「すぐやる課・防災省」は愚策!しかし「宿題は早く片付けよ」の教訓は正しい

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すぐやる課

1.宿題は早めに片付けて

私が小学一年生になった時、担任の先生から、「宿題は、家に帰ったら、早めに片付けましょう」と教えられたことが、60年以上たった今でも鮮明に覚えています。

なぜ覚えているかというと、別に私の記憶力がよいからではなく、とても印象的なたとえ話で教えてくれたからです。

先生は言いました。「皆さんは、卵焼きが大好きでしょう?でも冷めてしまうと、おいしくなくなります。何日も食べずに置いておくと、しまいには腐ってしまって、食べられなくなります。」

「宿題も、卵焼きと同じで、家に帰ってすぐにやると、出来立てほやほやで(授業で聞いたことが頭に残っていて)、すごく美味しい(とても簡単に解ける)のです。」

2.「すぐやる課」の発案者と廃止された理由

一時、ある市役所に、「すぐやる課」という部署が出来たことが話題になりましたね。

これは、「すぐにやらなければならないもので、すぐやり得るものは、すぐにやります。」をモットーに、市民の緊急な要望に対する迅速な対応を目指して設置されたものです。

実はこれは、当時の松戸市長で、ドラッグストアチェーンの「マツモトキヨシの創業者である松本清(1909年~1973年)氏が発案したものだそうです。

これに刺激されて、日本全国の市町村に、「すぐやる課」と同じ目的の課が続々と誕生しました。

しかし、その後「すぐやる課」を廃止する市町村も出てきて、一時のブームは去った感があります。

廃止された理由は、「どの課でも、すぐやるようにすれば、何もわざわざすぐやる課などを作る必要はないというものでした。確かにごもっともです。

「すぐやる課」を廃止した市町村の住民へのインタビューでも、「すぐやる課に相談したことはありません。何をする課なのかよくわかりませんでしたから。」という声があったそうです。

この「すぐやる課」の問題点が浮き彫りになっているようで、言えてますよね。

3.「防災省」新設構想は愚策

<2020/9/7追記>

この「防災省」構想は、2020/9月の自民党総裁選にも出馬している石破茂元幹事長の発案です。菅官房長官が総裁になる可能性が非常に高いので、今のところこの構想が実現する見込みはありませんが、2021/9月の総裁選で石破氏が勝利すればまた話題になるかもしれません。

しかし、以下に述べるような理由で、この構想は愚策だと私は思います。

先日、自民党の有力政治家で、総裁候補の一人でもある石破茂氏が、「防災省」の新設構想を発表していましたが、これも実際にはあまり機能しないのではないでしょうか?

もともと、「国土交通」「経済産業」「防衛」「国家公安」「警察」「法務」「財務」「厚生労働」「農林水産」「文部科学」「環境」「総務」など各分野で、実質的な権限を持つ省庁が存在しています。

そこに、「防災だけを目的にした省庁を作っても、それは既存省庁からの出向者の寄せ集めで、権限もなく、無駄な仕事を作るだけに終わる恐れがありそうです。

それよりも、「防災対策プロジェクトチーム」のような臨時的な組織を作って、骨太の防災計画を作った方がよいと私は思うのですが、皆さんはどう思われますか?