今年90歳の草笛光子さんの若さの秘訣は何か?

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草笛光子

草笛光子さんと言えば、2007年のNHK朝ドラ「どんど晴れ」での老舗旅館の大女将役や、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」での比企尼役など存在感溢れる演技を見せていました。

どんど晴れ・草笛光子比企尼・草笛光子

健康ステッパー「ナイスデイ」のテレビCMでもおなじみですね。

また、白髪を染めない美しいグレイヘアとともに今年90歳とは思えない溌溂とした若々しさを感じます。

そこで今回は、草笛光子さんのプロフィールと、その若さの秘訣についてご紹介したいと思います。

1.草笛光子とは

草笛光子(くさぶえ みつこ)(1933年10月22日~ )は、神奈川県横浜市出身の女優です。本名は栗田光子(くりた みつこ)出生姓は富田)です。

草琇舎(そうしゅうしゃ)所属。オスカープロモーションと業務提携しています。

4人兄弟の長女として神奈川県横浜市に生まれました。母親は16歳でした。妹(第2子)は女優の富田恵子(1937年~ )で、11歳下の弟(第4子)は占い師(気学師)の富田直幹(とみた なおき)(1944年~ )です。

虚弱傾向を克服するため小学生からバレエを始めました。

神奈川県立横浜平沼高等学校を卒業後、1950年に松竹歌劇団(SKD)に5期生として入団し、淡路恵子、深草笙子と共に「スリーパールズ」を結成。豊かな歌唱力を持ち味としました。

SKD在籍中の1953年、松竹(松竹京都撮影所)から映画『純潔革命』で銀幕デビューも果たしました。

SKDと言えば、今年後期のNHK朝ドラ「ブギウギ」の主人公花田鈴子(芸名:福来スズ子)のモデルで「ブギの女王」と呼ばれた笠置シヅ子(1914年~1985年)も在籍していた歌劇団ですね。

その後1954年にSKDを退団し、1956年からの東宝専属を経て様々な分野で活動します。

特に1958年から放送のテレビ黎明期の音楽バラエティで自らの冠司会番組でもある『光子の窓』(1958年~1960年放送)では、洋窓から顔をのぞかせてテーマ曲を歌うオープニングが注目を集め、人気を博しました。

黒柳徹子の『徹子の部屋』(1976年放送開始で現在まで続いている)はトーク番組ですが、これに通じるものがありますね。

1960年に作曲家の芥川也寸志(1925年~1989年)と結婚しましたが、2年で離婚しました。

華やかな貴婦人からうらぶれた婦人まで多彩な役柄を演じ、『社長シリーズ』をはじめとする東宝喜劇に多数出演しました。

市川崑の監督作品とも縁が深く、金田一耕助シリーズでは『犬神家の一族』(1976年)の犬神梅子役を筆頭にシリーズ全てに出演しました(2006年公開のリメイク版にも出演)。

日本ミュージカル界のパイオニアでもあり、数々の大作に出演(『私はシャーリー・ヴァレンタイン』などで芸術祭賞を3度受賞)しています。

1999年には紫綬褒章、2005年には旭日小綬章、2013年に第48回紀伊國屋演劇賞・個人賞、永年の舞台の功績に対して2014年に第39回菊田一夫演劇賞・特別賞、2020年に毎日芸術賞をそれぞれ受賞しました。

テレビドラマでは石井ふく子プロデュース作品橋田壽賀子脚本作品にたびたび起用されました。

長らくフリーで活動してきましたが、マネージメントを担当していた母親が亡くなったことなどから、2009年にオスカープロモーションと契約しました。

愛犬家としても知られ、自身が飼っている黒のラブラドール・レトリバー「まろ」とともにテレビに出演することもありました。

岸惠子(1932年~ )とは女学校時代からの友人であり、八千草薫(1931年~2019年)や黒柳徹子(1933年~ )とも親交があり、2年前にも『徹子の部屋』に出演していました。

草笛光子・徹子の部屋

2.草笛光子の若さの秘訣

4~5年前にインタビュー番組の「サワコの朝」に彼女が出演した時、私は「美しい銀髪」と「若々しさ」に驚きました。

彼女は「松竹歌劇団(SKD)」出身で、幼いころからバレエをしていたこともあって、毎日の運動を欠かさず、体の柔軟性も保っているそうです。

溌溂としていて、話し方にも気品があって、とても魅力的でした。

シニア女性向け雑誌「ハルメク」のインタビュー記事などによると、彼女の若さの秘訣は次のようなものです。

(1)よく食べて良く体を動かす

「腸内環境」を整えるために毎朝特製野菜ジュース(*)を飲み、サツマイモを1日1本食べているほかは、食事は特に制限しておらず、大好きな果物、肉、米など、好きなものを食べているそうです。(あくまで適量)

(*)特製野菜ジュースとは、以下の食材をミキサーにかけて作るそうです。

人参・キャベツ・小松菜・セロリ・レモン・バナナ・胡麻・きな粉・ヨーグルト

70歳を過ぎて自分の体と向き合ったとき、このままじゃダメだと思ったそうです。以来、週に一度パーソナルトレーナーについてもらい2時間じっくり体を動かしているそうです。もう16年くらい続けているそうです。

最初の頃はストレッチとバランスボールを使った筋肉トレーニングでしたが徐々に運動量を増やしていき、今は8kgのおもりを腰につけてスクワットもしているそうです。

長年の付き合いになるトレーナーから、『草笛さんは、いつも自分の体と対話しているだから病気になってもへこたれない』と言われたそうですが、自分でもそう思っているとのことです。

また朝晩しているマッサージは、本を読んだり、誰かに教わったりしたわけでなく、自分なりに体と向き合って“こうすればいいだろう”と考えた方法だそうです。

他にも自己流で、舌が乾燥しないようにお風呂の中でベロを出す習慣を何年も前から続けているそうです。

これを信頼しているお医者様に話すと、『舌を出して血の巡りをよくすると、耳にも脳にもいい。よく考えましたね』と言われたそうです。

(2)「この先どう老いるか」など悩んでもわからないことは考えない

彼女は逃れられない老いも感じているといいます。

「目はかすむし、耳は遠くなったし、歯はガタガタ。たぶんそうやって体から一つ一つ、あの世へ先に持っていかれるんですね。あれもこれも持っていかれたら、後はみなさんに頼って、私はふわふわ自由に生きたい。

ただ『きれいに生きましょう』という母との約束は最後まで貫きたいです。きれいというのは、見た目の美しさではなく、人を蹴飛ばしたり、汚い生き方をしないということ。

もうちょっとがんばって、私が本当にいい女優になったら、母が『おいで』と言ってくれると思うんです。今はまだダメ。きっと『まだ早いわよ』って、母に言われるでしょうから」と話しています。

(3)パッと逝けるように筋力・体力を鍛える

彼女は「私は、体の細胞が活性化していないと気持ちが悪いの。トレーニングで体を動かすと、血の巡りがよくなるせいか、体じゅうの細胞が活性化してくるのを感じるんです」と話しています。

彼女は毎日3キロウォーキングをしているそうです。

私もストレッチ体操・スクワット散歩サイクリングなどで体を動かすと、血液の巡りが良くなり、頭の働きも良くなることを実感しています。

(4)自分の体とこれからのチャレンジのためにお金を使う

毎週2時間、きつい筋肉トレーニングを続ける精神力と、脚が肩の高さまで上がる柔軟性があり、80代とは思えない若々しい肉体と精神の持ち主である彼女ですが、2年前に背中を骨折(胸椎第11番の圧迫骨折)したことがあったそうです。

何だか痛いなと思ってハリやマッサージに行ったもののよくならないので病院で診てもらったら、『折れています』と言われたそうです。すぐに「コルセットをつけ、3か月の安静」を言い渡されました。

「体は80年以上生きてきて、しかも舞台でいろんな無理をして、以前と同じように丈夫であるはずがありません。『だから体が悲鳴を上げたのだ。それをよく頭に入れて、激しく動くときは気をつけなさい!』と、きつく注意されちゃいました」と話しています。

「特に体幹(体の軸)ね。この年齢で一番怖いのは転ぶこと。転ばないためにも体幹はしっかり鍛え直さないと。筋肉がつくと体が軽くなるし、食欲も湧くし、頭もさえるし、いいことずくめ」と話しています。

何年も変わらず、毎日の一人ストレッチと、週に1回、腰に8kgの重りを巻いてスクワットをするなどの2時間筋トレは続けています。

「負荷を減らすどころか、トレーナーからは『もうちょっと重くしましょうか』と言われます。トレーニングは限界ぎりぎりのところまでやっておくと、いざ舞台に立つとき、余裕を持って臨めます。アスリートみたいでしょ。というかアスリートなの。

でも、自分を痛めつける前にちょっとブレーキをかけるのが、今の私流です」と話しています。

(5)前向きな気持ちを持ち続ける

彼女がSKDに入団したのは1950年で、2020年には芸能生活70周年を迎えました。

「70年やってきた中には、言うに言われぬ、悲しいことも苦しいこともありました。でも私は嫌なことも恨みつらみも、お腹の底に入れちゃうの。知らん顔して、ニヤッと笑ってね。

後ろを見ると悔しさで涙が出ちゃったり、そういうことが嫌だから、絶対に振り向かない。前だけに向かおうと思ってきました」と話しています。

(6)コロナ禍の時のような体を動かせない場合は、読書や考え事をする

「コロナのせいで毎日が日曜日になって、これまで読まなかった本を読めたし、いろんなことをゆっくり考え、大事な人を思う時間もできて、それはよかったと思っています」

「こういうときはこういうときなりの生き方をすれば、得なこともいっぱいあるはずですよね。本をたくさん読めるし、いろいろ考えることもできるでしょう。それに私は、もともと一人でいるのは寂しくないんです」と話しています。

(7)人間わがままが勝ち。そのままの自分で自由に

「自然体ですねって、最近よく言われるけれど、私は普通に生きているだけ」と話しています。

確かに高齢になると、義理やしがらみをできるだけ避けて、自由気ままに生きるのが良いと最近私も思うようになりました。私は昨年「年賀状じまい」をしました。

2021年秋に公開された映画「老後の資金がありません!」があります。老後資金問題や家族の騒動に奮闘する主婦を天海祐希が演じ、彼女は浪費家の姑役で登場しました。

映画の中で印象的だったのが、姑が最後に嫁に告げる「人間わがままに生きた方が勝ちよ」というセリフだそうです。

「いいセリフを言えることは、すごくうれしいこと。私もこれからはわがままに、“そのまんま光子”で生きたい(笑)。

人に迷惑をかけるわがままはだめだけど、そうじゃないわがままは言いたい放題言って、死んだ後に『面白い女優さんだったわね』と言われるくらい、好きなことをのびのびやりたい。その境地にきています。80代って自由で面白いわよ」と話しています。

3.草笛光子の懐かしい写真

草笛光子・61歳

<1994年 61歳>

草笛光子・1985年

<1985年 52歳>

草笛光子・1979年

<1979年 46歳>

草笛光子・42歳

<1975年 42歳>

草笛光子・1966年

<1966年 33歳>

草笛光子・29歳

<1962年 29歳>

草笛光子・20代

草笛光子20代

<草笛光子 20代>

草笛光子・21歳

<1954年 21歳>

草笛光子・21歳

<1953年 20歳>

草笛光子・19歳

<1952年 19歳>(左から草笛光子・深草笙子・淡路恵子)

草笛光子・10代

<草笛光子 10代>