1.「常任理事国」は「第二次世界大戦での戦勝国」という旧態依然たる体制
現在の「国際連合」は、「第二次世界大戦での戦勝国」を「常任理事国」にした旧態依然たる体制が続いています。日本は過去12回「非常任理事国(任期2年)」となっていますが、「非常任理事国どまり」です。
2.「拠出金」は現在の経済力を反映
それにもかかわらず、日本の国連への分担金の「拠出額」は、アメリカに次いで「世界第二位」と多額です。
ちなみに、3位が中国、4位がドイツ、5位がフランス、6位がイギリス、7位がブラジル、8位がイタリア、9位が何とロシアで10位がカナダとなっています。
そして、政治的に東西対立が起きた場合は、「アメリカ・イギリス・フランス」対「ロシア」ないし「中国」となり、「ロシア」ないし「中国」が「拒否権」を発動して、北朝鮮に対する制裁や非難もトーンダウンしてしまう有様です。
これでは、戦前の「国際連盟」と似たようなもので、あまり頼りになりません。
そんな国連に対して、日本は多額の拠出をしている上に、自衛隊の海外派遣までさせられています。こんな馬鹿な話はないと私は思います。
日本政府は今、国と地方の「財政健全化計画」で、「プライマリーバランス(基礎的財政収支)」を2025年度までに黒字化する目標を掲げています。これは、元々は「2020年度に黒字化する目標」だったのを5年先送りしたものです。
3.経済力に比べて拠出金が少なかった中国の狡猾さ
今や世界第二の経済大国であり、常任理事国である中国より日本の拠出額が多いのは、全く理解に苦しみます。また、「拒否権」発動の多いロシアが9位の拠出金とは人を馬鹿にしたような話です。
2018年の分担割合見直し(3年に1回の見直し)で、ようやく中国が2位の拠出国となりました。
4.日本は「常任理事国入り」を目指すよりも「拠出金」を減らすべき
日本が「常任理事国」に入れるような体制改革が無理であれば(99.99%無理です)、早期に拠出金を減額して歳出額を減らし、日本の財政再建に寄与するようにするべきだと思います。
国連に関しては、1996年の「クマラスワミ報告」や、1998年の「マクドゥーガル報告書」が「朝日新聞の慰安婦問題という捏造記事」に基づく誤った報告書であるにもかかわらず、『撤回』もされずに放置されており、日本の国益を長年にわたって損ねています。
やはり、国際政治の世界における「発言力」は、「軍事力」を背景とした「パワーポリティクス」です。
日本の主張が通らないし、発言権もないこのような国連の現状を鑑みると、拠出金を減らして、国連から距離を置く方向へ、方針転換すべき時期に来ているのではないかと思います。
また、「国連の平和維持活動」として自衛隊の海外派遣などを行い、「日報問題」のようなつまらないことで国会で紛糾するくらいなら、一切海外派遣をやめて、日本の領海警備にマンパワーを重点的に投入すべきだと思います。