最近は年齢のせいか、立ち上がる時に「よいしょ」、座る時に、「どっこいしょ」という「掛け声」が自然に出てしまいます。
スポーツ選手も様々な掛け声を出しています。卓球の福原愛選手は、スマッシュやサーブが決まると、「さぁー」と声を出していました。
テニスのシャラポア選手は、「雄叫び」のような声を出します。卓球の張本智和選手の「チョレイ」など、他にも何と言っているかわかりませんが、ガッツポーズと共に叫んでいるスポーツ選手をよく見かけます。
大坂なおみ選手はガッツポーズと共に「Come ON !!」と叫んでいるようです。
これは、自分の技が決まった時の「達成感」「喜び」の表現であると共に、相手に対して「どんなもんだ」というような「威圧」「威嚇」の意味も含まれているのかも知れませんね。
レスリングの浜口京子選手の父親のアニマル浜口さんの「気合いだ!気合いだ!気合いだ!・・・」と延々と連呼するのは、娘に対して「気合いを入れている」ということでしょう。一種のパフォーマンスになっている感じもしますが・・・
私たち団塊世代の場合は、脳に「今から立ち上がるぞ」「今から座るぞ」と知らせて、準備態勢を整えさせるという意味があるようです。暑い夏の朝、会社へ出勤する時は、玄関で「今日は暑いぞ」と心の中で自分につぶやいています。寒い朝も同様に「今日は寒いぞ」と唱えています。そうしないと、突然の暑さ・寒さに自分の体が驚いて不測の事態が起きるのではないかと心配なためです。
英語では、「掛け声」のことを「shout」と言います。
運動会の「綱引き」で「オーエス」と言いますが、これの由来は何でしょうか?綱引きが運動会の種目になったのは、明治初期のイギリス人の指導によるものです。その際、イギリス人チームのメンバーが発した掛け声が、日本人に「オーエス」と聞こえたので、この掛け声が定着したようです。由来にはポルトガル語やスペイン語、フランス語と諸説あるようですが、最近はフランス語のオーイス(Oh,hisse)に由来するとの説が有力なようです。
掛け声には、重たいものを持ち上げる時の「せーの」とか「そーれ」、昔の駕籠かきの「えいほ、えいほ」とか「えっさ、えっさ」とかのように、二人あるいは複数の人が、調子を合わせる為の合図のような意味もありそうですね。
忠臣蔵で、赤穂義士が吉良上野介の首級を上げた時の「えい、えいおー」という掛け声は、「勝ち鬨(かちどき)」です。また「凱歌(がいか)を上げる」という表現もありますが、勝ち鬨は武家の作法だそうで歌ではありません。
また、映画や大河ドラマでの関ケ原の合戦の場面などを見ると、両軍の武者が一斉に走り出して「うぉー」というような地鳴りのような「鬨の声」「喊声」「雄叫び」を発していますが、これはそれぞれの武者が自分に「これから戦いに入るぞ」と脳に伝えて、自分達の士気を高め鼓舞しているのでしょう。