前に「猫が付くことわざ・慣用句」「犬が付くことわざ・慣用句」についての記事を書きましたが、豚が付くことわざ・慣用句もあります。
そこで今回は「豚が付くことわざ・慣用句」をご紹介したいと思います。あわせて「河豚(ふぐ)が付くことわざ・慣用句」もご紹介します。
1.豚が付くことわざ・慣用句
・豚に真珠(ぶたにしんじゅ)
(新約聖書「マタイ伝」第7章から)貴重な物も、価値のわからない者には無意味で、無駄であることのたとえ。「猫に小判」も同様の意味。
・豚に念仏猫に経(ぶたにねんぶつねこにきょう)
どんなに立派な教えも、それを理解できない者に言い聞かせたところで、何の意味もなさないたとえ。
・豚もおだてりゃ木に登る(ぶたもおだてりゃきにのぼる)
普段は無能な者でも、おだててその気にさせると期待以上の成果を出すことがあるというたとえ。
これとは別に、不可能なことのたとえとして「豚の木登り」ということわざもあります。
・豚を盗んで骨を施す(ぶたをぬすんでほねをほどこす)
大きな悪事の償いとして、少しの善行をすることのたとえ。
2.河豚(ふぐ)が付くことわざ・慣用句
・炬燵で河豚汁(こたつでふぐじる)
大事をとりながら危険なことをするという矛盾した行為のたとえ。炬燵でゆっくり休養しながら、危険な河豚汁を食べることから。
・河豚食う馬鹿、食わぬ馬鹿(ふぐくうばかくわぬばか)
河豚には毒があるのでむやみに食べるのも愚かだが、毒を恐れておいしい河豚を食べないのも愚かであるということ。「河豚食う無分別河豚食わぬ無分別」とも言います。
・河豚にも中れば鯛にも中る(ふぐにもあたればたいにもあたる)
運の悪い時には、安全であるはずのものでも害になることがあるというたとえ。毒のある河豚は中毒の危険があるが、毒のない鯛でも害になることもあるということ。
・河豚は食いたし命は惜しし(ふぐはくいたしいのちはおしし)
おいしい河豚は食べたいが、毒にあたって命を落とすのが怖くて手が出せない。いい思いはしたいが、あとの祟(たた)りが怖くてためらうことのたとえ。