石油・石炭・天然ガスの違いは?化石燃料の活用で電力需給逼迫を回避すべき!

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火力発電

最近は世界的に「地球温暖化」が問題となり、「脱炭素化」(カーボンニュートラル)や「化石燃料の使用制限」、「再生可能エネルギーの推進」などが叫ばれるようになっています。

いわば「化石燃料=悪者」のような社会風潮があります。

しかし私はそもそも「地球温暖化問題」自体に疑問を持っており、「脱炭素化」(カーボンニュートラル)や「化石燃料の使用制限」、「再生可能エネルギーの推進」が果たして正しいのかを、今一度考え直す必要があると思っています。

ガソリン車から電気自動車への急激な転換」も、大規模停電や豪雪時の道路渋滞解消の長期化につながる恐れがあります。

原子力発電の長期間にわたる稼働停止や、急激な火力発電の抑制は、電力の安定供給に齟齬を来たす要因で、電力需給逼迫が日本で現実問題になる日も近いと思います。

私は、「化石燃料の活用で電力需給逼迫を回避すべき」だと思っています。

2022年2月から続くロシアのウクライナ侵略の結果、欧米各国や日本によるロシアへの経済制裁が行われました。そのため、ロシアからの石油・天然ガス・石炭などの輸入がストップしたり、ロシアの海上封鎖によってウクライナからの海上輸送による穀物輸出がストップしたりしています。

また日銀の「金融緩和継続」と「マイナス金利政策継続」という金融政策の失敗日米金利差が拡大し、「円安」という副作用が起きています。

その影響で食糧価格やエネルギー価格が高騰し、世界各国で物価高に対する国民の不満が鬱積しており、デモの発生など国民の不満が爆発している国もあります。「食糧危機」や「経済安全保障」が現実問題として表面化しているのです。

日本では「円安」による輸入品価格の高騰などで、「賃金上昇なき大幅な物価上昇」も起きています。

ところで、「化石燃料」とはそもそも何でしょうか?石油・石炭・天然ガスの違いは何でしょうか?

1.「化石燃料」とは

世界のエネルギー資源埋蔵量と可採年数

化石燃料」(fossil fuel)とは、地質時代(地球が形成されてから現在までの、約46億年の期間のうち、直近数千年の記録の残っている有史時代<歴史時代>以前のこと)にかけて堆積した動植物などの死骸が地中に堆積し、長い年月をかけて地圧・地熱などにより変成されてできた、化石となった有機物のうち、人間の経済活動で燃料として用いられる(または今後用いられることが検討されている)ものの総称です。

わかりやすく言えば、大昔に存在していた動物や植物が、長い年月をかけて変化してできた燃料のことです。

具体的には、石油や石炭、天然ガスなどが該当し、それぞれ以下のようにして生成されたといわれています。

  • 石油:プランクトンなどが高圧にさらされて変化したもの
  • 石炭:数百万年以上前に存在していた植物が、地中に埋没して炭になったもの
  • 天然ガス:古代に生息していた動植物が、土の中に堆積して作られたもの

現在使われている主なものは、石油、石炭、天然ガスなどです。また近年は「メタンハイドレート」や、「シェールガス」、「LPガス」などの利用も検討され始めています。

私は、「化石燃料の良さは、もっと見直されるべき」だと思っています。

2.石油・石炭・天然ガスとは

(1)石油

石油は、炭化水素を主成分として、ほかに少量の硫黄・酸素・窒素などさまざまな物質を含む液状の油で、鉱物資源の一種です。地下の油田から採掘後、ガス、水分、異物などを大まかに除去した精製前のものを特に原油と言います。

現在は主に化石燃料として、世界中でさまざまな用途で使用されています。現代人類文明を支える重要な鉱物資源です。原油を性質の違いで分留することを精製といいます。

精製する元の原油の種類によって、生産される製品の割合が異なってきます。

近年では、「シェールオイル」や「オイルサンド」などに代表される、非在来型資源と呼ばれる資源が注目を集めています。

シェールオイルは世界中に遍在していて、埋蔵資源量も在来型の石油資源を上回ると見込まれています。

(2)石炭

石炭は、太古(数千万年~数億年前)の植物が完全に腐敗分解する前に地中に埋もれ、そこで地熱や地圧を長期間受けて変質(石炭化)したことにより生成した物質の総称です。

見方を変えれば植物化石でもあります。

化石燃料の一つとして火力発電や製鉄などに使われますが、燃焼時に温暖化ガスである二酸化炭素(CO2)を大量に排出します。このため地球温暖化抑制のため石炭の使用削減が求められている一方で、2021年時点で74億トンの世界需要があり(国際エネルギー機関の推計)、炭鉱の新規開発計画も多くあります。

古代の植物が完全に腐敗分解する前に地熱・地圧を受けて石炭化した物質になります。

石炭は古くから、産業革命以後20世紀初頭まで最重要の燃料として、また化学工業や都市ガスの原料として使われてきました。

石炭は、他の化石燃料である石油や天然ガス等と比べても、燃焼した際の二酸化炭素(CO2)や硫黄酸化物(SOx)などの有害物質の排出量が多くなっています。

石炭は、地球温暖化・大気汚染の主な原因の一つと考えられています。

(3)天然ガス

天然ガスは、メタンを主成分とし、エタンやプロパンなどを含む化石燃料の一種です

気体燃料は天然ガス、石炭系ガス(石炭ガス、水性ガス、発生炉ガス、高炉ガスなど)、石油系ガス(オイルガス)に大別されます。

天然ガスはこれらの中でも代表的な気体燃料で、10~15m3のガスをガソリン捕集装置にかけたとき、1リットル程度のガソリンを採取できるものを湿性ガス(wet gas)、採取できないものを乾性ガス(dry gas)と言います。

天然ガスは広義には、地下に存在するガスや地下から地表に噴出するガス一般を指します。

広義の天然ガスには、マグマを原料とする火山ガスや化石燃料ガス(可燃性ガス)だけでなく、窒素・酸素・炭酸ガス・水蒸気・硫化水素ガス・亜硫酸ガス・硫黄酸化物ガスなどの不燃性ガスも含まれます。

不燃性ガスの多くは火山性ガスです。

一般的には化石燃料ガス(可燃性ガス)を「天然ガス」と呼んでいます。

天然に産する化石燃料としての炭化水素ガスには、メタン・エタンといった軽い炭素化合物やその他の炭素化合物を含んでいます。

天然ガスは、エネルギー源や化学品原料として広く使われています。

天然ガスを燃焼させて、調理・暖房・風呂沸かしなどの熱源として使われています。

日本では都市ガス用として天然ガスが利用されています。

石炭・石油に比べて燃焼させた時に、窒素酸化物・硫黄酸化物などの大気汚染物質や温室効果ガス(二酸化炭素)の排出が少ないので、火力発電所では中心的な燃料になっています。

天然ガスは化学品原料として、メタノール・アンモニア・アセチレンなどの製造に使われています。

日本国内の天然ガス田では、ヨウ素が重要な副産物として採取されています。

石炭と石油のエネルギー効率を紹介します。

石油と呼ばれるものには、原油・製油所ガス・LPG・ガソリン・ナフサ・ジェット燃料油・灯油・軽油・A重油・C重油などがあります。

原油1Lの発熱量は38.28MJ(メガジュール)です。

ガソリン1Lの発熱量は33.37MJです。

灯油1Lの発熱量は36.49MJです。

軽油1Lの発熱量は38.04MJです。

石炭には輸入原料炭や輸入一般炭などがあります。

輸入原料炭1kgの発熱量は28.79MJです。

輸入一般炭1kgの発熱量は25.97MJです。

以上から重量単位当たりの発熱量では石油の効率がよさそうです。

3.その他の化石燃料とは

(1)メタンハイドレート

メタンハイドレートmethane hydrate)とは、低温かつ高圧の条件下でメタン分子が水分子に囲まれた、網状の結晶構造をもつ包接水和物の固体です。

およその比重は0.9 g/cm3であり、堆積物に固着して海底に大量に埋蔵されています。メタンは、石油や石炭に比べ燃焼時の二酸化炭素排出量がおよそ半分であるため、地球温暖化対策としても有効な新エネルギー源であるとされますが、メタンハイドレートは現時点では商業化されていません。

化石燃料の一種であるため、再生可能エネルギーには含まれません。メタン水和物とも言います。

(2)シェールガスとは

シェールガス( shale gas)とは、頁岩(シェール)層から採取される天然ガス(天然気)です。元は太古の海にいたプランクトンや藻などであり、それらが堆積したものが数千万年から数億年という長い時間をかけて変化しガスになったもので、「化石燃料」の一つです。

従来のガス田ではない場所から生産されることから、「非在来型天然ガス資源」と呼ばれます。頁岩気(けつがんき)とも言います。

アメリカ合衆国では1990年代から新しい天然ガス資源として重要視されるようになりました。

(3)シェールオイル

シェールオイル(Shale oil)とは、オイルシェールから熱分解、水素化により生産される合成石油タイトオイルの一つです頁岩油(けつがんゆ)とも言われています。

オイルシェールを摂氏350~550度にし、乾留して得られます。タイトオイルは厳密に分類するとオイルサンドとシェールオイルに分類されます。

(4)オイルサンド

オイルサンド (Oil sand、油砂(ゆさ))あるいはタールサンド(Tar sands)とは、めて粘性の高い鉱物油分を含む砂岩のことです。

原油を含んだ砂岩が地表に露出、もしくは地表付近で地下水などと反応し、揮発成分を失ったものと考えられています。色は黒ずみ、石油臭を放つことが特徴です。

油分が石炭を乾留した時に出るコールタールに似ていることから、初めタールサンドと呼ばれましたが、実際の成分は石油精製から得られるアスファルトに近いものです。

母岩が砂岩ではなく頁岩の場合にはオイルシェール (Oil Shale) と呼ばれます。

(5)LPガス(液化石油ガス)

液化石油ガス(えきかせきゆガス、 liquefied petroleum gasLPガスLPG)は、プロパン・ブタンなどを主成分とし、圧縮することにより常温で容易に液化できるガス燃料(気体状の燃料)の一種です。

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