自民党総裁候補の高市早苗氏はどんな人物?政策や主張は?安倍前首相の代弁者

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高市早苗

1.高市早苗氏とは

60歳の高市早苗(たかいち さなえ)氏(1961年~ )は、神戸大学経営学部卒の衆議院議員(8期)です。

総務大臣(第18代-第19代・第23代)、内閣府特命担当大臣(マイナンバー制度担当)、衆議院議院運営委員長、自民党政務調査会長(第55代)、内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策、科学技術政策、少子化・男女共同参画、食品安全、イノベーション担当)を務めました。

2.政策や主張

(1)国家観

①国の究極の使命は「国民の生命と財産」「国土と資源」「国家の主権(独立統治権)と名誉」を挙げています。

②日本国民に日本国旗を尊重させることを義務付け、違反者を処罰できる規定が必要であると主張しています。(現状でも外国の国旗を侮辱すると外国国章損壊罪で処罰対象となりえます)

(2)憲法改正に賛成

①憲法改正を志向し、「今を生きる日本人と次世代への責任を果たす為に、時代のニーズに応えられる『新しい日本国憲法』の制定を目指す」と表明しています。

改正内容は、「緊急事態条項」「戦争放棄と自衛隊」「その他」と2017年に表明しています。

②日本国憲法について、第二次世界大戦で日本が降伏したのち連合国に占領されていた時期に同憲法が制定されていることを根拠として、「すべて見直すべきだ」としています。

③憲法によって国家権力が制限されること(立憲主義)に関して、「議員立法作業に取り組むたびに日本国憲法による制約に苦しんできた」と語り、憲法改正の必要性を訴えています。

(3)女系天皇に反対

①女系天皇へ反対しています。皇位継承問題に関して、「万世一系という2千年以上の伝統は、天皇陛下の『権威と正統性』の源だ」として、旧皇族の男系男子を皇籍に復帰させることや養子縁組を行わせることによって男系天皇を維持すべきだと2021年に主張しています。

②「『女性天皇』には反対しないが、『女系天皇』を容認すると、将来的に天皇陛下直系の祖先は女系も男系も両方民間人になる可能性がある」「正確に受け継がれてきた初代天皇のY1染色体は途絶する」などと2006年に主張しています。

(4)福祉の削減

①富の再分配の削減

富の再分配を削減すべきと主張しています。「『行き過ぎた結果平等』を廃し、『機会平等』を保障するべきだ。『(富裕層への)嫉妬に立脚した法制度』が増え過ぎると、優れた人材も企業も育たない。むしろ、『リスクをとって努力した者が報われる環境作り』『出る杭を伸ばす発想への転換』こそが、可処分所得を増やし、人材流出や産業空洞化を防ぐ鍵だと確信する。」などと表明しています。

②社会保障の削減

社会保障を削減すべきと主張しています。「『過度の依存心を煽る政策』を廃するとともに、『福祉制度の不正利用』を防止する。将来を見据えて、「給付と負担のバランス」についても、責任をもって率直な議論を行うべきだ。 日本人の矜持である「自立と勤勉の倫理」を取り戻し、法制度の内容や執行の 『公正性』を担保し、『正直者が報われる社会』を構築する為に闘う。」などと表明しています。

③社会保障の不正受給を糾弾

社会福祉の不正受給を厳しく批判しており、「『さもしい顔して貰えるものは貰おう』とか『弱者のフリをして少しでも得しよう』、そんな国民ばかりでは日本国は滅びてしまう。(中略)多くの方が真面目に働く、人様にご迷惑をかけない、自立の心を持つ、そして秩序のある社会をつくる。それによって日本がどんどん成長していく。まあ、本当に気の毒な方々のためにも頑張っていける、力強い国をつくれる。(中略)もう一度みなさんと力を合わせて、また安倍総理(当時)に頑張っていただいて、日本を『奴ら』から取り戻しましょう」と、2012年に創生「日本」の研修会で演説したとされています。

(5)経済・雇用

①ニュー・アベノミクス(サナエノミクス)

自身の経済政策を『ニュー・アベノミクス』『サナエノミクス』と呼び、第1の矢を「大胆な金融緩和」、第2の矢を「緊急時に限定した機動的な財政出動」、第3の矢が「大胆な危機管理投資・成長投資」としています。

②国債発行に賛成

国債の発行には賛成し、「必要な経費の重要な財源として活用するべきもの」としています。

③TPPに反対の立場

日本のTPP参加には反対の立場をとりました。2013年3月9日、栃木県宇都宮市で講演し、TPPに関し、「現段階では国内への影響が不明確な点、6項目(国民皆保険を守る、食の安全基準を守る等)が満たされない限り、交渉が妥結しても党として批准は困難」と述べています。

④国会議員の一定数を女性に割り当てる「クオータ制」の導入に反対

国会議員の一定数を女性に割り当てる「クオータ制」の導入に反対しました。「機会の平等が民主主義の根幹である」とし、「無理やり法律でゲタを履かせるのではなく、有権者が最も代表にふさわしいと思う人が選ばれるべきだ」と述べています。

(6)税制

①企業増税や金融所得への増税に賛成

企業への増税を提唱している。内部留保よりも現金預金への増税を検討し、「法人企業の現金預金に対して1%の課税を行えば税収が2兆円増える。資本金1億円以下の企業を除外しても1兆円増える」という試算を述べています。

金融所得(利子や配当、株式取引などによる所得)への増税を提唱している。「50万円以上の金融所得の税率を現状の20%から30%に引き上げると、約3,000億円の税収増になる」という試算を述べています。

②累進課税の廃止

所得税率の累進課税を廃して一律10%程度に設定し、さらに課税最低限を引き下げて「勤労インセンティブ」を促すことを提唱しています。

一方で低所得者には勤労所得税額控除である「給付付き税額控除」として還付金を給付することで、「所得税収総額は減らさずに、各人が努力しただけ報われる税制」を提唱しています。

③育児・介護・看護の支援

育児や介護・看護の支援策として、ベビーシッターや家事支援サービスを国家資格化して利用代金を税額控除することを提唱しています。

(7)エネルギー

①原子力発電の推進

地下式原子力発電所政策推進議員連盟に所属し、地下式原子力発電所の検討を行っています。

(8)教育

①教育基本法改正を高く評価

第1次安倍内閣による教育基本法の改正を高く評価している。同改正により「道徳心」「自主及び自律の精神」や「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する」などの条文を明記したことを評価しています。

②教育方針

教育方針については、「基礎学力と体力の向上とともに、公徳心・生命観・勤労観・愛国心・愛郷心を育む」とし、「改正教育基本法の崇高な理念が完全に実行される日まで、教育改革への挑戦を続ける」と表明しています。

③実学重視

実学重視の教育経路を多様化することを目指し、高等専門学校や専門高校の拡充や、実業志向の大学への編入拡大などの進学経路を増やすことを提唱しています。

④プログラミング教育の推進

プログラミング教育を推進しており、2020年には義務教育課程への導入を達成した。さらに「AI教育」の導入を提唱しています。

⑤生涯学習

社会人が大学や大学院に入学する「リカレント教育」および、働きながら教育を受け続ける「持続教育」を拡充することを提唱しています。

(9)外交・安全保障

①日本の核武装に反対

日本の核武装については、「将来にわたって検討すべきでない」「非核三原則を堅持すべきだ」と表明しています。

②敵基地への先制攻撃を重視

戦争では「敵国の基地を先制攻撃することが重要」だと述べています。

これはミサイルなどの直接な攻撃に限らず、強力な電磁波などのサイバー攻撃によって装備を無力化することを含むとしています。

これについて法整備することや、「情報通信省」「サイバーセキュリティ庁」を新設することを提唱しています。

③日米地位協定の見直し論に反対

在日米軍による犯罪をめぐって提起される日米地位協定の見直し論については、「困難な状況が予想される」と慎重です。

④自衛隊法改正

自衛隊が在外日本人の避難を、世界で警護することを認めるための自衛隊法改正を主張し、法案を提出しています。

(10)歴史観

①村山談話を批判

第二次世界大戦に関して、日本政府は公的な見解として「大日本帝国がアジア諸国へ侵略したことを謝罪する」という内閣総理大臣の談話(村山談話)を踏襲しています。これに高市は否定的であり、「村山談話を変更すべき」などと述べています。

②従軍慰安婦問題と河野談話を批判

大日本帝国の従軍慰安婦に関して、日本政府は公的な見解として「大日本帝国および旧日本軍の関与により、朝鮮半島の女性たちを強制連行して尊厳を傷つけたことを謝罪する」という内閣官房長官の談話(河野談話)を表明しています。これに高市氏は否定的であり、「事実に基づく新たな談話を発出するべきだ」などと主張しています。

③徴用工問題を批判

大日本帝国が朝鮮半島の住民を日本へ強制連行したとする見解を否定し、「同じ日本国民としての戦時徴用と呼ぶべきだ」と主張しています。

④靖国参拝

靖国神社への参拝を継続しています。もし自民党総裁や内閣総理大臣に就任した場合でも参拝すると表明しています。

同時に、国立追悼施設(靖国神社問題を避けるための政治色・宗教色を排した施設)の設置構想には強く反対しています。

⑤「日独は侵略国」との断罪を批判

日本とドイツとの国交樹立150周年を記念した2011年の国会決議「日独友好決議」について、高市が所属する自民党および日本会議の議員の多くが「日独の両国を『侵略国』と断罪している」「歴史認識を誤認している」ことに反発し、反対や棄権、退席を行っています。

(11)犯罪被害者の個人情報保護

ドメスティックバイオレンス(DV)やストーカー行為の被害者の住所が加害者に知られることがないよう、住民基本台帳の閲覧や住民票交付を通じて本人確認を徹底することなどを改めて求める通知を、2014年9月12日に各地方自治体に出しています。

(12)外国人参政権に反対

(13)表現規制を推進

(14)選択的夫婦別姓制度に反対

(15)同性婚に反対

3.エピソード

①大学の専攻は経営数学

②大学生時代は軽音楽部に所属し、ヘヴィメタルバンドでドラムを担当。

③スキューバダイビングやオートバイが趣味。

高市氏の考え方は、女性議員には珍しく非常に保守的で、安倍前首相の考え方に非常に近く、「安倍前首相の代弁者・影武者」のようで、アベノミクスをはじめ安倍前首相の路線を引き継ぐものと言えます。

保守的な思想が明確なため「自民党タカ派」に人気があることに加え、安倍前首相が支持を表明したことで、支持が一気に広がれば「初の女性総理・総裁誕生」となるかもしれません。

ただその場合、安倍前首相の影響力が強い「傀儡政権」となる可能性が高くなります。



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