<2023/12/8追記>高木優奈が「JLPGA新人戦 加賀電子カップ」で完全優勝!
「グレートアイランド倶楽部 (千葉)」(6582yd、パー72)で行われた「JLPGA新人戦 加賀電子カップ」で、高木優奈が初日から首位を守る完全優勝をあげました。
「とにかく自分のゴルフに集中するってことを心がけてプレーした。きのうの誤球があったので、なかったことにするには勝つしかなかったし、この2打に泣きたくなかった」と優勝の喜びを明かしました。
耳には “お守り”がキラリと光っていました。11月のプロテストに6度目の挑戦で合格。同じ神奈川出身で同学年の原英莉花からシャネルのピアスをお祝いでもらったのです。「試合で初めてつけましたが、パワーをもらいましたね」。
原も2018年大会で優勝しました。原は国内メジャー3勝を含むツアー5勝で大きく差をつけられていますが、高木も一歩ずつ前に進んでいます。
「もっともっとゴルフがうまくなりたいし、もっと強くなりたい。レギュラーツアーでたくさん吸収して、シードはもちろん優勝目指して頑張りたい」と来季に向けて意気込みました。
10月31日から11月3日にかけて行われた日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の2023年度最終プロテストが終了し、21名の新たなプロゴルファー(96期生)が誕生しました。
その中に6度目のプロテスト挑戦でようやく合格した「遅れてきた黄金世代」と呼ばれる高木優奈がいます。
念願のプロテスト合格に、高木優奈はうれし涙を流しました。初受験から6年。全て最終ステージまで進出したのに届かないでいた合格ラインをようやく突破し、「途中カットラインが気になったけど速報ボードなんて見られなかった。同組の2人(馬場咲希と清本美波)は“ガン見”していて。『よく見られるね』なんて。そりゃ(受験)1回目と6回目は違いますね」と笑って振り返りました。
彼女はプロテスト合格の喜びを次のように話しています。
(最終日序盤2連続ボギーで)きつかったです。この位置にいても緊張するんだって思ってました。足もフワフワした感じで。一生試合に出られるんだと思ったら、こんなにうれしいことはないです。落ちたら欧州ツアーのQTを受けようと思って、申し込みもしていました。日本でやりたかったからホッとしています。この後にはQTもあるので気を引き締めて…ですけど、さすがに今は喜びたいです!
彼女は2019年のステップ・アップ・ツアー「ANAプリンセスカップ」で優勝し、得られた権利で出たツアー予選会(QT)で43位になり、2季前の2020-21年統合シーズンは「TP単年登録」という形で45試合に出場した実力者ですが、規約の改正でQTの受験資格がJLPGA正会員に限定されることになったため、何としてもプロテストに合格する必要がありました。
しかし2021年度のプロテストで1打及ばず合格を逃すなど、涙をのみ続けてきました。
つらかった6回のプロテスト受験を振り返って、次のように話しています。
正直初めの2回はこんなもんだろうと思っていました。ステップで優勝してからの3回目 レギュラーでシードを目指してシーズン戦ったあとの4回目 全米女子オープンに出てテストに向けてしっかり調整をして受けた5回目 もうテストは受からないと思いました。
普通の試合は予選カット周辺のドキドキも 優勝争いするドキドキも このドキドキが何よりも楽しい。でも、テストだけはひとつも楽しくない。
どれだけ他の試合で良いスコアでまわってもテストがダメならまるで今年一年全てがダメだったと何も頑張っていないと言われているような気分でもう頑張ることすらしたくない 大好きなゴルフが苦しくてたまらない やめたい そう思ったのが去年の11月だった。
その後、ゴルフ人生で初めて1か月半、クラブを握らなかった時期があったそうです。ここで将来をじっくり考え「やっぱりゴルフが大好きでやっぱりまたレギュラーツアーに戻りたかった」と再認識しました。オーストラリアツアーなどで試合、ゴルフの楽しさを思い出したということです。
また次のようにも話しており、しっかりと来季を見据えているようです。
2週間後にファーストQTがあります。そこで落ちたら、意味がない。ファイナルへ行って、JLPGAツアーへ来年、ちゃんと最初から出られるように、もう一度、気を引き締めて頑張りたい。
彼女は、プロテストに合格していないながらも既に「プロ転向」(JLPGA非会員)しており、2019年にはステップアップツアー(下部ツアー)の「ANA PRINCESS CUP」で優勝しています。
しかし、最終プロテストにはなかなか合格できませんでした。今年「6度目の挑戦」にして、ようやくプロテスト合格(11アンダーで4位)を果たしました。
若い女子ゴルファーには世代ごとに、1998年生まれの「黄金世代」、1999年生まれの「はざま世代」、2000年生まれの「プラチナ世代(ミレニアム世代)」、2001年生まれの「新世紀世代(第三世代)」、などの呼び名があることはよく知られていますが、さらに若い世代がどんどん活躍するようになって、次々に新しい新世代の名前が誕生しています。
2002年生まれの岩井明愛・千怜が双子でツアー参戦し、史上初の双子での優勝を飾ったことで2002年度生まれは「ツインズ世代」と呼ばれています。他に桑木志帆・宮澤美咲などがいます。
2022年に優勝した川﨑春花や尾関彩美悠や2023年4月に初優勝した神谷そら、櫻井心那などの2003年度生まれは「ダイヤモンド世代」と呼ばれています。
また、まだ確定した名前ではありませんが、アマチュアで大活躍の馬場咲希の名前にちなんで、2005年度生まれには「馬場世代」という候補もあるそうです。
なお、この「世代」は、名前としてはまだ定着していませんので、仮に「馬場世代」としておきましたが、清本美波が大活躍して人気が急上昇すれば、「美・咲希(みさき)世代」となるかもしれません。
2020年の新型コロナウイルスの流行をきっかけに、ゴルフは「密にならずに楽しめるスポーツ」ということで人気になりました。ゴルフ練習場やゴルフ場で若い人たちの姿を見かける機会が明らかに増えました。その勢いは2022年もとどまることを知らず、むしろ加速しているように感じました。
かつては「オジサンのスポーツ」と言われ、若い世代には敬遠されていましたが、今はむしろ「オシャレなスポーツ」として若者たちや女性からも支持されています。最近の日本人の若手女子プロゴルファーの活躍もその一因ではないかと私は思います。
2019年8月4日、「黄金世代」と呼ばれる若手女子ゴルファーの一人の渋野日向子(当時20)が、「全英女子オープンゴルフ」に優勝しました。
これをきっかけに、日本の女子プロゴルフ界に宮里藍以来のフォローの風が再び吹き始めたようです。それまでは韓国勢に圧倒されっぱなしで、毎週のように韓国人選手に優勝をさらわれていましたが、2020年~21年からは明らかに日本人の女子プロゴルファーの活躍が目覚ましいものになってきました。
現在女子プロゴルフ界では、小祝さくら・渋野日向子・原英莉花・勝みなみ・新垣比菜・淺井咲希・河本結・大里桃子などの「黄金世代(1998年4月2日~1999年4月1日生まれ)」や古江彩佳・澁澤莉絵留・西村優菜・安田祐香・吉田優利などの「プラチナ世代(ミレニアム世代)(2000年4月2日~2001年4月1日生まれ)」と呼ばれる20代前半の選手が大活躍するようになって来ました。
さらにその下の世代の山下美夢有・笹生優花・西郷真央などの有望選手は「第三世代」あるいは「新世紀世代」(2001年4月2日~2002年4月1日生まれ)と呼ばれ始めています。
これについては「女子プロゴルフが再び面白い!黄金世代・プラチナ世代・新世紀世代が大活躍」「女子ゴルフ賞金ランキング争いは熾烈!シード権争いはメルセデスランキング。」という記事に詳しく書いていますので、ぜひご覧ください。
しかし、黄金世代より上の世代や「はざま世代」も負けていません。今年は次々に「初優勝」のヒロインが生まれるような予感がします。
そこで今回は、小祝さくら・渋野日向子・原英莉花・勝みなみ・新垣比菜・淺井咲希・河本結・大里桃子など多くの選手が大活躍している「黄金世代(1998年4月2日~1999年4月1日生まれ)と同い年ながら、今年6度目の挑戦でようやくプロテストに合格した高木優奈についてご紹介したいと思います。
1.高木優奈の超可愛い画像
2.高木優奈とは
高木優奈(たかぎ ゆうな)(1998年5月13日~ )は、神奈川県市出身。相洋高等学校卒。身長156cm、体重 55kg。血液型A型。目標はイ・ボミ、辻梨恵。
ドライバーの平均飛距離は220~230ヤード。 得意クラブはパターとユーティリティー。 ベストスコアは64。趣味はスポーツ観戦です。
(1)アマチュア時代
小学生時代に体操競技を始めましたが手首の故障により体操を断念しました。
そして、父親の影響によって11歳からゴルフを始めました。
中学生・高校生時代は陸上競技部に所属していました。
中学時代は2012年に「神奈川県アマチュアゴルフ選手権ジュニアの部」で優勝、「神奈川県アマチュアゴルフ選手権女子の部」で2位となりました。
2013年の「神奈川県アマチュアゴルフ選手権女子の部」では優勝を果たしました。これは中学生として史上2人目の快挙でした。
高校時代は2014年の「関東高等学校ゴルフ選手権冬季大会」で6位、2015年の「全国高等学校ゴルフ選手権春季大会」で16位タイに入りました。
2016年の「関東女子ゴルフ選手権」では11位タイ、「日本女子アマチュアゴルフ選手権競技」では、31位タイに入りました。
また日本女子プロゴルフ協会(LPGA)ツアーには、2016年に「Tポイントレディスゴルフトーナメント」(大会名は当時)にアマチュアとして初出場しましたが、予選落ちに終わりました。
高校卒業後の2017年11月に富山・小杉CCで行われたLPGA最終プロテスト(1度目)に進出しましたが、トータル6オーバーの53位タイ(合格ラインは2アンダー)で、合格に遠く及ばず不合格でした。
同年アマチュア資格を返上し、JLPGA非会員ながら「プロ転向」しました。
(2)プロ転向後
2018年11月に兵庫・チェリーヒルズGCで行われたLPGA最終プロテスト(2度目)に進出しましたが、トータル8オーバーの79位タイ(合格ラインは8アンダー)で、合格に遠く及ばず不合格でした。
同年ファイナルQTに進出し、92位(QTランキングとしては90位)で翌シーズンからステップ・アップ・ツアーを中心にツアー競技に参加できることになりました。
2019年3月、LPGAツアーの「Tポイント×ENEOSゴルフトーナメント」にプロとして初出場しましたが、予選落ちでした。
同年シーズン前半時点でTP単年登録者でした。同年7月ステップ・アップ・ツアー「ANA PRINCESS CUP」において、下部ツアーながらプロ初優勝を果たしました。
2020−21年のシーズンは、 19年にステップ・アップ・ツアー優勝の権利と賞金ランキング70位以内の特例処置で得たツアー予選会(QT)で43位に入り、TP単年登録という形で戦うことになり、レギュラーツアー45試合に参戦しました。
TOTOジャパンクラシックを欠場し、2019年11月に岡山・JFE瀬戸内海GCで行われた最終プロテスト(3度目)を受験しましたが、最終日に「80」の大たたきをして、トータル9オーバーの55位タイ(合格ラインは1オーバー)で、合格に遠く及ばず不合格でした。
大王製紙エリエールレディスオープンは、通算3オーバーの52位で、来季シード権獲得はなりませんでした。
その後、ツアーの出場権を争うQT(予選会)の受験資格が「JLPGA正会員」(国内女子ツアーの正会員)に限定するように変更されました。
2021年11月に京都・城陽CCで行われた最終プロテスト(4度目)は、トータル5オーバーの22位タイ(合格ラインは4オーバー)で惜しくも、1打及ばず不合格になったため、正会員入りには賞金ランクかメルセデスランクで50位以内に入って来季シード権を獲得するか、ツアー優勝するしかない状況となりました。
2022年ヤマハスポーツと用具契約を結びました。
ロレックスランキング300位以内の選手が推薦で出場権を得る臨時登録者(シーズン4試合まで)でヤマハレディースオープン葛城に出場し29位タイが最高位で、 他の2試合は予選落ちしました。
2022年6月2日に開催される「全米女子オープン」の日本地区予選会に出場し1日36ホール(18Hx2)し上位5名に入り出場権を獲得しました。
本戦の【パインニードルズ・ロッジ&GC 6638ヤード パー71 (6月2日〜5日)】に自身海外メジャー初出場で、2日目68をマークするなど予選ラウンドは通過しましたが、決勝ラウンドではスコアを大きく落とす結果となりました。 74−68−78−84 トータル19オーバー69位で4日間を終えました。
大会後のインタビューでは次のように語っています。
決勝ラウンドに進まなければ、この難しさを実感することはできなかったと思います。決勝ラウンドに向けてコースが豹変するメジャーのセッティングを実感できたのは大きな収穫でした。
6月7日付けのロレックスランキングで296位まで上がりツアーに1試合推薦出場する権利が発生しました。
しかし2022年11月に茨城・大洗GCで行われた最終プロテスト(5度目)は、トータル13オーバーの63位タイ(合格ラインは3オーバー)で、合格に遠く及ばず不合格でした。