「一」から「万」の数字を含むことわざ・慣用句(その4)「四」

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四苦八苦

数字を含むことわざ・慣用句と言えば、「三人寄れば文殊の知恵」とか「三つ子の魂百まで」などたくさんあります。

前回は「人数・年齢・回数・年月や時間・距離・寸法」を表す数字を含むことわざ・慣用句を紹介しました。そこで今回は、その他の「一」から「万」までの数字を含むことわざ・慣用句をまとめてご紹介したいと思います。

なお面白い数字の単位についての話は、前に「数字の単位は摩訶不思議。数字の不思議なマジック・数字の大字も紹介!」という記事に詳しく書いていますので、ぜひご覧下さい。

4.「四」を含むことわざ・慣用句

(1)四苦八苦(しくはっく):非常に苦労すること。たいへんな苦しみ。もと仏教の語で、あらゆる苦しみの意。

「四苦」は生(しょう)老・病・死の四つの苦しみ。「八苦」は「四苦」に愛別離苦あいべつりく(親愛な者との別れの苦しみ)、怨憎会苦おんぞうえく(恨み憎む者に会う苦しみ)、求不得苦ぐふとくく(求めているものが得られない苦しみ)、五蘊盛苦ごうんじょうく(心身を形成する五つの要素から生じる苦しみ)を加えたもの。

(2)四知(しち):二人だけの秘密といっても、すでに天が知り、地が知り、自分が知り、相手が知っているの意。どんなに秘密にしていてもいつかは他に漏れるということ。

後漢の楊震が賄賂を渡されそうになった時、「天知り、地知り、我知り、子(相手)知る」と答えて断ったという故事に由来します。

四知

(3)四角な座敷を丸く掃く(しかくなざしきをまるくはく):仕事の手を抜いたり、いいかげんなことをするたとえ。四角い座敷を隅を残して真ん中だけ丸く掃くことから。

(4)四大空に帰す(しだいくうにきす):肉体が消滅すること。死ぬこと。肉体が四大に戻るという意味から。

「四大」は地・水・火・風のことで、仏教ではこれによって肉体が構成されているということから肉体という意味。

(5)四の五の言う(しのごのいう):あれやこれやと不平や不満などの文句を言うこと。

(6)卵の四角(たまごのしかく):あるはずのないことのたとえ。

四角い形の卵は存在しないことから。

「卵の四角と女郎の誠(四角い形の卵が存在しないのと同じで、女郎が誠意を持つことなどない)」とも言います。

(7)丸い卵も切りようで四角(まるいたまごもきりようでしかく):物事は話し方、やり方しだいで円満にいくこともあれば、角が立つこともあるというたとえ。丸い卵も切り方によっては四角になるということから。「ものも言いようで角が立つ」あとに続けても言います。

(8)四つに組む(よつにくむ):正面から堂々と勝負すること。また、全力で取り組むこと。