない。米国は揺らいでいる場合ではない。早期に妥協点を見いだしてほしい。

欧州でも支援疲れから足並みの乱れが出ている。9月30日のスロバキア議会選では、ウクライナへの軍事支援の停止を訴える野党が第1党を獲得した。ポーランドは穀物輸送を巡ってウクライナとの対立が表面化し、ハンガリーも支援に慎重な立場だ。いずれも今後を注視する必要がある。

そんななかウクライナが加盟を目指す欧州連合(EU)は10月2日、域外で初めてとなる外相会合をキーウ(キエフ)で開いた。一部は代理出席となったが、戦時下の首都に各国外相が集結し、ウクライナとの連帯とロシアに屈しない姿勢を打ち出した意味は重い。

ウクライナ側も取り組むべき課題は多い。継続的な支援と将来的なEU加盟を実現するには汚職をなくし、支援金などの使途を透明化することが不可欠だ。

同国では軍幹部や政府高官が解任されるケースが相次いでいるが、汚職対策が動き出した結果ともいえる。ゼレンスキー氏は対ロシア戦に加えて、国内では汚職をなくすという難しいかじ取りが求められるが、避けては通れない。

バイデン米大統領は3日、岸田文雄首相ら西側首脳との電話会談を主導し、ウクライナ支援の重要性を確認した。折に触れ意見交換する意義は大きいが、ウクライナの改革を後押しするためにも長期的な視野に立った継続的な支援態勢をつくることも急務だ。

2.ウクライナ支援疲れ・ゼレンスキー疲れの加速

ポーランド、スロヴァキア、アメリカなどの協力国は近く選挙シーズンを迎えます。これが、さらに情勢を不透明にしています。ウクライナへの軍事支援をわきに置いて、国内問題を最優先にする候補者も出てきています。

(1)ポーランド

ウクライナ産の穀物をめぐり、最も忠実にウクライナを支えてきたポーランドと仲たがいしました。

ロシアの海上封鎖を受けるウクライナは現在、陸路で穀物を輸出せざるを得ませんが、ポーランドは自国の農業を守るために安価なウクライナ農産物の輸入を禁止しました。これを受けてゼレンスキー大統領は間接的に、ポーランドが「ロシアを助けている」と非難したのです。

ポーランドではこれに大勢の国民が立腹しました。アンジェイ・ドゥダ大統領はウクライナを、「こちらを引きずり込んで一緒に沈みかねない、おぼれている人間」にたとえました。

(2)アメリカ

ゼレンスキー大統領はホワイトハウスから、3億2500万ドル(約481億円)の追加軍事支援を確保しました。しかし、望んでいた240億ドルの大規模支援には及びませんでした。その大規模支援の案は、米連邦予算をめぐる連邦議会での対立に巻き込まれて膠着状態です。

ワシントンでゼレンスキー大統領は、バイデン大統領だけでなく、野党・共和党の幹部たちとも会談しました。共和党内では、ウクライナ支援継続の意義を疑う懐疑的な声(「どうしてウクライナにいつまでも、白紙委任でなんでも渡すのか?」「勝利とは何を意味するのか?」など)が高まっており、共和党幹部はそれを抑え込むのに苦労しています。

米国からウクライナへの軍事支援は、ロシアがウクライナ侵攻を開始した2022年2月以降、計430億ドル(約6兆3500億円)を超えています。米FOXニュースの8月の世論調査によると、ウクライナ支援を「増やすべきだ」との回答は21%で、「減らすべきだ」との回答が36%と上回りました。特に共和党の支持層では56%にのぼり、「支援疲れ」が顕著です。

 背景には共和党のトランプ前大統領が掲げる「米国第一」主義があり、同氏は国内政策を優先するべきだと主張しています。これに同調する強硬派議員たちはウクライナ支援に反対するなどし、米政府の新会計年度が10月1日に迫るものの予算が編成できない状況となりました。

マッカーシー氏ら主流派が暫定予算でしのごうとしましたが、共和党強硬派の猛反発を受けてうまくいかず、マッカーシー氏は下院議長を解任されました。

最近の世論調査では、55%の国民が追加支援に反対しています。来年秋の大統領選挙に向けて、同党の候補の座を狙うトランプ氏はウクライナ支援に熱心ではありません。もし彼が大統領に返り咲くようなことになれば、ウクライナへの支援は格段に弱まると考えられます。

そうなれば他の国々も「右にならえ」になりかねません。ゼレンスキー大統領が恐れるのはその点です。そうならないように、彼は国連総会に出席し、支援の持続を強く要請しました。

同時に、欧米とは一線を画し親露的なスタンスを取るグローバルサウスの首脳たちと会い、彼らの理解と協力を引き出そうとしました。

(3)NATO諸国

終わりが見通せない戦況に、NATО加盟国もそうでない国々も倦んで来ています。コロナ禍の影響もあってどの国も景気がよくありません。また、ロシア侵攻後、エネルギー価格は高騰し、それが深刻なインフレを引き起こしています。

一方、世界の穀倉地帯といわれるウクライナの農産物はロシアの妨害によって円滑に輸出出来ない状況が続いています。

その影響でアフリカでは食糧危機が深刻化しつつあり、どの国も国民の不満が募っています。そうした状況の中で「ウクライナより国内に資金を回さないと経済が立ち行かないじゃないか」という声が徐々に強まりつつあります。

3.ゼレンスキー大統領による「支援継続要請」の殺し文句

ゼレンスキー大統領は10月5日、欧州各国によるウクライナ支援が揺らいだ場合、ロシアは5年以内に軍事力を増強し、他国を攻撃する可能性があると警告しました。スペインのグラナダで開催された40カ国以上から成る協力促進フォーラム「欧州政治共同体(EPC)」の首脳会議で述べたものです。

ゼレンスキー大統領は、米議会における共和党内の内紛がウクライナ支援に支障を来すことが懸念される中、欧米による継続的な支援を確信していると表明。ウクライナに追加的な軍事支援を行うことで、欧州諸国は「ロシアが欧州のいずれかの国を攻撃するような事態を防ぐことができると述べました。

その上で、「他国の領土にロシアやその軍隊、あるいは代理人が存在することは、われわれ全員にとっての脅威だ。協力してロシアを他国の領土から追い出さなければならない」としました。

4.各国のウクライナ支援金額

ドイツの調査研究機関「キール世界経済研究所」(以下、「キール研究所」)は、先進7か国(G7)や欧州など37か国と欧州連合(EU)を対象に、侵攻開始1か月前の1月24日から6月7日までに表明された軍事・財政・人道分野の支援額を集計、比較しました。

各国の支援総額は783億ユーロ(約11兆円)に上り、国別では米国が427億ユーロ(55%)、英国48億ユーロ(6%)、ドイツ33億ユーロ(4%)などと続きました。日本は6億ユーロ(0.7%)で7位でした。

米国は射程の長い 榴弾砲や、高機動ロケット砲システム(HIMARS)など最新兵器の支援を次々と表明しています。軍事物資購入に充てる資金援助を含めた軍事分野の支援額(240億ユーロ=約3.4兆円)は、日本の今年度防衛予算(5.4兆円)の半分を超えます。

しかし、兵器・弾薬支援の遅れも目立っています。キール研究所が公開情報を分析したところ、ウクライナに実際に届いた米国の兵器・弾薬は、約束した分の48%(金額ベース)にすぎず、ドイツはさらに低い35%でした。37か国全体でも69%にとどまっています。

また、ウクライナ政府に対する財政支援は総額309億ユーロが約束されたものの、支払われたのは2割弱でした。軍事侵攻の長期化はウクライナ財政を圧迫しており、国際通貨基金(IMF)は、兵士の給与や年金の支払いで毎月50億ユーロの外部資金が必要だと指摘します。支援がさらに遅れれば、政府機能がマヒしかねません。

国内総生産(GDP)比でみると、支援額では13位(2億ユーロ)のエストニアが0.87%と最も高く、ロシアと地理的に近い東欧、バルト諸国が上位を占めました。特にポーランドは、支援額が米英独に続く4位(GDP比では3位)で、ウクライナから多くの難民も受け入れており、貢献が際立っています。

対照的に独仏伊は対GDP比では0.1%未満と低くなっています。EUと加盟27か国の支援額を合わせても、米国の7割に届きません。キール研究所は「米国の支援が、激しい戦闘が間近で起きているEU加盟国の総額を上回るのは驚くべきことだ」と指摘しています。

ウクライナ侵攻以来、世界のエネルギー、食糧価格の高騰が各国の財政を直撃する中、支援をいつまで続けられるかも議論され始めました。

5.今後日本が取るべき方策

基本的には、アメリカの支援姿勢を注視しつつ、過度で歯止めの利かないウクライナ支援はやるべきではないと私は思います。

しかし、岸田政権は「ウクライナ支援に前のめり」の姿勢を変えていないようです。

日本政府はウクライナの復興支援を強化しようと、2024年に日本で開く会議に向け、5日の準備会合で、ウクライナのニーズを踏まえた効果的な支援策を打ち出すため企業などとも連携し検討作業を進めていくことを確認しました。

政府はロシアによる侵攻が続くウクライナへの支援を強化しようと現地から政府関係者も招いて来年、日本で「日ウクライナ経済復興推進会議」を開く予定です。

5日は総理大臣官邸で準備会合が開かれ、関係省庁の担当者らが今後の対応を協議しました。

この中では、ウクライナのニーズを踏まえた効果的な支援策を打ち出すため企業や経済団体とも連携しながら検討作業を進めていくことを確認しました。

また、現地への進出を検討する企業が関係当局などとの交渉を円滑に進められるようサポートしていくことなども申し合わせました。

準備会合の議長を務める村井官房副長官は、来年の会議について「ウクライナの復旧・復興を日本ならではの視点で官民を挙げて力強く後押しする重要な機会になる。政府一体となって取り組んでほしい」と述べました。